スパイクバスターズな生活

てんかん外科医として発作と戦う日々...
でも、ちょっとリラックスして脳の話をしよう!

文楽と脳

2006-12-26 | Weblog
人形浄瑠璃・文楽は人形劇である。内容は歌舞伎とほぼ重なっている。 しかし、歌舞伎が華やかな舞台芸術であるのに比べ、文楽は人間の脳の認知機能を実にうまく使った、ひねりのある、渋い芸術である。今回はその点を論じてみたい。 人形は声を出さないから、だれかがせりふを言わなければならない。 洋式の人形劇なら、声優がいて、伴奏の楽団がいて、せりふや歌、あるいは状況音楽といったもので物語は進行するのであるが . . . 本文を読む

産科医師が急減!?!

2006-12-19 | Weblog
産科医師が急減! そんなニュースがたびたび流れる今日この頃。 ”婦人科はやりますが、産科はやりません。” ”僕は婦人科ですからお産はやりません。” こんな発言も珍しくはなくなりました。 いったい何てことでしょう!!一昔前までは産科と婦人科は一体であったはずです。私の父親は産婦人科医でしたが、産科と婦人科を頭の中で分けていたとは思えません。 最近では、お産がうまくいかなかった場合、医師の責任 . . . 本文を読む

内視鏡下垂体手術の効用

2006-12-18 | Weblog
片方の鼻の穴から直径4mmの内視鏡を差し込んで、そっと、下垂体腫瘍をとってくる手術を開発しています。この2年間で50件の手術をしてきました。この中で5人の患者さんは以前ハーディ法といって唇の奥を切開して入る方法で下垂体腫瘍を取る手術をうけ、再発した患者さんでした。ハーディ法はかなり大きな展開をするため、切開する部分が大きいのです。それを今度は内視鏡手術で再手術したわけです。患者さんは皆さん、前の手 . . . 本文を読む

医療における失敗とは?

2006-12-11 | Weblog
この手術は成功?失敗? 外科医にとって究極の質問です。 患者さんから詰め寄られたことも一度ならずあります。 でも、これは実は答えられない問題だと思っています。 成功と失敗の2つに別けることはできないのです。 成功はまあ、いいでしょう。患者さんにとっても医師にとっても満足の行く結果であれば成功ですね。しかしこれ以外は、様々な要素で失敗と決め付けるわけに行かない結果が並ぶのです。これらは成功でないから . . . 本文を読む

患者・医師関係

2006-12-04 | Weblog
寒くなりましたね。日ごろ考えていることです。 患者さんは何を医療に求めているのか? 痛いとき、苦しいとき... これは純粋です。一刻も早く楽にしてほしい。 とにかく手近なところに飛び込んで応急処置をしてもらおう! これは実は、医療側も比較的楽です。とりあえず楽にしてあげる。これは多くの場合できますし、患者さんも多くは求めない。アー楽になったありがとう!医療の原点でしょう。 さて、問題は次のケース . . . 本文を読む