サッカーばかりに夢中になっていましたが、こちらが一段落したので、待ってましたと友人と12月の歌舞伎を見てきました。
見た演目は昼の部で、今月は中村勘三郎さんに福助・橋之助ご兄弟、勘太郎・七之助ご兄弟、玉三郎さんと人気役者さんが顔をそろえていますので、客席も大賑わいであります。
最近ご無沙汰だったので、出だしは集中力に欠けてウトウトしてしまいましたが(^^;ゞどれも面白かったです。
★弁慶上使
義経さんの奥方(?)の卿の君さんが、乳人の侍従太郎の館で懐妊の為に静養しています。実はこの中の卿の君さん平家出身ということで、頼朝からのお使い(上使)としての、武蔵坊弁慶に首を討てとの命令がくだります。
しかし、主君の義経さんの奥方を討てる訳もなく、侍従太郎は身代わりを仕立てて難を逃れようとします。
そこで、目を付けられた腰元のしのぶさん。しかし、用事で館に訪ねてきていたしのぶの母おわさが、十八年前に一度だけ契った、しのぶの父にあたる人に娘を会わせるまではと、頑なに拒みます。
侍従とおわさが争っていると、奥から物も言わずに弁慶がしのぶを刺してしまいました。嘆き悲しむおわさ。
そこで、弁慶は自分こそがおわさの相手、しのぶの父だと語り始めます。。。。
以前にこのお芝居は見たので、一体誰が弁慶だったかと、それを思い出す方に夢中になり、弁慶が娘を思って泣くのが見所なんですが、寝てしまった。
侍従の弥十郎さんが威厳があってとっても素敵でした。また腰元しのぶ役の新吾君(弥十郎さんの長男)は、初めて見たときよりもずっと上手くなってました。
最初に見たのは小六の時で、大きな小学生と思ったのですが、今日は上手く大人の中にとけこんでいて、初々しさがとてもよかったです。
★猩々/三社祭
水中に棲み、酒が無類に好きな聖獣、猩々(しょうじょう)。酒売りが酒を用意して待っていると、まもなく少年の姿をした二匹の猩々が酒を酌み交わし、舞いを踊り、親孝行な酒売りに汲めども尽きない酒の壺を与えて姿を消す。
演奏が長唄から清元に代わって
船に、網を打つ二人の漁師が人形風に登場して、祭りの躍動感そのままに踊ります。
この踊りは初めてみたのですが、以前からお父さんの勘三郎さんと坂東三津五郎さんのコンビは素晴らしいと聞いていたので、一度見てみたかったのですが、この兄弟のずっと一緒に踊っているだけにそして、なにより若いので、息もピッタリだし颯爽としていてカッコいいです。
勘太郎さんはお父さんに仕草がそっくり、七ちゃんはちょっと線が細いけど、見ていて清々しさを感じます。
これから先ももっともっと見たい二人です。
★盲目物語
織田信長の妹・お市の方を巡るお話です。夫と子供を殺され深い悲しみの中、その夫を滅ぼした兄の世話になるしかないお市を必死に慰める盲目の弥市。
弥市はお市に密かに思いを寄せていますが、お市は、柴田勝家と結婚して木下藤吉郎の策略により窮地に追い込まれた勝家とともに自害してしまいます。
弥市も共に果てようとしますが、お市の娘茶々を助け出し、また、茶々にお市の姿を重ね合わせてしまった為に、生き延びてしまいました。
しかし、茶々が市の嫌った秀吉の側室になると、茶々の側をはなれ、落ちぶれていきます。そして、思いを寄せたお市のかわりに茶々を手にした秀吉と、その茶々の側を離れてしまった自分を嘆きつつ、いつまでもお市のことを思い続ける弥市のお話。
谷崎潤一郎の原作なので、艶っぽいお話でもあり、弥市と秀吉を勘三郎の二役。
絶世の美女といわれたお市を玉三郎という見ごたえ十分のお話でした。
しかも、この二人が芝居の中で三味線と琴を演奏、もうなんともお得な作品です。
勘三郎、玉三郎のコンビのお芝居はいろいろと見ましたけれど、今回のお芝居が一番しっくりくるような気がします。
谷崎文学がしっかりと根を張ってその上、二人が存分に芝居をしている、また、秀吉、お市など見ている側もよく知っている話なのですんなんりと溶け込めてしまうのかもしれません。
これは何度通ってもいいから見たいお芝居です。
というわけで、堪能しまくった12月の歌舞伎座でした。
来月は浅草歌舞伎に行ってきます。
若手の歌舞伎は毎年見に行っておりますが、久々に獅童君の歌舞伎が見れます。
一年の初っ端、いいお芝居が見たいです
見た演目は昼の部で、今月は中村勘三郎さんに福助・橋之助ご兄弟、勘太郎・七之助ご兄弟、玉三郎さんと人気役者さんが顔をそろえていますので、客席も大賑わいであります。
最近ご無沙汰だったので、出だしは集中力に欠けてウトウトしてしまいましたが(^^;ゞどれも面白かったです。
★弁慶上使
義経さんの奥方(?)の卿の君さんが、乳人の侍従太郎の館で懐妊の為に静養しています。実はこの中の卿の君さん平家出身ということで、頼朝からのお使い(上使)としての、武蔵坊弁慶に首を討てとの命令がくだります。
しかし、主君の義経さんの奥方を討てる訳もなく、侍従太郎は身代わりを仕立てて難を逃れようとします。
そこで、目を付けられた腰元のしのぶさん。しかし、用事で館に訪ねてきていたしのぶの母おわさが、十八年前に一度だけ契った、しのぶの父にあたる人に娘を会わせるまではと、頑なに拒みます。
侍従とおわさが争っていると、奥から物も言わずに弁慶がしのぶを刺してしまいました。嘆き悲しむおわさ。
そこで、弁慶は自分こそがおわさの相手、しのぶの父だと語り始めます。。。。
以前にこのお芝居は見たので、一体誰が弁慶だったかと、それを思い出す方に夢中になり、弁慶が娘を思って泣くのが見所なんですが、寝てしまった。
侍従の弥十郎さんが威厳があってとっても素敵でした。また腰元しのぶ役の新吾君(弥十郎さんの長男)は、初めて見たときよりもずっと上手くなってました。
最初に見たのは小六の時で、大きな小学生と思ったのですが、今日は上手く大人の中にとけこんでいて、初々しさがとてもよかったです。
★猩々/三社祭
水中に棲み、酒が無類に好きな聖獣、猩々(しょうじょう)。酒売りが酒を用意して待っていると、まもなく少年の姿をした二匹の猩々が酒を酌み交わし、舞いを踊り、親孝行な酒売りに汲めども尽きない酒の壺を与えて姿を消す。
演奏が長唄から清元に代わって
船に、網を打つ二人の漁師が人形風に登場して、祭りの躍動感そのままに踊ります。
この踊りは初めてみたのですが、以前からお父さんの勘三郎さんと坂東三津五郎さんのコンビは素晴らしいと聞いていたので、一度見てみたかったのですが、この兄弟のずっと一緒に踊っているだけにそして、なにより若いので、息もピッタリだし颯爽としていてカッコいいです。
勘太郎さんはお父さんに仕草がそっくり、七ちゃんはちょっと線が細いけど、見ていて清々しさを感じます。
これから先ももっともっと見たい二人です。
★盲目物語
織田信長の妹・お市の方を巡るお話です。夫と子供を殺され深い悲しみの中、その夫を滅ぼした兄の世話になるしかないお市を必死に慰める盲目の弥市。
弥市はお市に密かに思いを寄せていますが、お市は、柴田勝家と結婚して木下藤吉郎の策略により窮地に追い込まれた勝家とともに自害してしまいます。
弥市も共に果てようとしますが、お市の娘茶々を助け出し、また、茶々にお市の姿を重ね合わせてしまった為に、生き延びてしまいました。
しかし、茶々が市の嫌った秀吉の側室になると、茶々の側をはなれ、落ちぶれていきます。そして、思いを寄せたお市のかわりに茶々を手にした秀吉と、その茶々の側を離れてしまった自分を嘆きつつ、いつまでもお市のことを思い続ける弥市のお話。
谷崎潤一郎の原作なので、艶っぽいお話でもあり、弥市と秀吉を勘三郎の二役。
絶世の美女といわれたお市を玉三郎という見ごたえ十分のお話でした。
しかも、この二人が芝居の中で三味線と琴を演奏、もうなんともお得な作品です。
勘三郎、玉三郎のコンビのお芝居はいろいろと見ましたけれど、今回のお芝居が一番しっくりくるような気がします。
谷崎文学がしっかりと根を張ってその上、二人が存分に芝居をしている、また、秀吉、お市など見ている側もよく知っている話なのですんなんりと溶け込めてしまうのかもしれません。
これは何度通ってもいいから見たいお芝居です。
というわけで、堪能しまくった12月の歌舞伎座でした。
来月は浅草歌舞伎に行ってきます。
若手の歌舞伎は毎年見に行っておりますが、久々に獅童君の歌舞伎が見れます。
一年の初っ端、いいお芝居が見たいです