スパイクバスターズな生活

てんかん外科医として発作と戦う日々...
でも、ちょっとリラックスして脳の話をしよう!

青ヶ島物語:第一話

2008-09-11 | Weblog
青ヶ島に行ってきました。
なんだかわくわくするような名前ですねえ。

どこにあるのかご存知のかた手を挙げて・・・!

やはり、ちらほらですね。きっと離島ファンかな?

青ヶ島は東京都にあるんです。東京から南へ400kmの海上。周囲約9Kmの小島です。八丈島の南70km・・・と言ってもピンときませんか?
地図で見ると宮崎県をずっとゆびで東にたどって東京のま南にあたるくらいのところです。

あー、先生も離島ファンなんですね・・・って?

いえいえ、今回は実はれっきとした公務なんです。
僕のいる自治医大は各都道府県から2-3人の定員で学生をとり、学生はほぼ無料で卒業できる代わりに卒後9年間は出身県のへき地医療に携わる義務があるんです。
こうして、いま最も必要とされている、へき地医療の中心的な担い手になっているわけです。自治医大はこのようにへき地医療に地道に邁進する医師を育てるという、重要な任務を担っているのです。最近話題のドクター・コトーもその一例ですね。

で・・で、ありますが、大学としては、その医療の実態を視察する必要があるわけですね、
かくしてわれわれ教員はへき地医療の視察に送り出されるというわけであります。ただし、行き先はリストの中から自由に選べます。僕は”青ヶ島”の魅惑的な響きに共鳴してここを選んでしまったというわけです。

決めてから、調べてみたところ、なんと!”船舶は欠航がおおく、台風シーズンだと数日間帰れなくなるかもしれない・・・”との恐ろしい情報、一瞬目の前が真っ暗になりましたが、気を取り直して調べを進めると、空路だと比較的安定しているとの朗報が・・それに決めました。

8月のある日、大きな期待と少しの不安を胸に羽田から飛び立ちました。

八丈島まで45分のフライト。さらにヘリに乗り換えて20分、ひたすら南に飛ぶと青ヶ島が見えてきました。上空から見ると、雲の切れ目から、薄い霧に包まれた見事なカルデラが海面から突出した感じです。外輪山に囲まれて、完璧な内輪山があり、周囲は切り立った絶壁。一瞬、ジュラシックパークの映画のシーンが頭をよぎりました。
ジュラシックパークのイスラ・ムヘーレスならぬ、さしずめイスラ・アズーラ(青い島)でしょうか?


まもなくわれわれのヘリは、風もなくスムーズなフライトで青ヶ島に舞いおりました。

そして、島内での驚くべき体験・・・は、次回、乞う!ご期待。


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4 コメント

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僻地医療 (ザイン)
2008-09-14 00:12:20
青ヶ島の視察ご苦労様です。
しかし青ヶ島ってほんとに絶壁なんですね。
これで港はあるんでしょうか。
平地もほとんどないように見えますが。
OECD30カ国の中で日本は下から3番目に医師の数が少ないとか。
そんな状況の中での僻地医療の実態はいかなるものなのでしょう。
次回を期待しています。
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ザインさんへ (スパイク隊長)
2008-09-15 13:12:18
港は外輪山の一部にトンネルがあり、これを抜けると絶壁の一部を切り崩して小さな港があります。最近、がけ崩れが会ったらしく、現在補強中で、がけの一部がコンクリートで覆われ、下から見ると要塞のようでした。
医師の数の面、青ヶ島は200人の村に一人の医師ですから、その意味では都内以上の充足率ですか・・・
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日本一 (J男)
2008-10-18 21:15:45
日本一人口の少ない村は青ヶ島だそうですね。
現在の人口181人だそうです。
181人にお医者さん1人なら、なるほど贅沢かもしれません。
でも、重病や緊急時はやはり心細いですね。
お医者さんだって生身の人間ですから、体調の悪い時もあるだろうし。
代わりがいないというのはシビアなことですね。
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J男さんへ (スパイク隊長)
2008-10-18 22:21:05
離島医療は、本当に、後の居ない一人と言うのは辛い事です。特にすぐに応援も呼べませんしね。
力量と共に、気力胆力が要求される厳しい仕事だと思います。心で応援してあげてください。
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