福岡大学映画研究部

福岡大学映画研究部の活動報告・情宣をしていきます。
本学構内で年に5回、商業、自主制作映画の上映会を行っております。

5/22 鑑賞課

2018-05-23 14:56:12 | 鑑賞課
こんにちは。5/22は「パーマネント野ばら」を鑑賞しました。



主人公も含めつくづく男運の悪い女性たちが出てきますが、それでも区切りをつけて力強く生きる姿が印象的でした。

笑えるシーンも多くて、山の中に住む老婆がともちゃんの猫を埋めた丘になにかを埋めているところが特に好きです。

主人公のなおこは、旦那と別れて、娘のももをつれて実家に戻ってきていますが、そんな幼い娘を置いてかつての恋人カシマと時折ふらふらと「デート」をしてしまいます。

この江口洋介演じるカシマがとてもかっこよくて、こんな先生が学生時代にいたら好きになりそうだと思いました。

母親であるまえに一人の女であるというそんな一面を見せるなおこの姿は、昔のなおこの母親と重なる部分があると思いました。

なおこ自身が幼い頃に
「おかあさん、うちがおるき」
と言ったシーンと、なおこの娘、ももが、わがままを言ったり、夜中にくずってしまったり、なおこを海辺に迎えにいくシーンは、母親に寄り添う娘を表していて、かつてのなおこと同じように、ももも感じているのかなと思いました。

後半でカシマは既に亡くなっており、なおこが見ていた幻覚であることが分かっていく場面は、台詞がなくピアノの音と映像の切り替わりで、なおこが受け入れなかった、拒絶していた記憶がバーーーッと蘇っていくことがよく分かるシーンだと思いました。

また、海辺での「デート」のシーンで、なおこにむかってカシマが
「一緒に暮らすか、ほっとくとどっか行っちゃいそうだもんな」と言ったこの台詞。カシマはなおこの幻覚であるから、このセリフにはなおこの心情が含まれているということになります。
よって、自分も死んでカシマのところに行きたいという本音が表れていると考えると、とても苦しくなりました。それから、カシマと重ねた手は砂を握っていたところも切なかったです。

と、いろいろ語彙力もまとまりもありませんが、色々と考察していくと熱くなって語りすぎてしまいました(笑)
課員のみなさんも途中までカシマはその辺の男と変わりない残りカスのような人だと思っていたのに後半の展開には驚いたという人も多くて、色々な意見もでて盛り上がった課会になりました。