「山肌を登る虫」
山肌を登る虫は太陽を目指していた
虫は自分が余りにも大きい事にも
気にもせず登っていく
でも山はそれほど高くはなく大きくもなかった
直ぐにも頂上に届きお日様に出会った
山は言った
君は僕の背中につかまり
お日様に会えて良かったね
虫は何も答えなかった
ただただお日様の暖かい光を浴びて気持ち良くしていた
山は思った
君の身体の鮮やかな色はお日様の光で
更に耀いているんだね
でも君は何もそんなこと知らないし
知ろうとも思っていない様だね
ただただお日様からの贈り物を
気持ち良く味わっている様だ
そんな自然の中で彼らは耀いていた