「なんで家に帰って肺炎になるんスか?」
翌日、イワンが雅持とルーシーを連れて見舞いにやってきた。
「……」
輝はムスッとした顔をして、何も答えなかった。
「艦長と盛り上がった後、腹出して寝てたとか…イテッ!」
イワンがいつもの調子でからかい、やっぱり頭を殴られた。
「そんなに楽しかったんですか?」
ルーシーはクリスマスパーティーが盛り上がったとしか思ってない。
雅持はイワンの横に座り、お見舞いに持ってきたリンゴの皮を剥いていた。
「とりあえず新兵もだいぶ慣れてきたし、スカル部隊のほうは俺とビアージョに任せてゆっくり休んでください」
イワンはそう言ってリンゴをひとつ、自分の口に運んだ。
「それは俺のために持ってきたんじゃないのか?」
「ああ、これは失礼。じゃ、隊長。はい、あ~ん♪」
「やめれ!気色悪い!」
「イワン隊長ずるい~!アタシもやる~!」
ルーシーがイワンの真似をしてリンゴを輝の口の前に差し出した、が。
「ルーシー、せめてもう半分に切り分けてくれ…」
2分の1サイズのリンゴを口にする事は無かった。
「ルーシーも食べる?」
雅持が「はい」と言って渡したのはウサギリンゴ。
「うわあぁ~!かわいい~!」
可愛いと言いながら食べ始めるルーシーを見て三人は『共食いだ』と思った。
「でも年越しに間に合うんですか?退院…」
雅持はお皿の上にリンゴを乗せて輝に渡しながら退院日を伺う。
「さぁて、な。別に間に合わなくてもいいけど…」
今の輝には入院しているほうが気が楽だ。
「でもミンメイさんがカウントダウンイベントで新曲歌うみたいですよ!チケットはもう完売しちゃったけど、TV中継があるんですって!」
ルーシーはそれを楽しみにしてるようだ。
「へえ?新しいシングル出すのかな?」
「何言ってんですか、隊長!年明け5日に新しいアルバムが出るんですよぅ!」
「アルバム…そうか…」
地球で見たコンサートのミンメイの姿を思い出した。
---頑張ってるんだな…ミンメイ。
懐かしく思い、瞼を閉じた。
あのコンサートは未沙と行った。未沙は『恋するニワトリ』が大好きで、帰りは『Tokyo,Happy Girl』を口ずさみながら帰ったっけ。
Let me kiss you darling...
そこで輝はまた市長との事を思い出し、ふいに顔をしかめた。
「…う、隊長?どうしたんスか?」
イワンの呼びかけに我に返った輝は苦笑いを向けた。
「あ、ああ。なんでもない。どんな曲が出るのかなと思って…」
「?そうスか?じゃあ、俺達そろそろ戻ります」
イワンに続いて雅持とルーシーが立ち上がり敬礼を掲げる。
「ああ、悪かったな。ありがとう」
3人が去った後の病室は静寂に包まれ、輝は横になり毛布を肩まであげた。
何もしないでいると、思い浮かぶのは未沙の事ばかりだ。
あんな場面を見せられても、未沙の事を嫌いにはなれない。
---未沙にあんな事させたのは、俺が独りにした所為じゃないか。
頭ではわかっている。だけど許せない。いや、許せないとかの問題じゃなく…。
---どんな顔しろっていうんだ?
未沙の顔をまっすぐ見られない。
このまま一緒に暮らしていける自信が無い。
---俺達はいつもこんなんばっかだ。
だけど今回のはショックが大きすぎる。
何しろ二人は結婚しているのだから。
ドアをノックする音が聞こえた。
だけど輝は返事をしない。
都市部の雪はとうに止んで、融け始めているというのに。
Image music:「ねないこだれだ」
翌日、イワンが雅持とルーシーを連れて見舞いにやってきた。
「……」
輝はムスッとした顔をして、何も答えなかった。
「艦長と盛り上がった後、腹出して寝てたとか…イテッ!」
イワンがいつもの調子でからかい、やっぱり頭を殴られた。
「そんなに楽しかったんですか?」
ルーシーはクリスマスパーティーが盛り上がったとしか思ってない。
雅持はイワンの横に座り、お見舞いに持ってきたリンゴの皮を剥いていた。
「とりあえず新兵もだいぶ慣れてきたし、スカル部隊のほうは俺とビアージョに任せてゆっくり休んでください」
イワンはそう言ってリンゴをひとつ、自分の口に運んだ。
「それは俺のために持ってきたんじゃないのか?」
「ああ、これは失礼。じゃ、隊長。はい、あ~ん♪」
「やめれ!気色悪い!」
「イワン隊長ずるい~!アタシもやる~!」
ルーシーがイワンの真似をしてリンゴを輝の口の前に差し出した、が。
「ルーシー、せめてもう半分に切り分けてくれ…」
2分の1サイズのリンゴを口にする事は無かった。
「ルーシーも食べる?」
雅持が「はい」と言って渡したのはウサギリンゴ。
「うわあぁ~!かわいい~!」
可愛いと言いながら食べ始めるルーシーを見て三人は『共食いだ』と思った。
「でも年越しに間に合うんですか?退院…」
雅持はお皿の上にリンゴを乗せて輝に渡しながら退院日を伺う。
「さぁて、な。別に間に合わなくてもいいけど…」
今の輝には入院しているほうが気が楽だ。
「でもミンメイさんがカウントダウンイベントで新曲歌うみたいですよ!チケットはもう完売しちゃったけど、TV中継があるんですって!」
ルーシーはそれを楽しみにしてるようだ。
「へえ?新しいシングル出すのかな?」
「何言ってんですか、隊長!年明け5日に新しいアルバムが出るんですよぅ!」
「アルバム…そうか…」
地球で見たコンサートのミンメイの姿を思い出した。
---頑張ってるんだな…ミンメイ。
懐かしく思い、瞼を閉じた。
あのコンサートは未沙と行った。未沙は『恋するニワトリ』が大好きで、帰りは『Tokyo,Happy Girl』を口ずさみながら帰ったっけ。
Let me kiss you darling...
そこで輝はまた市長との事を思い出し、ふいに顔をしかめた。
「…う、隊長?どうしたんスか?」
イワンの呼びかけに我に返った輝は苦笑いを向けた。
「あ、ああ。なんでもない。どんな曲が出るのかなと思って…」
「?そうスか?じゃあ、俺達そろそろ戻ります」
イワンに続いて雅持とルーシーが立ち上がり敬礼を掲げる。
「ああ、悪かったな。ありがとう」
3人が去った後の病室は静寂に包まれ、輝は横になり毛布を肩まであげた。
何もしないでいると、思い浮かぶのは未沙の事ばかりだ。
あんな場面を見せられても、未沙の事を嫌いにはなれない。
---未沙にあんな事させたのは、俺が独りにした所為じゃないか。
頭ではわかっている。だけど許せない。いや、許せないとかの問題じゃなく…。
---どんな顔しろっていうんだ?
未沙の顔をまっすぐ見られない。
このまま一緒に暮らしていける自信が無い。
---俺達はいつもこんなんばっかだ。
だけど今回のはショックが大きすぎる。
何しろ二人は結婚しているのだから。
ドアをノックする音が聞こえた。
だけど輝は返事をしない。
都市部の雪はとうに止んで、融け始めているというのに。
Image music:「ねないこだれだ」
お待たせしやした。
『ねないこだれだ』というタイトルに反して寝まくった作者でございます(爆)
後編も昨夜あげようと思ったのだが、脳味噌まわらなかったよーん。
年下だった私が大幅に年上になってる・・・25年かぁ(遠い目)
未沙が悟りすぎって話もあるが(笑)
私も大幅年上ですよ…25年…ふふ(壊)