レトロ電子工作

電子工作はじめました!
基本的な所からゆっくりゆっくり進めていきます

パスコン (面実装 部品のすすめ)

2019年08月20日 06時30分12秒 | 電子部品
バイパスコンデンサ(通称、パスコン) 
 使用するICのできるだけ近くに 容量の小さなコンデンサを取り付ける事によって、
 ① 電源の変動に対して強くなる(回路の動作が安定する)
   → ICが急に大きな電流を使ってもパスコンから供給される
 ② ICから出るスイッチングノイズを外へ出さないようにする
 といった働きを期待して取り付ける 「おまじない」? または「お守り」のような部品です。
 使われるコンデンサもいろいろな種類、色々なサイズ がありますが、最近では「積層セラミック」コンデンサ ↓ というのが良く使われます。 (安価、容量が大きくても小型、そして壊れない=劣化が少ない)

ピン間の幅が ↑  左側2種類は 2.54mm(狭い) で、 右側2つはその2倍(広い)です。

どちらが使いやすいか?は、 使ってから自分で判断してください。 どちらにしても 2本の電源ラインをまたぐことは出来ないので(2.54 x 3個分必要)この手の基板には取り付けるのが 少々厄介になります。
でも、かなりコンデンサの大きさが小さくなったものです・・・

 昔は、大きな↓セラミック・コンデンサ(積層でないタイプ)が使われることが多かったのですが、

最近は、滅多に見かけなくなりました。


使う容量としては、人によって、回路によって 0.01uF だったり、0.1uFだったりと まちまちですが、私は主に 104 (0.1uF)を使うようにしています。

これは ↓ 、昔のMZ-80C(シャープのマイコン)の内部基板の写真ですが、黒いICの横に 黄土色の丸い部品がズラズラと並んでいます。 これがパスコンです。(部品の大きさが まちまち なのが笑える)

実物を確認しましたが、当時も 104 (0.1uF) を使っていました。

---------------------------------------------------------------------------------------
ここで「笑い話」を一席・・・  お付き合いください :
 このパスコンを回路図内で描く時、実体配置通りに各ICの近くにパスコンを書くのでは無く、全部まとめて電源コネクタの近くに配置する事が多いです。(あくまで回路図の上だけです:  その方が描くのが楽だから)
 でも、実際はICの近くに、基板全面にバラバラに、配置しないと パスコンの意味が無くなってしまいます。(この理由はわかりますよネ?)
 ある時、かなり古いレトロのマイコン: MZ-80Kという「自分で組み立るキット」のコンピュータを手に入れました。 その中の基板を覗きこんだ時、ビックリしました ・・・ パスコンが全部 電源コネクタの近くに まとまって置かれていたのです。
 当時、SHARP(シャープ)では 社内で基板のパターンを作成(アートワークという)していたのでしょうか?。 しかも、パスコンの意味を知らない、かつ 回路図の見方を知らない 技術者がアートワーク作業を行った・・・としか思えない 回路パターンでした。
 それが そのまま製品として売られていた事にも驚くし、笑えてきます。 (このミスは 初期タイプの基板のみで、すぐに修正版に変わってしまったので、ある意味 貴重な1台とも言えます)
---------------------------------------------------------------------------------------

さて、現在では
 ICがそれほど大量の電流を消費する事も無く、また 昔のD-RAMのように大量のノイズを外に放出するICも滅多に見なくなりました。 ノイズに対する耐性も良くなっていて、正直な所 パスコンが 無くても まともに動作するし、パスコンを入れたからと云って誤動作が収まったという事例も 経験したことがありません。 要は 昔からの癖で 用心のために入れているだけ・・・になって来ています。

 そんなパスコンの新しいタイプの提案です。
上の写真で4つ並んだ積層セラミック・コンデンサの左から2番目:もっとも小さいコンデンサと比べても、さらに小さい ↓ (右側)

 面実装タイプのコンデンサです。 (これも積層セラミックで 容量も同じ0.1uF) 大きさは 【2012】サイズといって、長辺2mm、短辺1.2mmです。
 
くしゃみをすると 何処かに飛んで行ってしまう「小ささ」です。 (笑)
【1608】サイズの もう一回り小さいのが一般的ですが、小さすぎて扱いにくいです。

このサイズだと 基板裏の電源パターンに ピッタリ(ショートもせず 渡せる)です。 ↓ 見えますか?
 ここにそのままハンダ付けしてしまえば、ランドの穴を2つ消費する事も無く、スペースを稼ぐ事ができます。 何より価格が安いです。(わずかですが・・・)

右上拡大 ↓
 ユニバーサル基板に 手作りの回路をDIYする際、ピンタイプのパスコンを使うより、楽に「手半田」することが出来るのでは?・・・ という 新たしい方法の提案です。




最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (通りすがりのおさーんw)
2021-02-13 11:45:12
デジタルでもアナログでも回路ごとにパスコンを配置といっても、電源からのラインから直接増幅回路に行ってからちょっと遠慮気味の場所にあるパスコンさえ意味がありませんねw。パスコンを通ってから回路にいかないといけませんねww。デカップリング回路形成のCRも同じですね。

コメントを投稿