仮タイトル

『超時空要塞マクロス』(初代)輝×未沙中心だが
美味しい所はミンメイが持って行く二次創作(SS)ブログ。

Before& After

2016-04-01 | ウムイ星編
地上に出られたからと言って、直ぐに住める訳ではない。
まず人で溢れかえったのが不動産屋だ。
そして建築業、建築デザイナーや匠(笑)までてんてこ舞いだ。
もちろんメガロード内の住居やビルをそのまま持って来るという手もあるが、ある程度都市化させないと置き場所に困る。
………ので、まだしばらくメガロード内で様子をみたりする人もいる。
輝はパトロールで勝手に森林伐採していないか、様子を見るのに忙しいし、未沙も艦長の仕事が終わったとは言え、直ぐに退役できる訳もなく、市長と連携して市街地調整区域などを決めて行かなくてはならない。
何より、第二の地球とあらば国境も出来るであろう危惧もあった。

それに比べてミンメイとベンジャミンはとてもお気楽であった。
「地上では一軒家を建てましょう、ミンメイ」
「どうして?」
「どうしてって、これから家族が増えるんです、今の1LDKじゃ狭いでしょ」
「ま。ベンジャミンったら」
「何はともあれノロのお努めご苦労様でした。これでやっと子供が作れるね」
「やだわ、もう。ベンジャミンったら」
ミンメイは顔を赤らめた。


そしてもう一組。
「う~~~ん」
「何うなっているの?イワン」
「雅持、お前も一軒家がいいだろう?」
「”も”って、誰と比べているの?…まあ、それはいいとして、そりゃあ、エレメイ(男の子・2歳)の事を考えれば戸建ての方がいいわ」
「……20年ローンで買えるかな」
「…イワン、あなたもしかして貯金してないんじゃ…」
雅持が睨む。
「あ~~~。ここ5年はちゃんとしてたけど、それ以前は…ちょっと、な」
イワンが冷や汗をかく。
「5年って、私と付き合い始めてからって事?!なによそれ!!」
「いや、だからお前と真剣に将来の事を考えてだなっ」
「嘘っ!それまで女に貢いでいたんでしょ!馬鹿っ!エレメイ、こっちいらっしゃい。馬鹿が伝染りますよ」
「バーカ、バーカ」
息子のエレメイは意味もわからず連呼しながら雅持と買出しに行った。
イワンは雅持どころか息子にも馬鹿呼ばわりされて酷く落ち込んだ。


「た、ただいま…」
疲れ果てて帰って来たのは、まだ艦長である未沙の方だった。
「おかえり…だいぶお疲れのようだね…」
「ママ!お帰りなさい!」
「ただいま、未来」
「もう大変よ。どこから宅地にするか、商業都市にするか、工場地帯とか、自治はどうするとか…」
「わかった、わかった。とりあえず風呂入ってさっぱりしちまえ」
「そうね、そうさせてもらうわ」
「ママ!未来も入る!」
「あら?パパとは入らなかったの?」
「未来、もう5歳よ!立派なレディなんだから!男の人となんか入れないわ!」
未沙は輝の方をちら、と見た。
輝は体育座りをして指でのの字を書いていた。
「わかったわ、一緒にはいりましょうね。じゃあ、ママは着替えて来ますから」
「うん!」
不思議な少女は今、天真爛漫な少女に戻っていた。


おわり