『ホーナイによる分類』についてです。
新フロイト派で、神経症について研究していた
カレン・ホーナイの理論を、
エニアグラムに適用した分類です。
『葛藤』というものがあります。
通常、葛藤というと、何かをしたい・したくないという明確な欲求があって、
でも何らかのデメリットを甘んじて選択しなければならない時の、
精神的せめぎ合いを指します。
ケーキが食べたいけど太るのは嫌だとか、
カレーライスもパスタも両方食べたいとか、
なんかそういうような「ああっどうしよう!」のことです。
ホーナイがここで論じたのは、他者とのかかわりにおける「神経症的葛藤」というものです。
これは、普通の葛藤とは少し異なり、
『人間の意識の奥底のほうにあり、
普通に暮らしている限り、それがそもそも何に対するどのような葛藤なのか
きちんと自覚することができないほど無意識的で、かつ、
おいそれと取り除けないほど根が深い葛藤』というものです。
だから、たとえ今この瞬間、私たちが「神経症的葛藤」を感じていても、
「今、私は神経症的葛藤を味わっている!」と自覚することはあまりなくて、
なんか疲れる、とか、イライラする、とか、その程度の認識でやり過ごす種類のものです。
ホーナイは、ある個人が、
「他者とのかかわりにおける神経症的葛藤」に対してとる戦略によって、
人を分類しました。
エニアグラムに合わせて説明すると、以下の通りです。
自己主張型:3・7・8
「人に対して動く」と言われるグループです。
衝突や摩擦を恐れず、他人に対してアグレッシブに自己主張します。
(私は、頭の中で彼らのことを『ガンガンいこうぜ』と呼んでいます)
追従型:1・2・6
「人のほうに動く」と言われるグループです。
衝突や摩擦を回避して、自分の役割を果たせるような選択をします。
※ホーナイは、「人についていく」「集団の決定に従う」というような意味で
「追従」という単語をチョイスしたようですが、
エニアグラムでは『超自我』への追従を意味するとしています。
ですから決して、言うことを何でも聞いてくれる人たち、ということではなく
場合によっては自己主張型以上にガンガン主張してくることもあります。
追従という単語を避けて『融和型』と呼ぶこともあります。
(私は『バッチリがんばれ』と呼んでいます)
遊離型:4・5・9
「人から離れる」と言われるグループです。
衝突や摩擦以前に、ストレスそのものを回避するため、対人関係自体を避けます。
物理的に、精神的に、なんとかしてその場から離れていようとします。
ぼんやりと空想にふけったり、部屋の端っこで目立たないように何かを食べていたり、
用もないのに「その日は予定が…」と言って断ってみたり、
方法は様々ですが、とにかく、あんまり熱心に人の中に突っ込んで行きません。
(『とにかくにげて』な人たちですね)
これはあくまで、神経症的葛藤に対する対処についての話です。
対人関係における態度にも強く影響するので、とてもよく似ていますし、
実際にはそこで判断することが多くなるとは思いますが、
(ホーナイ的には)対人関係における態度そのものとは区別されます。
ですから、
あいつは自己中だから自己主張だとか、
いい子ちゃんだから追従だとか、
友達がいないから遊離だとか、そういう話では、決してありません。
「子どもと自分がよくわかる本~エニアグラムで幸せ子育て~」に掲載されている
簡易タイプ分類テストから、質問群1を引用します。
この内容が、ホーナイによる分類と対応しています。
自己主張型:選択肢A
私は、ほしいものややりたいことがあるとき、じっと待っているタイプではない。
自分から動き、主張して、自分の力でつかみ取ろうとする。
周りの人と関わるときには、比較的、話の流れに影響を与えることが多い。
追従型:選択肢C
私は「こうあるべき」という意識をはっきり持っている。
責任感が強く、気を配るあまり、自分個人のことがおろそかになることもある。
周りの人と関わるときにも、自分の役割を知っていて、それを意識しながら行動する。
遊離型:選択肢B
私は、おとなしい。
人よりも多くの時間をひとりで物思いにふけることや、考えごとをすることに費やす。
周りの人と関わるときには、あまり自分から近づいていくことはなく、少し離れたところで様子を眺めている。
セルフイメージというより、周りの人と比較してみる必要があります。
「あたし、おとなしいじゃん?」と自称する自己主張型を知っていますが、
「そうかもしれんけど、世の中の平均と比べてどうよ」と聞いたら
「そりゃあ、やる時はやるわよ。ずっとやらない奴と一緒にしないで!」
というような返答が返ってきました。
まあ、ともあれ、人と比べて見てください。
誰であっても
「自分こそがスタンダード、そうでない奴はおかしい」
という感覚を、多少なりとも持っているものです
(自分は人と違っていて変だ、ということもあるかもしれませんが…)。
自分をどうやって客観視するか、という問題にもなってきます。
今夜はここまで。
前回、ガッツを扱いましたから、
ガッツとホーナイで二つ揃えば、早い人なら、タイプの目星がつきます。
次回の分類と三つ揃えば、早い人ならほぼ確定です。
とはいえ、実際には文字だけでは判定できないので、ワークショップへ。
とにかく今夜はおやすみなさい。
新フロイト派で、神経症について研究していた
カレン・ホーナイの理論を、
エニアグラムに適用した分類です。
『葛藤』というものがあります。
通常、葛藤というと、何かをしたい・したくないという明確な欲求があって、
でも何らかのデメリットを甘んじて選択しなければならない時の、
精神的せめぎ合いを指します。
ケーキが食べたいけど太るのは嫌だとか、
カレーライスもパスタも両方食べたいとか、
なんかそういうような「ああっどうしよう!」のことです。
ホーナイがここで論じたのは、他者とのかかわりにおける「神経症的葛藤」というものです。
これは、普通の葛藤とは少し異なり、
『人間の意識の奥底のほうにあり、
普通に暮らしている限り、それがそもそも何に対するどのような葛藤なのか
きちんと自覚することができないほど無意識的で、かつ、
おいそれと取り除けないほど根が深い葛藤』というものです。
だから、たとえ今この瞬間、私たちが「神経症的葛藤」を感じていても、
「今、私は神経症的葛藤を味わっている!」と自覚することはあまりなくて、
なんか疲れる、とか、イライラする、とか、その程度の認識でやり過ごす種類のものです。
ホーナイは、ある個人が、
「他者とのかかわりにおける神経症的葛藤」に対してとる戦略によって、
人を分類しました。
エニアグラムに合わせて説明すると、以下の通りです。
自己主張型:3・7・8
「人に対して動く」と言われるグループです。
衝突や摩擦を恐れず、他人に対してアグレッシブに自己主張します。
(私は、頭の中で彼らのことを『ガンガンいこうぜ』と呼んでいます)
追従型:1・2・6
「人のほうに動く」と言われるグループです。
衝突や摩擦を回避して、自分の役割を果たせるような選択をします。
※ホーナイは、「人についていく」「集団の決定に従う」というような意味で
「追従」という単語をチョイスしたようですが、
エニアグラムでは『超自我』への追従を意味するとしています。
ですから決して、言うことを何でも聞いてくれる人たち、ということではなく
場合によっては自己主張型以上にガンガン主張してくることもあります。
追従という単語を避けて『融和型』と呼ぶこともあります。
(私は『バッチリがんばれ』と呼んでいます)
遊離型:4・5・9
「人から離れる」と言われるグループです。
衝突や摩擦以前に、ストレスそのものを回避するため、対人関係自体を避けます。
物理的に、精神的に、なんとかしてその場から離れていようとします。
ぼんやりと空想にふけったり、部屋の端っこで目立たないように何かを食べていたり、
用もないのに「その日は予定が…」と言って断ってみたり、
方法は様々ですが、とにかく、あんまり熱心に人の中に突っ込んで行きません。
(『とにかくにげて』な人たちですね)
これはあくまで、神経症的葛藤に対する対処についての話です。
対人関係における態度にも強く影響するので、とてもよく似ていますし、
実際にはそこで判断することが多くなるとは思いますが、
(ホーナイ的には)対人関係における態度そのものとは区別されます。
ですから、
あいつは自己中だから自己主張だとか、
いい子ちゃんだから追従だとか、
友達がいないから遊離だとか、そういう話では、決してありません。
「子どもと自分がよくわかる本~エニアグラムで幸せ子育て~」に掲載されている
簡易タイプ分類テストから、質問群1を引用します。
この内容が、ホーナイによる分類と対応しています。
自己主張型:選択肢A
私は、ほしいものややりたいことがあるとき、じっと待っているタイプではない。
自分から動き、主張して、自分の力でつかみ取ろうとする。
周りの人と関わるときには、比較的、話の流れに影響を与えることが多い。
追従型:選択肢C
私は「こうあるべき」という意識をはっきり持っている。
責任感が強く、気を配るあまり、自分個人のことがおろそかになることもある。
周りの人と関わるときにも、自分の役割を知っていて、それを意識しながら行動する。
遊離型:選択肢B
私は、おとなしい。
人よりも多くの時間をひとりで物思いにふけることや、考えごとをすることに費やす。
周りの人と関わるときには、あまり自分から近づいていくことはなく、少し離れたところで様子を眺めている。
セルフイメージというより、周りの人と比較してみる必要があります。
「あたし、おとなしいじゃん?」と自称する自己主張型を知っていますが、
「そうかもしれんけど、世の中の平均と比べてどうよ」と聞いたら
「そりゃあ、やる時はやるわよ。ずっとやらない奴と一緒にしないで!」
というような返答が返ってきました。
まあ、ともあれ、人と比べて見てください。
誰であっても
「自分こそがスタンダード、そうでない奴はおかしい」
という感覚を、多少なりとも持っているものです
(自分は人と違っていて変だ、ということもあるかもしれませんが…)。
自分をどうやって客観視するか、という問題にもなってきます。
今夜はここまで。
前回、ガッツを扱いましたから、
ガッツとホーナイで二つ揃えば、早い人なら、タイプの目星がつきます。
次回の分類と三つ揃えば、早い人ならほぼ確定です。
とはいえ、実際には文字だけでは判定できないので、ワークショップへ。
とにかく今夜はおやすみなさい。
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