縁側間倉の細々手帖

ゲームのアイデア提案(フィクションゲームノート)とバランス等の考察が中心
既存のものを闇鍋するほうが得意

フィクションゲームノート創作編「武具と印とインフレの先」

2019年03月07日 01時05分24秒 | インポート

 最近余暇がなく書けなかったけれども、月一は目指していきないなぁというこの頃。
書いていくつもりはあるので、相変わらずネタが温まり次第書いていくつもりだ。

 というわけで、今回でフィクションゲームノート創作編第2回。
 前回が考察編だったから、フィクションゲームノート自体は3回めだ。できれば月一で増やして行きたいんだけどなぁ。

 今回は、不思議のダンジョンの印に代表される「武器に与える汎用スキル」と「武器の強化」、それらをインフレの視点から考えた上で、1つの解決案を示したい。

 鍵となるのは、「武器のインフレ」だ。

 不思議のダンジョン、といってもそれを真似たものも含めれば数多くあるが、特に今回は「チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮」と、「不思議の幻想郷3シリーズ」を参考にさせてもらった。
 そのため、一部以下に記す考察が当てはまらないものもある。それを承知していただいた上で、まずはインフレについて考えていこう。

 通常、ゲームがインフレするとき、武器ならば基本的なスペックが、スキルならばその効果や装着可能な数が向上する。
 ゲームによって異なるが、往々にしてこの「武器」の部分が「更新」、すなわち新しいものと入れ替わり、古い武器はお役御免となることが多い。
 それも、単純に攻撃力や防御力で劣るだけでなく、印枠の数ですら負けることとなる。
それがある程度尖った個性を持つものならともかく、バランス型のものでは完全上位互換が出ない方が少ないのではなかろうか。
 一方で、1つあたりのスキル自体の強化は、それに比べれば後半のものか、小さいことが多い。これは、両方を同じタイミングでインフレさせると、加速度的なインフレになってしまうのもあるのだろう。

 これらを解決する手段はないわけではないが、少なくとも「武器の更新」というのはやはり理解がとてもしやすいものだ。代案を提示するにも、ユーザの思考の負担が増えた結果、うまく形を為さなかったり、評価が低くなったりというのはよくあることだ。

 しかしながら、インフレという性質上、これははっきり言って問題でもなんでもない。
 コスト対効果を例とするバランスのあるシステム(主に対人ゲームなど)ならともかく、敵が強くなる以上はこちらも相対的に強力や装備やスキルを得るのは当然のことだからだ。
 一方で、「序盤の武器が役に立たないのは寂しい」という声もある。エンターテイメントとして、最初に出てきた武器や技が最後の一撃を飾るというのは1つのテンプレートになってすらいる。


 というわけで、今回提案したいのは、「すべての装備を、最終的に対等にするにはどうすればいいか」という課題への解決案だ。
 それは、いたってシンプルですらある。

 武器の「覚醒」だ。「進化」と言っても構わない。


 多いに使い古されたネタだが、古くは「故きを温ね新しきを知る」とも、近年の言葉なら「枯れた技術の水平思考」ともいう。(後者は若干意味が違うか?)
 ともあれ、このアイデアにはまだまだ活用の可能性が眠っている。

 今回の提案では、具体的に以下の4つが軸となる。

  • 進行度や主人公の経験が一定のラインを超えるたびに、「すべての装備の」印枠を平等に増やす。
  • さらに、進行度や経験が一定のラインを超えたとき、「装備の覚醒」が行えるようにする。
  • 覚醒が起こると、武器の基礎スペックが向上したり固有のスキルが発現・強化したりする代わり、武器の印枠が減少する。
  • ダンジョン攻略中に動的に覚醒・覚醒解除を行うことができる。(覚醒することで枠からはみ出た印は、失われるのではなく覚醒中のみ効果が発揮されなくなる。)

 単純に「進化」などと言うと、装備の基本的なスペックをそのまま上位のステージに押し上げることが大半だ。攻撃力・防御力が上がり、印数が増える。より強力な武器に並ぶようになるだけで、根本が変わることはそんなにない。
 しかし、今回はあえてそこに「個性」と「リスク」を設ける。当然、進化の内容は武器毎に細かく変わることになる。
 事実上、「印枠は多いが基礎スペックが低い装備」と「印枠は少ないが基礎スペックが高かったり固有のスキルを持つ装備」といったように、1つの装備ごとに「2つの形態」を持たせることに等しい。
 そして、これら2つの形態をダンジョン内で使い分けられるということは、「2つの装備を自在に切り替えられる」ことに近いと言える。
 こうした「明らかな性質の変化」を示すために、今回は「覚醒」という言葉を使っている。

 覚醒のリスクとして減少する印枠の数は、進行度や経験によって基礎となる印枠が向上することで、覚醒が定着する頃には大きな問題ではなくなっていることを睨んでいる。
 ダンジョン攻略中の覚醒・非覚醒状態を変更させる狙いとしては、戦闘から探索まで多くの印を用意したうえで、覚醒によって印を戦闘に偏らせることで、
「探索は非覚醒で」
「ボス戦は覚醒で」
 といったようにメリハリが付けられるというのも1つのポイントとなる。

 覚醒の導入の際に重要なのは、あえて「覚醒のタイミングを揃える」こと。
 これは、「覚醒が発現する時期が遅いが強力」な装備を生み出さないための処置だ。
 第二覚醒、第三覚醒と用意していくならそれもいいかもしれないが、覚醒段階が増えるほどユーザ側が扱う情報量が多くなり、それに伴いバランスが難しくなることは想像に難くない。

 もちろん、そのためには基本的なスペックをなるべくインフレさせすぎないよう配慮が必要になる。
 (覚醒しか役に立たない装備と、非覚醒と覚醒の両方が役に立つ武器なら、後者の方が優秀なのは言うまでもない。)
 必要ならば、覚醒可能な状態になった時点で、もしくは印枠と同様に徐々に基本スペックの低い武器の強化を覚醒とは別に行う必要もあるだろう。

 以上が、「装備の覚醒」の概要になる。
 具体的には、原石の研磨についてはそれぞれのセンスで考えて欲しいと思っている。

 覚醒によってもたらされる「装備の変化」と「印の選択」、結果として「装備の平均化」を図るという試み。
 更にこれを動的にすることで、1つの装備でも違う形を得るというダンジョン攻略の拡張。
上手く行くかはさておき、面白いという自負はあるので、誰かが参考にしてくれたら嬉しい限りだ。

以上、フィクションゲームノート創作編第2回だった。相変わらずの殴り書きだったが、ここまで読んでくれた方に感謝を。
そして、またの機会まで、お待ちあれ。

フィクションゲームノート考察編「部位破壊」

2018年11月06日 23時55分06秒 | インポート

世の中には多種多様なゲームがあって、
その中には色々なアイデアが詰め込まれている。
それは僕らを楽しませてくれるけれど、
時々どうしようもなく惜しいものになることも多い。
それを紐解いて、面白いゲームにするにはどういったものがあるか、工夫があるか、
それを考えていきたいと常日頃から思う。

という短い冒頭から、今回はフィクションゲームノートの「考察編」。
主に実在するゲームを対象に、あるいは自分の「フィクションゲームノート」自体を対象に、
色々考えていきたいというのがこの「考察編」の在り方になる。

さて、第一回となる今回は、モンスターハンターシリーズを対象に、
「部位破壊」というシステムと、それが戦闘に与える影響について考えていきたい。

モンハンで部位破壊、更に戦闘関連でと言うと、
尻尾を切れば攻撃範囲が狭くなるとか、
古龍の角を折れば固有の能力が抑制できたとか、
Triの頃に作成されたモンスターであれば、それぞれのモンスターに部位破壊の恩恵があったりした。

個人的にこの頃の部位破壊は結構好きで、確かに面倒な部分もあったけれど、
モンスターの特徴や生態に紐付いたものであったり、
これを意識することで戦闘を優位に進めやすくなるものして結構高く評価していたりした。

改めて、部位破壊とはなんだろうか。
目的としては2つ。

  • 報酬を増やす
  • 部位に依存する行動の弱体化

この2つが挙げられる。
けれども後者の要素のあるモンスターはそう多くないので、(あっても尻尾切断程度)
ほとんどは前者によることになる。

それゆえに、単にモンスターを倒すということだけが目的となるのなら、部位破壊は無視されることも少なくない。
しかし、それではメリハリも何もないので、個人的には部位破壊の恩恵は(実装が面倒だとは重々承知の上で)できるだけあった方が良いと思っている。

改めて、部位破壊が戦闘に与える影響を考えてみたい。
部位破壊を狙うということは、弱点や狙いやすい部位への攻撃を捨てて、あるいは狙いやすいタイミングを見計らって、その部位への攻撃を行うことになる。
戦闘面で結果として得られるものはまちまちだが、
少なくとも「早く終わらせれば狙う必要がなくなる」ことは大きなメリットだ。

そのために存在するのが、
「爆破属性」と「破壊王」
の2つ。
しかし後者はダメージに直結しないということで、部位破壊そのものが戦闘の短縮になる特異なシチュエーション以外では優先して利用されないのが実情だ。
(一応、そのシチュエーションとしては部位破壊ターゲットのサブタゲマラソンと、マムタロトの前半戦がある。)

部位破壊が手早く済めば、より早く弱点部位を攻撃でき、戦闘がそのぶん早くなる。
部位破壊による攻撃の緩和があるのなら、そちらもそのぶん楽に戦える。
それが戦闘としてみたときの部位破壊の恩恵と言えるのではなかろうか。
ちなみにモンハンには「ひるみ」というシステムがあり、これは部位破壊とシステムが直結している。
部位破壊を終わらせると、モンスターがひるむ。
ひるみの規模は様々で、部位破壊に限った話ではないのだが、これも恩恵として数えていいだろう。

さて、ここからがようやく本題だ。
現在のモンスターハンター、つまりMHWでは、部位破壊を意識した戦闘はほとんど行われていない。
これは無視されているというわけではなく、「結果として部位破壊をしているだけで、部位破壊そのものを狙う機会は多くない」という意味だ。
(全くないわけではなく、ベヒーモスの尻尾は割と優先して狙われるとか。)
実際筆者自身、歴戦王では部位破壊は全く意識していない。たまに気まぐれで尻尾を切断する程度だ。

その状況で、部位破壊を狙うことに価値を作るにはどうすれば良いのか。
先の通り、部位破壊とひるみはシステムとして強く結びついている。
ひるみを取るために部位を狙うというのは、まぁ1つの理屈であろう。実際にひるみループという技術もある。
しかし、破壊王を付けたところで、破壊が完了してしまえばそれまでだ。そこから先はスキルの効果が無になると言っていい。(これは破壊王がそういうスキルだからだ。)

しかしながら、部位破壊とひるみを直結させ、活かすには、部位の耐久力を上げるしかない。
とはいえ単に上げただけでは部位破壊が著しく難しくなるだけで、これでは素材目的の部位破壊の大きな邪魔となってしまう。

そのために、自分が提案したいのが、HP条件だ。
これはフロンティアの方では時々見られた条件で、本家の方でも古龍の角や尻尾の部位破壊条件に絡んでいた。
しかし、現在は見られない「消えた」アイデアとなっている。

HP条件が消えていった理由としては、

・大体が作中では非公開の情報であり、ユーザを混乱させるだけになっていた。
・HPの現在値を判断する要素がなく、いつから狙えばいいのかがわからない。

この2つがあると睨んでいる。

しかし、これは解消できることだと思う。
前者はゲーム内の情報を充実させることで解消できるし、
後者は「HPが減った」という見て分かる変化や行動があれば良い。

例えば、古龍は角破壊が有効だとされていたのは、実際にそうだっただけではなく、
作中で説明される情報として「古龍は角で自身の能力を制御している」という設定が公開されていたからだ。
他にもチャナガブルは提灯を破壊すると明らかに光が消えて、発光が行えなくなる。

こうした変化のヒントを与えたのと同じように、
「このモンスターは鎧を剥がすまで尻尾の切断は不可能だ。」
などと紹介すればいい。

この場合、仮に鎧の破壊がHP条件だとしても、破壊条件は「鎧の剥離」だと見て分かる。

「形態や意識の変化により防御が疎かになったために部位破壊が可能になった。この変化は、モンスターから見たハンターの危険度、つまり与えたダメージに直結する。」

何にでも使えるわけではないが、この例はフロンティアのエスピナスがいる。

エスピナスは普段は攻撃せず、周囲の生き物が硬く鋭い外殻を嫌って避けていくのに任せるまま平和に過ごしている。多少攻撃したところで意にも介さない。
しかし、ハンターが執拗に攻撃を続けると、エスピナスはハンターを「外的」とみなす。
こうなるとエスピナスは外殻の防御を緩め攻撃に弱くなる代わり、その鋭さを武器にハンターへと攻撃を仕掛けてくる。
この時、エスピナスは咆哮を行い、全身が赤くなり(おそらく血が巡っているのだろう)、行動自体もまるで違うものになる。
肉質も大きく変化し、元々比較的柔らかかった腹部も含め、全身が柔らかく変化する。

こうした変化があれば、間接的に「変化」を部位破壊の条件とすることでユーザは「いつから部位破壊を意識すべきか」を容易に認識できる。
その代わりに、短時間で部位を破壊する必要が出てくるために破壊王が重宝されることもあるだろう。
そうでなくとも、条件が満たされていない間は破壊王によるひるみが取りやすくなることになる。
(先に述べた通り、部位破壊とひるみは直結している。部位破壊がしやすくなる=部位破壊が可能な部位でひるませやすいと言っていい。)
ひるんだ時間はそのまま攻撃機会なので、僅かながら手数にも貢献ができるというわけだ。

ちなみに、比較的最近の例だとゴア・マガラの角がこれに近い。
角が出ていなければ破壊できない。至極当たり前の話だ。

モンハンに限った話ではないが、改めて「部位破壊」のような戦闘に関わるギミックを考えてみて欲しい。

  1. ユーザに与えた情報は不足していないか。
  2. その情報は誰でも確認がしやすいものか。
  3. 与えた情報は活用しやすいものか。
  4. そもそも、上手く活用した例がきちんと用意されているか。


部位破壊とそれに纏わるスキルについては、モンハンはまだまだ手を付けていないと言っていい。
自分がモンハンの今後に期待したい要素の1つだ。

というわけで、第一回の「部位破壊編」はここまでとしよう。
今回はあくまでモンハンの範囲だけで話したが、先の通り、これはモンハンや狩りゲーだけに限った話ではない。
ゲームにメリハリを与えるギミックの1つ、その考察例として頭の片隅に入れていただければ幸いだ。

それでは、また次回。
気が向いたときに会おう。



フィクションゲームノート-武具の合成と特性

2018年09月14日 23時26分55秒 | インポート

はじめに~フィクションゲームノートとは

フィクションゲームノートとは、筆者こと縁側が考えたゲームの妄想日記である。
大抵の場合は着想したアイデアをある程度書き出して暇つぶしのネタを提供したり、あわよくばアイデアや自分自身を誰かに拾ってもらったりするためのブログ兼PR活動でもある。

とはいえ目的の大部分は「こんなネタあるぜ! 面白そうだろ!(主観)」なので、「なんだ面白そうだな。見てやろうか」という気分で見てもらえれば幸いだ。

というわけで、早速本題に入ろう。

武具の合成と特性

チョコボの不思議なダンジョン2(以下原作)の合成システムを、面影を残しつつシンプルな形にしたもの。

チョコボの不思議なダンジョン2の合成システムはなかなか厄介で、


「印は2区分まで」


はともかく、


「合成後の武具のステータスは合成に用いた武具のステータスから算出される」


「合成の際に追加で特定のアイテムを追加でき、それにより印を操作したり、合成後のステータスを変化させることができる」


という酷く分かりづらい特徴がある。

また、これらは作中簡単な説明があるのみで、攻略本に頼らない場合には、実際の効果や挙動は自ら研究し明らかにする必要があった。

特に「合成武具のステータス算出」は解らない頃にはただの数字だが、知ってみるととても考えさせられる。というのも、このステータスは全てプレイヤーにオープンされたデータで、プレイヤーはそれを文字としてだけでなく、数字として具体的に知ることができたからだ。(とはいえそれらの数値が実態としてどのような効能をもたらすのかは検証の必要があったが)


というわけで今回は、原作の大きな特徴の1つと言える「武具のステータスは合成素材によって変化する」という点を如何に再現するかを考えたいと思う。


原作での「能力の表現」考察

まず、これらの「詳細ステータス」が何をもたらすのかを考えたい。

原作では、ステータスには武器・防具それぞれに以下の項目がある。


武器

攻撃力、耐久度、頑丈さ、元気度、最大+値、命中率、クリティカル率


防具

防御力、耐久度、頑丈さ、元気度、最大+値、回避率、魔法防御力


このうち攻撃力/防御力と最大+値は武器の種類ごとに固定されており、耐久度は武具のHPのようなもので冒険中も頻繁に変動する。


特に合成で変化を意識したいのは、以下のステータス


頑丈さ:耐久度をHPとするなら、こちらはその防御力。高いほど耐久度が減りにくくなり、長く使うことができる。

元気度:元気(満腹度などと同義)の減りにくさを表す。高いほど元気度の自然減少のテンポが遅くなり、長く探索できる。

命中率:そのままの意味で、そのままの確率。

回避率:命中率同様そのままの意味と確率。

クリティカル率:そのままの意味と確率

魔法防御力:FFが原作なので魔法攻撃がある。それに対する防御力。


これらの値は合成によってのみ変化し、実際にゲーム内で見ることができると同時に作用を起こす。

そして、これらがステータスとして存在することにより、いわゆる「印」や「スキル」といったものの数がかなり少なくなっている。なぜなら、それらの効果をこれら数値によって再現できるからだ。


例えばよくある中で「満腹度が減りづらい」「命中率は低いがダメージが上昇する」「必中」「回避力が高い」であろうか。

これらは全て「ステータス」によって再現が可能となっている。

「満腹度が減りづらい」は「元気度が高い」であり、その他に至っては説明するまでもなくそのままの値がステータスとして記載されている。

このため原作の「印」の効果は特殊なものに限ることができるぶん種類が少なく、同時に「印」の枠数が少なくともそれなりに差別化が可能となっている。

また、個々のステータス変動を「印」として捉えた場合、かなり細かくその数値が変化することになる、とも取れる。


こうした武器の合成に注目システムは不思議のダンジョン系列のゲームでは珍しく、ローグライク全体で見てもここまでステータスをユーザが参照・操作できるゲームは珍しい部類と言えるだろう。

..武具の「特性」

さて、改めて「ステータスの合成」の話に戻ろう。


不思議のダンジョンシリーズで「武具の合成」と言えば、大半は「印の集約」と「+値の合算」だ。

しかし原作ではこれに「ステータスの再計算」が加わっていることは最初に話した通りである。


しかしながら、この再計算は面倒くさい。

何せ途中で経由した武器の全てのステータスが最終ステータスに関与してくるため、合成を重ねるほどに特徴が均されてほぼ無意味となってしまったり、何世代も前の合成素材の低ステータスが最後まで数値に現れてくることもある。

そうでなくても計算式の都合一度合成しただけで特徴が75%に減少する。特徴を取り入れたくても25%しか反映されない。

問題を解決する追加合成素材もあるが、これが安定して手に入るのはそれなりのやりこみと運が必要となってしまう。秘密のダンジョンにドラゴン系モンスターを出さなかったのは許さない


上記の問題を解決するにはどうすればいいか。

それは簡単な話で、武器のステータスの特徴を「印」の形に戻してしまえばいい。

「わざわざ合成に計算式を持ち出して特性が残存するようにしたのに印の形に戻してしまうのはもったいない」

そう思うのは解る。筆者も全く同じ気持ちだ。とはいえ妥協は必要だ。でないと全ステータスの良い点だけを集め、さらに突き詰めた武具が手軽に作れてしまう。(実際、特化した武具同士をとある追加合成素材で合成し続けると簡単に作れてしまう。)

ゆえに、これは「印」ではないが「印」と同じようなものということにしよう。


ゆえに今回提案するのは、ステータスを変動させる特徴だけを持つ、武具の「特性」の引き継ぎだ。


例えば、原作には「軽い」と銘のついた武器がある。

これには「攻撃力が低い」「脆い」「元気を維持しやすい」「命中率/回避率が高い」「クリティカル率が高い」と軽戦士的な要素がある。

これを「武器の基礎ステータス+特性による補正」により再現する。

例えばこの中から「元気を維持しやすい」「命中率/回避率が高い」を特性としよう。「軽い」ので負担が小さく、扱いやすいというわけだ。

これをステータスの変化として書き直すと、「軽い」という「特性」は「元気度が上がる」「命中率/回避率が上がる」と書くことができる。

この「特性」を加味した上で「軽い」武具の詳細ステータスを設定し、「特性」込みで上記の特徴を全て再現できることになる。

そして、この「特性」は合成で引き継ぎが可能性なようにする。

すると、「軽い」という「特性」を持つために従来よりも「元気度」と「命中率/回避率」が高い武具が完成するという次第だ。


……尤もらしく書いているが、要するに「ステータス補正のみの印」でしかないというのは冷静な諸兄ならば容易に見抜いていることだろう。

なので、もう1つ「印」と差別化するために次のように提案しよう。

  • 「1つの武器に付けられる特性は、印とは別で管理される(特性と印の断絶)」
  • 「武具が元々持っている特性を取り除くことはできない。(固有特性の固定)」

「特性と印の断絶」というのはお互いを比較しないための処置であり、同時に「特性だが、印と似たような効果を持つ」ものを再現するためだ。

そして、「固有特性の固定」はあえて武具の特性を固定することで武具の特徴を残しつつ、同時に「基礎が強力で、なおかつ特性も自由」という武具に掛ける枷としての役割がある。


特に後者の「固有特性の固定」に意味を持たせるため、武具に設定可能な特性は少なめな方がいい。(筆者は特性の数を固有特性を合わせて3つ程度とイメージしている。)


以上が筆者の構想した「武具の特性の合成」のイメージとなる。

また、いまさらかもしれないが、これは武具固有の詳細ステータスあってのものだ。武具の詳細ステータスが統一されていては上記のステータス変化はつまらないものになる。

例えば「クリティカル率アップ」の特性を固有で持つ武器と特性を引き継いで持っている武器でクリティカル率が変わらないのでは、せっかく固有で持つ武器の強みが失われてしまう。

同様にステータスに起因する武具の特徴を改善や特化といったこともできなくなるのは、選択肢を用意しないのと等しいことと言えるだろう。


インフレと「特性」の在り方

成長要素のあるゲームなら必ずあるものが「インフレ」だ。

不思議のダンジョンも武器の強化やレベルアップ、より強力な武器の入手などで攻撃力や防御力といった部分はインフレの限りどこまでも伸びていく。

その時「特性」はどうあるべきか、を少し考えていきたい。


とはいえ、ここでは答えを示すのではなく、いくつかの可能性を示すだけにしたい。

何故なら筆者はこのアイデアノートに影響を受けた、または似たような着想のゲームをプレイしたいのであって、これを押し付けたいわけではないからだ。


まず、攻撃力、防御力について

これには2つの選択肢が提案できる。

単純に「攻撃力やダメージを割合で上昇させるやり方」と「特性を成長式にして攻撃力の固定値が変化していく」タイプだ。

筆者としては弱点を補うという意味で後者の固定値を薦めたいところだが、そうなると他の特性も同様に成長させなければならなくなるという問題が出てくる。

更に「固定値に加え+値やレベルなどを参照する係数」の手もあるが、これもやりたい事次第ではやりづらい面がある。

自分の作りたいイメージに合わせて、独自の考察が必要な部分だと思う。


次に、命中率や回避率について

これは敵に命中率や回避率を設定するのなら特性の成長させて命中率の100%超えをさせていきたいところ。また、攻撃力の代償としてその他のステータスを下げていくなら同様に成長させていくべきものだと考える。

ただ、基礎ステータスのバランスを特に変化させないのなら特に変化をさせる必要もないと思う。

おそらく回避率を持つ敵というのはレパートリー上出てくるので、それに対する回答をどうするのかで分かれるところと言える。


3つめは頑丈さや元気度について。

これは高めるほど深いダンジョンでも戦いやすくなるが、そのぶん耐久度や元気度を回復させるアイテムの重要度が変わってくる地味に厄介な部分である。

これは特性枠との兼ね合いとなり、特性枠を十分に確保するのならある程度前提としても良い。(そのぶん自由枠が減るだけで、本質はあまり変わらない)

ただ、武具のステータスのチューニングという点で見るなら前提にするのはオススメしない。

「特性でアイテム所持量が楽になる」「事故が起こりづらくなる」程度に考えたほうが無難かもしれない。


最後にクリティカル率。

これはクリエイターとしてクリティカルにどこまで夢を持たせるかによる。

クリティカルを成長させることにロマンを感じてほしいなら好きに伸ばせばいいし、係数でのダメージ上昇であり、同時にダメージ計算を狂わせる曲者として考えるならその旨を熟考した上で相応しい値を決めていけばいい。

これは筆者としても意見が割れるところであり、どちらも正しいと考えている。つまるところ、「好きにする方が面白い」が筆者の考えだ。


このように「パラメータ」によってインフレとの付き合い方は変わってくる。

ただ個人的に思うのは、初期の武器だから最終値も低い、というロマンの弱いものはやりこみ的な意味でも面白くないと思う。

印についてもそうだが、「弱い武器は特性を多くつけられる」などのように最終的にはある程度横並びになる方がやり甲斐もあるというもの。

せっかく広がった選択肢なのだから、精一杯頭を捻って「これだ!」というものを作り上げて欲しい。


余談が入ったが、以上で「インフレと特性の在り方」の例示を終わろう。


書きかけの終わりに

さて、今回のアイデアノートを読者の皆さんはどう受け取っただろうか。

面白いと受け取るもよし、つまらないと一蹴するもよし、「そんなものはあるぜ」と筆者に投げつけてくれるのもよし(時間を見つけてプレイしたいレベル)。

まだまだ浮かぶこと、追記したいこと、これを用いたゲームのバランスまで色々書きたいことはあるが、記事もだいぶん長くなってきたのでひとまず今回はここで終わりにしたいと思う。


これを見てくださった読者に感謝を、もし感銘を受けてくださった方がいれば思いつく限りの敬意を。

PS.要望や暇があったら更に深い内容について追求していくかもしれません。

サラマングレイト初版考察

2018年07月17日 01時48分40秒 | インポート
手札は足りない! モンスターは弱い!
並べたところで何もできない!

そんなサラマングレイトだけど、なんとなく組んで弱いなりになんとか形になったので何度か回した上で考察してみる。
ちなみに現状はこんな感じ


メインデッキは余り1。Jジャガーが2枚でいいのではと気づいて減らした枠
儀式モンスター? 俺のカードプールにはそんなものはない。


EXデッキはまだまだ考察中。とりあえずXモンスターはフレシアとジャイアント・ハンド辺りを残してSをどうしようか悩んでいるところ。
正直17枚くらいになって収まらないと思うので、最終的にチューナー関連は抜ける可能性もある。

さて、まずなぜチューナーが入っているかからお話しよう。
なぜならば自分が好きだからである、というのは半分冗談。
実際のところは「意志」の効果に頼らなくともミーアファルコを展開するためにジャンクロンに白羽の矢が立ったことが理由になる。
実際のところジャンクロンでなければならない理由はなく、Sモンスターを採用しなければサイバース・ガジェットで全く問題はない。
ただ、サラマングレイトはリンクだけで戦えるテーマとは言い難いので、少なくともXモンスターの導入は必要だと感じている。(そしてXモンスターの採用なら、サイバース・ガジェットの方が優秀と言える。)
どうしてXモンスターなのか。その理由も踏まえて各カードを簡単に考察していこう。

1.ミーア(星2)
 以下の効果はそれぞれ1度。
 ●手札に加わると特殊召喚。
 ●手札のカードを捨てて特殊召喚。

リリーベルとザ・トリッキーを足したようなカード。これで展開の要にならなかったら何になるのか。
サラマングレイトは墓地からの展開が要となるテーマなので、この効果を含め早急に送っておきたい。
墓地に送るカードの種類は問わない上に、手札に戻る機会も多いので手札に来て困る札を早急に始末できるのも強み。
基本的にはファルコのバウンス&自己蘇生と併せて手軽に2体を展開しつつ、その過程で手札のカードも墓地に遅れるよ、といった具合

2.ファルコ(星4)
 以下の効果をどちらか1度。
 ●墓地に送られたらサラマングレイト魔法・罠を場にセット
 ●場のサラマングレイトモンスターを戻して自己蘇生

現状サラマングレイトカードが墓地に送られるのは、無差別デッキ破壊で自ら落としたときか相手に割られた時くらいなので、サルベージ効果はオマケになる。
一方で後半の効果は意志辺りの蘇生をトリガーに手札のサラマングレイトを増やしたり、あるいはミーアとのコンボで2体並べるのが仕事。
アニメでも行われていた手札のミーアファルコで召喚権無しで2枚のコンボは割と優秀。
自分が「Xモンスターを使いたい」と思ったのは前半のサルベージ効果に注目したからで、後半効果が自分ターンにしか使えないのならば相手ターンに前半効果を使おうという発想から。
相手ターンにX素材として墓地に送ることで、今後通常魔法や通常罠のサラマングレイトカードが出た時に積極的に回収できる。この時の相方は後述するJジャガーとなる。

3.フォックス(星3)
 以下の効果をどちらか1度。
 ●召喚成功時、デッキの上3枚の中からサラマングレイトカード1枚を手札に加えられる。
 ●手札のサラマングレイトカードを捨てて自己再生。その後、場の表の魔法・罠1枚を破壊。

サーチ能力皆無なサラマングレイトにとっては貴重な札増強カードであり、ついでに相手の永続カードにも牽制できるので使い勝手は悪くない。
手札のサラマングレイトを捨てる必要があるが、これには手札のファルコorJジャガーをあてたり、ミーアファルコの展開の時に手札に戻ったミーアを捨てればロスがない。
ただ、召喚にこれを使うと大抵の場合展開が途中で止まるので、サイバース・ガジェットを用いた展開とは選択して使っていきたい。

4.Jジャガー(星4)
 後半効果はターンに1度。
 ●貫通
 ●墓地のサラマングレイトモンスターをデッキに戻し、自身をサラマングレイトのリンク先に蘇生

基本的に「ヒートライオを出した後に何をするか」という部分に関するカード。
後半効果は普通に使うと重いが、転生リンクの用意が整うとリンク素材に使ったヒートライオを戻すことができると思うので、毎ターン蘇生できる星4になる。
ヒートライオを出した後なので、マーカーの向きからもあまり大きなリンクをすることは難しい。そんな理由もあってのXモンスターの着想だったり。
ただし、現状サラマングレイトLがヒートライオしかいないので、横向きリンク待ちな部分も大きい。それもあって現状2枚で十分。

5.聖域(フィールド魔法)
 どちらもターンに1度。
 ●サラマングレイトLモンスターをL召喚する時、召喚先と同名の1体でL召喚できる。(通称転生リンク)
 ●サラマングレイトが戦闘を行うダメージステップにLPを1000払うことで場のサラマングレイト1体の攻撃力ぶんだけLPを回復しつつ、そのサラマングレイトの攻撃力を0にする。

後半効果は忘れろ(命令文)。
ヒートライオはいわゆるCIP効果持ちで、ターン中の回数制限が無いので転生リンクをすればその効果でアドバンテージを得ることができる。また、Jジャガーのコストも安定するので実質2アドを取り続けることができるようになる。
転生リンクに起因する効果もあるので、今後サラマングレイトLが増えるほどに重要性が上がる可能性が高い。

6.意志(永続魔法)
 どちらかターンに1度。
 ●手札・墓地のサラマングレイト1体を特殊召喚
 ●自身を墓地に送り、場の転生リンクしたサラマングレイトのリンクと同じ数だけ墓地からサラマングレイトを特殊召喚。

両方の効果が優秀なサラマングレイトデッキの要。
前半効果でミーアファルコを行ったり、ヒートライオを蘇生することで転生リンクへの道を整え、後半効果で爆発する。というカード。
ただ、後半効果を使うには別途ヒートライオを召喚・生存させる必要がある。
また、後半効果を使うと自身をサルベージする必要があるので、なおさらファルコをX素材化して回収したいところ。
結局のところ、前半効果が主であり、後半効果はフィニッシュ用と考えるのがいいかもしれない。

7.ギフト(永続罠)
 どちらか1ターンに1度。
 ●手札のサラマングレイトモンスターを捨てて、デッキから墓地にサラマングレイトモンスターを送りつつ1ドロー。
 ●転生リンクしたサラマングレイトが場にいる時、手札のサラマングレイトモンスターを捨てて2ドロー。

主には墓地を早急に整えるためのカードであり、また後は単純に手札を増やすカードとなる永続罠。
それ以上でもそれ以下でもないが、罠という使い勝手が異なるのでうまく使っていきたい。
X素材化をしない場合、ファルコのサルベージ効果を起動させるためにはほぼこのカードが必要となる。
手札の消耗こそないものの無理に手札効果をしても逆にアドバンテージを損ねるので、うまく使っていきたいカード。
あまりあっても邪魔なので2枚。

さて、全体の考察をすると、まずアニメ以上の展開を行うにはアニメの外のカードが必須と言って差し支えない。
初動でヒートライオを立てたところで後攻で1枚バウンスができるくらいで特に何も起こるわけでなく、ATK2300が残るとはとても思えない。
また、手札の還元速度は早いが手札に戻ってくるものがほとんど無いので、あとは盤面にあるカード以上のことがなかなかできない。
特に序盤の安定性に大きな問題があり、自分が目を付けたのはダイプレクサ・キマイラ。

ダイプレクサ・キマイラ(融合)
サイバース族2体
 後半効果はターンに1度。
 ●忘れろ
 ●融合召喚した自身が墓地に送られた場合、自身以外の墓地のサイバース族1体と「サイバネット・フュージョン」をサルベージする。

単純に見て「総合手札1枚消費でATK2000が立つ」だけのモンスター。
しかし、サラマングレイトの場合は「モンスターのサルベージが苦手」「墓地に送ることで始まるカードが多い」という点から総合して効果が扱いやすく、
またこれを出すためのカードも縛りが「サイバース族」のみなので既存のサイバースのカードを無理なく導入できる。
特にクロック・ワイバーンはこれに簡単にアクセスでき、クロック・ドラゴンでの墓地肥やし&高打点&可能なら魔法サーチという弾丸兼スターターの役割も持てるので多めに入れている。
レディ・デバッガーやサイバース・ガジェットとはどれがいいのか今の所持ってないので試していないが、どれも一長一短だと考えている。
・クロック:クロックドラゴンが使える。
・レディ:ミーア、フォックスをサーチでき、基盤をすばやく整えやすい。
・ガジェット:チューナーではないもののジャンクロンとほぼ同じ役割を持てる。

いずれにせよ、キマイラを用いて手札と場を整え、安定してヒートライオにつなぐ流れが目的となる。
ヒートライオを出した後はどうにかして転生リンクまで押し込んで、Xモンスターも活用して優位を取り続ける。
この時にシンクロがいると押し込みがやりやすくなるのだが、正直EXデッキが足りない。
ただ、サラマングレイトのカードでは最終的にリンクだけで押し込むというのはかなり厳しい。なにせ、モンスターを除去する手段が皆無だ。
ヴァレルソードなどををうまく使って一気に決めにかかりたいところ。
なお、Sを用いる場合は月華や妖精竜で穴を開けたり閃光竜で守ったりという活躍に期待している。

そんな感じで、現状のデッキはこんなところ。
とにかくカードの消耗を少なく抑え、その上で最大限の戦果を得ることが求められる。
主人公の一人のテーマなので強化は約束されているが、現状はこんなところかなぁと思ってます。
今後の考察やカードの増加に期待しましょう。

【初心者向け】チャージアックスの基礎の基礎

2018年01月21日 19時43分51秒 | インポート

 チャージアックス、それは変形機構を持つとてもかっこいいモンスターハンター独自の武器の1つである。
 見た目や変形機構のかっこよさからベテランから新規まで幅広い人気を誇る一方、オーバーチャージや高出力属性解放斬り関連など妙に分かりづらい部分も多い困った武器種でもある。

 というわけで、今回はその「分かりづらい」チャージアックスを少しでも分かりやすく、基礎の基礎だけを抽出して解説していこうと思う。
 なお、チャージアックスの仕様は作品ごとに違う部分が多い。今回はMHWorldを基準に解説していく予定だ。「自分の知ってるチャージアックスと違う」という方は、チャージアックスを良く知ったベテランか、あるいはまだMHWorldの変化を知らない人だろう。
 なお、初心者殺しの通り、基礎の基礎とはいえ説明するべきことは極めて多い。
 途中で疲れたという方は一気に飛ばして「おわりに」を読んでいただければと思う。


基本説明 剣モードと斧モード

 チャージアックスには2つの「モード」が存在する。少しでも調べたりしていればご存知であろう、剣モードと斧モードの2つだ。
 これらのモードはそれぞれ全く違うモーションを持ち、同じ入力をしても全く違う技が出る。あるいは、これが最初にチャージアックスに躓く点であると言えるかもしれない。
 また、同じく変形機構を持つスラッシュアックスのように、チャージアックスの場合には

  • 剣モード:機動力に優れ、ガードもできる。斧モードで消費するビンを溜める役割がある。
  • 斧モード:攻撃力に優れ、肉質無視or強力な属性攻撃を扱える。剣モードで溜めたビンを消費する。

 という役割を与えられている。
 基本は機動力やガード能力に優れる剣モードで立ち回りつつビンを溜め、チャンスを狙って斧モードで攻撃を行う、というのがセオリーと言える。実際、チャージアックス最大の大技である「高出力属性解放斬り」「超高出力属性解放斬り」は斧モードの技となっている。

 剣モードは斧モードの攻撃を支えるため、ビンを素早く溜めることが必要になる。
 攻撃を与えることでビンの背景が黄色や赤に発光するようになり、この状態でチャージ(ガードボタン+○)を行うことでこの色をビンに変換することができる。チャージしないまま攻撃を続けると、剣モードのあらゆる攻撃が弾かれる「オーバーチャージ」になってしまうため、なるべくそうならないうちにチャージを行って背景色をリセットしておこう。
 (正確にはこの背景色は「剣撃エネルギー」がどの程度蓄積されているかの指標になっている。この剣撃エネルギーは攻撃の種類によって蓄積量が異なってくるため、アクションを工夫すると高速でビンを溜めることができる。この辺りについて詳しく知りたい場合は、別のブログや攻略サイトを調べてみることをオススメする)

 逆に斧モード中はビンを溜めることが全くできず、「属性解放斬り」と呼ばれる攻撃で刻々とビンを消費していく。特に威力に優れる「高出力属性解放斬り」と「超高出力属性解放斬り」のため、なるべくビンを多く確保した上で斧モードに移行したいところ。

 なお、剣モード、および斧モードへの切り替えは「変形切り」と名前のある攻撃が中心となって行われる。特に斧モードへの変形切りは後述する「ガードポイント」において重要な役割を持つため、頭の片隅に残しておこう。

 「高出力と超高出力は剣モードからでも繰り出せるじゃないか」と思った方もいると思う。そんな人は次の「2つの強化状態」の項を見ていただきたい。
 確かにこの2つの技は剣モードから直接出す機会が多いが、確実に斧モードの技なのだ。それを理解してもらえるだろう。


基本システム 2つの強化状態

 チャージアックスには2つの「強化状態」が存在する。

  • MH4Gから登場した「属性強化状態」
  • MHWorldから新規に登場した「剣強化状態」
 ここではそれぞれについて説明していこう。

 まず「属性強化状態」から説明しよう。
 属性強化状態には下のとおり主に4つ+2つの役割がある。
  1. 斧モードの攻撃力を上昇させる
  2. 剣モードでのガード性能を上昇させる
  3. 超高出力属性解放斬りが使用可能になる
  4. 高圧斬りで「剣強化状態」になれるようになる
  5. 盾突きにビン爆発が追加されるようになる
  6. ガード成功時に盾からビン爆発が発生するようになる
 ベテランプレイヤーやTA動画を見ている人にとっては馴染み深いだろう、チャージアックスの基本となる状態だ。これがなければチャージアックスは始まらないと断言していい
 特に重要なのは1,2,3,4の4つで、4と5はおまけで付いてくるものだと思って構わない。かと言って決して無駄なものではなく、覚えておくべきものなので忘れることのないように。馬鹿にしていると思わぬところで救われたりする。
 属性強化状態にするには、高出力属性解放斬りor超高出力属性解放斬りの振りかぶる前にガードボタン(デフォルトの設定ならばR2)を押せばいい。属性強化回転斬りと呼ばれる固有の攻撃が発生し、蓄積されたビンを全て消費し、それに見合った時間だけ属性強化状態を付与してくれる。(ビン1本のつき30秒。効果時間中に再度属性強化回転斬りを行うと効果時間が上乗せされる。ただし、上乗せしても最大は150秒)。実際に効果があるかどうかは斬れ味ゲージの左にある盾のマークが発光しているかを見ればいい。
 「斧モードでもビンを使うのに属性強化状態でもビンを使うなんて勿体なくないか?」と思うかもしれない。しかし、ビンはその気になれば短い時間でも溜められるものだし、その後の剣強化状態にも必要な以上、それ以上の恩恵があるものだと確信を持って言える。

 次に、「剣強化状態」について説明しよう。
 剣強化状態の恩恵は、以下の2つ。
  1. 剣モードの攻撃すべてにビン爆発が追加される
  2. 剣モードの攻撃がすべて「弾かれ無効」になる
 恩恵が少し分かりづらいかもしれないが、剣の攻撃というのは基本的に1発辺りのダメージが低い。片手剣とそう変わりがないほどだ。しかし、この剣強化状態にすることで、そのダメージはおよそ1.2倍になると言われる。当然、榴撃ビンで頭を殴ればスタン値も溜まる。
 さらに、弾かれ無効となることでボルボロスやネルギガンテのような硬い部位や硬化能力を持つ相手に対しても(斬れ味の消費は激しくなるが)弾かれを恐れず立ち回ることができる。
 あわせて考えると、「ダメージ」「攻撃機会」の両面から剣モードを強化することで、ビンの回収を安定させつつ、ダメージを底上げすることができ、なおかつ高出力(ryの機会も安定するという大変優秀な強化と言える。
 難点と言えば効果時間が45秒(再度使用で上書き)しかない点だが、発生させるための「高圧斬り」自体が優秀な攻撃なので積極的に狙っていくべき強化状態になっている。
 剣強化状態になるには、「属性強化状態」中に「高圧斬り(チャージ(ガードボタン+○)中に△長押し)」を行う必要がある。属性強化状態同様、斬れ味ゲージ左の剣のマークが発光していればそれが剣強化状態のサインとなる。
 先述のとおり、付与行動となる高圧斬り自体が予備動作こそ長めなものの高い威力と回避へのキャンセルが非常に早いことから、見た目の使い勝手に反してとても優秀な技となっている。余裕があれば積極的に狙っていきたい。

 以上の2つの「強化状態」を持ち、それぞれを付与して最大火力を得られるという都合から、チャージアックスの最大火力を発揮するには相応の練習が必須となる。
 チャージアックスが「初心者受けはいいが、初心者が扱うには難解すぎる」理由の大部分を締めるのがこの複雑さと管理のしづらさだ。(ちなみに、初心者には難しいと言われる理由は他にも存在する。それについても後述していく)
 なお、強化の優先度は属性強化状態>>剣強化状態
 属性強化状態は火力の真髄である斧モードを強化することとガード性能の強化が極めて重要で、逆に剣強化状態は効果時間の短さから維持が難しいのがその理由だ。

 ちなみに「剣強化状態には剣撃エネルギーが溜めやすくなる効果がある」という勘違いが一部で言われていたが、真相は「高圧斬りの剣撃エネルギー蓄積量が多いから」という理由であったりする。蓄積のために無理に剣強化状態を狙う必要はないので、安心して欲しい。
 また、強化状態を表す剣と盾の発光は、残り時間が短くなると色が変わる。無理に完全に維持する必要はないが、なるべく絶やさないようにしておきたい。

 ところで、「剣モードからも使える斧モード技」である「高出力(ry」らについて。
 これらの技はこの2つの強化のうち、「斧モードの攻撃力アップ」の恩恵を受け、逆に「攻撃毎にビン爆発が発生する」恩恵を受けられない。
 このことから、高出力が斧モードだと断言できる。(元々初登場の4の頃には斧モードでなければ高出力が出せなかったので、それを知ってる人にとっては論じるまでもないことかもしれない)
 ただ、確かに高出力は剣モードからでも積極的に用いるので、使い勝手の面で「共用技」と考えるのはそのとおり。


チャージアックスの特権 ガードポイント(GP)とガード反撃

 もう1つ、初心者殺しの要素である「ガードポイント(通称GP)」について説明しておきたい。
 公式の説明にもある通り、剣モードの一部の攻撃にはGPと呼ばれる「ガードが自動発生するタイミング」がある。
 具体的には、
  • 回転斬りの終わり際
  • 斧変形斬りの出始め
  • 属性強化回転斬りの終わり際
  • 剣変形回転斬りの終わり際
 の4箇所、回転斬り3種をまとめてしまえば2種類のタイミングで発生する。
 このタイミングで攻撃を受けると通常のガードとして攻撃を防げる他、「ガード性能が本来よりも僅かにアップする」という特典がある。
 攻撃の最中にガードを挟めること自体が革命的に優秀であり、なおかつ後述するガード反撃にも繋ぐことができるため、チャージアックスの必修項目と言っていい。

 また、ガードが成立すると、一定以下のリアクション(のけぞり)であるならばガード反撃としてそのまま以下のアクションを繰り出せる
  • 斧変形斬り(△を入力)
  • チャージ(○を入力)
  • 高出力、または超高出力(△と○の同時押し)
  • 回避(×を入力)
 この反撃行動はガードであればそれが通常のガードでもガードポイントでも構わない。
 ただ、ガードポイントによるガードであればガード性能が上がる=反撃が早くなったり、削りダメージを受けなくなる可能性があるため、なるべくならガードポイントで受けたいところ。
 しかし、ガードポイントのタイミングを見誤って攻撃を受けていては元も子もない。まずは確実にガードを行い、練習を重ねてガードポイントを利用できるようになろう。あるいは、ガードで受けるのが困難である場合、素直に回避したほうがいい場面も多い。
 このガード反撃をより広い範囲で利用するためにガード性能スキルを付けるというのは1つの正解と言える。(だからといってガード性能が回避性能に勝るというわけではないので注意)


2つの大技 高出力属性解放斬り&超高出力属性解放斬り

 チャージアックスの目玉であり、真髄である大技。それが「高出力属性解放斬り」と「超高出力属性解放斬り」である。ハイリスク・ハイリターンを地でいく技であり何よりかっこいい。これに惚れたという人も多いはず。
 ほとんど同じ名前であることが示すように、この2つは表裏一体の派生技になる。ただ、その関係でこちらも「初心者殺し」の要素となってしまっている。初心者殺し要素多すぎだろ

 両者共通して、
  • 斧モードの中でも高い威力を持つ。
  • ビン爆発のダメージ補正が他の技より大きい。
  • ビンを消費する(超高出力の場合、ビンをすべて消費する)。
  • 攻撃後の隙を一切の行動でキャンセルできない。
 ことが挙げられる。
 これが超高出力の場合、威力とビン爆発ダメージが目に見えて大きくなる変わり、隙が増え、ビンを「すべて」消耗してしまうさらハイリスクな技となる。
 今作ではこの2つの技の優劣がよく比較され、大抵の場合は回転に対してダメージの大きいうえにひるみによる反撃阻止も狙いやすい超高出力に軍配が上がる。
 しかし、僅かな隙の差や、相手のサイズを考慮した場合、そしてピンポイントへの攻撃が必要な場合には高出力の方が優秀であることも多い。一長一短の関係と言える。

 ただし、この2つの技の使い分けには大きな難点がある。それは、「出し方が全く一緒である」ことである。
 正しく言えば、属性強化状態では高出力が超高出力に変化する。属性強化状態で高出力を使いたい場合、超高出力の予備モーション中に追加入力(R3スティック手前+△)を行う必要がある。
 この追加入力にも難があり、
  • 実際に発生するまで入力に成功したかがわからない。
  • 入力の方向が操作タイプで変わる(絶対方向指定なら下、ハンターの向き指定ならハンターの後ろ方向)。
  • 「そもそも扱い逆じゃね?(基本高出力で、追加入力で超高出力であるべき)」という声多数
  • と言うか方向入力は必要なのだろうか という声も。
 というありさま。設定での工夫に加え、ある程度の慣れが必要になる。設定を工夫しない場合、さらに難しい操作が要求される。
 使い分けは難しいが、チャージアックスを利用する上でこの使い分けは必須と言えるので、マスターしてもらう他ない。頑張って慣れよう。

 余談だが、超高出力属性解放斬りのビン爆発は地を這うように奥に進んでいく。ビンが多ければ大きいほど奥に進み、最終的にT字の範囲に爆発が起きるようになっている。
 多少外したところで問題ないくらい強力だが、少なすぎると高出力の方が良い結果になる場面も多い。目安としてはビンの数が3つ以上ならば超高出力を繰り出した方が良いと言われている。


2つのビン 榴撃ビンと強属性ビン

 チャージアックスには他の武器同様に斬れ味や攻撃力、属性値などの他に「ビン」という項目が存在する。ビンには「榴撃ビン」と「強属性ビン」の2つがあり、それぞれ異なる特徴を持っている。
 これらの「ビン」は剣強化状態や属性強化攻撃での一部の攻撃、属性解放斬りで発生する「ビン爆発」によって効果を発揮する。
 
 榴撃ビンは、武器の攻撃力に応じた無属性(肉質無視)の爆発を起こし、さらに爆発が頭に入ればスタン値を与えることができる。
 肉質無視という都合からどこに当てても一定のダメージが期待できることが特徴で、最も扱いやすいビンと言える。
 しかし、その真価を発揮するためにはスタンの狙える頭を狙わなければならず、一部の頭が硬いモンスターに対してはあまり有利とはいえないというのも事実。
 超高出力では頭に当ててスタンを稼ぐというのが難しい代わり、どこに当てても強いという性質から「当たりさえすれば一定のダメージが保証される」手軽なビンとも言える。

 強属性ビンは名前の通り武器の持つ属性を何倍にもした強力な属性ダメージの爆発を起こすもの。榴撃ビンと違い武器の属性値に依存し、スタン値を与えることはできなくなっている。
 属性値はモンスターの耐属性(属性肉質)に影響を受け、榴撃ビンと異なり「どこに当てても良い」というわけにはいかない。常に弱点となる部位に狙いを定めてこそ真価を発揮する属性と言える。
 超高出力においては爆発の範囲が広い都合から、榴撃ビンほどのダメージが出せない場合も多い。しかし、5発すべての爆発を当てた時の合計属性ダメージは他とは桁の違う凄まじいものがあり、うち2発でも弱点に入れば十分ダメージが出ているだろう。
 特に耐属性の低い過去作のグラビモスのような相手には武器・スキル両面で属性に特化し、最高に高めた属性ダメージの塊をぶつけることが最適解になるなど、属性に弱い相手にはとことん強いビンとなっている。
 汎用性には劣るが、強い敵には滅法強い。それが強属性ビンである。


終わりに

 初心者に知っておいてもらいたい、基礎的なチャージアックスの知識についてはほとんど書き連ねたと思う。しかし、初めての人がこれだけすべてを覚えることは不可能だと思っている。
 ここに乗っているのはあくまで「どういう特性があるか」という部分。アクションについてはほとんど触れていないつもりだ。しかし、アクションを覚える中で「どういうことができるんだろう」と思うこともあると思う。そうなった時に改めて情報を集め、少しずつでも情報を集めてもらえればいい。
 繰り返すが、チャージアックスは初心者向けの武器とは到底言い難い。むしろ初心者には全く推奨できない。それでも使いたいのならば、まずそれぞれの機能を把握し、積極的に活用していって欲しいと思う。
 実践と情報収集を交互に行うことで、武器種への理解と実用性は深まっていく。ここではその「情報」の触りとして活用してもらえればなによりだ。