
テクノロジーと歩む音楽がテクノであると断言するリッチー・ホウティンは、その彼の言葉通りに機材の機能的進化とともに可能となるテクニークを真っ先に取り入れ、常に進化するテクノを具現化しているアーティストである。
前回のミックスアルバムである「DE9:Closer To The Edit」の時と、最新ミックスアルバムである「DE9:Transitions」をリリースした後でのDJブースの違いからその進化の様子を見てみよう。
「DE9:Closer To The Edit」をリリースしたばかりの2001年7月、新宿リキッドルームでは、次のような機材をDJブースに持ち込んでのプレイだった。
(1) Pioneer CDJ-700s
(2) Technics SL-1200 MK3 × 2
(3) Allen & Heath XONE62
(4) VAIO (Final Scratch)
(5) Roland TR-909
(6) Electrix Repeater (Loop Based Recorder)
(7) Lexicon MPX-1 (Multi Effector)
(8) Roland CV PEDAL
この時の、彼の興味はスローなBPMで、かつ強烈にリズムのあることであった。
ミニマルな要素で空気間を見つけることができて、人を圧倒しすぎる音ではないところにバランスを見つけていると述べていた。
この時のスタイルは、Final Scratchから音を出し、Electrix Repeaterを使って気に入った部分のループを作り、ミックスをしながらリバーヴやディレイといったエフェクトをかけていた。
TR-909は、フロアを見て、クラウドのテンションに触発されて全く新しいパーカッシヴなリズムを作ったり、プレイされている曲にリズムを加えたり、ライヴ性の高い使い方をしていたようだ。
そして、2005年12月に渋谷Wombでの使用機材は次のようになっている。
(1) Technics SL-1200 MK2 × 2 (Stanton 680 EL2)
(2) PowerBook G4 × 2 (Final Scratch, Senato Scratch Live, Ableton Live)
(3) Allen & Heath XONE92
(4) Red Sound Sound Bite (Loop Based Sampler)
(5) Sennheiser HD25 (Headphone)
まず機材の重量が大幅にダウンされた。機能を減らしたわけではなく、機材自体の大きさが小さくなったりソフト化したためである。
基本的には、2001年のプレイとスタイルは変わっていないが、彼自身も「DE9:Transitions」リリース時に言及している通り、より曲と曲との組み合わせや移り変わり、空間に響く音をコントロールするということに重点を置いている。
彼の場合、音での空間作りを意識しているからだろう。リバーヴやディレイといった空間系エフェクトを多用する。
リッチーのDJ機材に見て取れるように、未来のDJは、コンピュータとオプションハードウェアだけを持ち込んでのプレイになるのではないだろうか。
そして、彼のように、いかに機材の進化を活用し、オリジナル性を持って音空間をプロデュースできるかが重要になるのであろう。
前回のミックスアルバムである「DE9:Closer To The Edit」の時と、最新ミックスアルバムである「DE9:Transitions」をリリースした後でのDJブースの違いからその進化の様子を見てみよう。
「DE9:Closer To The Edit」をリリースしたばかりの2001年7月、新宿リキッドルームでは、次のような機材をDJブースに持ち込んでのプレイだった。
(1) Pioneer CDJ-700s
(2) Technics SL-1200 MK3 × 2
(3) Allen & Heath XONE62
(4) VAIO (Final Scratch)
(5) Roland TR-909
(6) Electrix Repeater (Loop Based Recorder)
(7) Lexicon MPX-1 (Multi Effector)
(8) Roland CV PEDAL
この時の、彼の興味はスローなBPMで、かつ強烈にリズムのあることであった。
ミニマルな要素で空気間を見つけることができて、人を圧倒しすぎる音ではないところにバランスを見つけていると述べていた。
この時のスタイルは、Final Scratchから音を出し、Electrix Repeaterを使って気に入った部分のループを作り、ミックスをしながらリバーヴやディレイといったエフェクトをかけていた。
TR-909は、フロアを見て、クラウドのテンションに触発されて全く新しいパーカッシヴなリズムを作ったり、プレイされている曲にリズムを加えたり、ライヴ性の高い使い方をしていたようだ。
そして、2005年12月に渋谷Wombでの使用機材は次のようになっている。
(1) Technics SL-1200 MK2 × 2 (Stanton 680 EL2)
(2) PowerBook G4 × 2 (Final Scratch, Senato Scratch Live, Ableton Live)
(3) Allen & Heath XONE92
(4) Red Sound Sound Bite (Loop Based Sampler)
(5) Sennheiser HD25 (Headphone)
まず機材の重量が大幅にダウンされた。機能を減らしたわけではなく、機材自体の大きさが小さくなったりソフト化したためである。
基本的には、2001年のプレイとスタイルは変わっていないが、彼自身も「DE9:Transitions」リリース時に言及している通り、より曲と曲との組み合わせや移り変わり、空間に響く音をコントロールするということに重点を置いている。
彼の場合、音での空間作りを意識しているからだろう。リバーヴやディレイといった空間系エフェクトを多用する。
リッチーのDJ機材に見て取れるように、未来のDJは、コンピュータとオプションハードウェアだけを持ち込んでのプレイになるのではないだろうか。
そして、彼のように、いかに機材の進化を活用し、オリジナル性を持って音空間をプロデュースできるかが重要になるのであろう。