スパイクバスターズな生活

てんかん外科医として発作と戦う日々...
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てんかんの新薬にまつわる話題 -- drug lag とは何か?

2010-07-21 | Weblog
この2年間てんかんの新薬が次々に承認されています。
以前にも触れたガバペン、トピナ、ラミクタールです。さらに近々もうひとつ ケプラ!これは請うご期待ですネ!
その事情はというと、実は”drug lag”というキーワードに行き当たります。
”drug”は”薬”。lagは”jet lag”でもおなじみの”時間差”です。薬の時間差!???これは先進諸外国では既に認可されているのに、わが国では認可が遅れていて、世界的視野でみると後塵を拝しているという意味です。この事実は、その奥に良い意味と悪い意味が隠されています。
それは、つまり日本の政府=厚労省が認可を厳重に行っていて、出遅れているということです。
これは良い意味と悪い意味があります。
日本国民は政府が認めたら、それで守られていると確信します。政府がだめといったら、素直に認めます。良い意味でも悪い意味でも、昔から、お上の言うことを素直に聞く扱いやすい国民でした。でもその代償に、自己責任は取りませんね。何か不祥事が起きたら全て政府の責任です!これはあらゆる分野で見られる傾向ですね。
この国民の精神構造が厚労省を慎重にさせています。新しい薬をいったん認可したら、何か副作用があったときは全て厚労省が責任を取らされるという、呪縛です。国民にも責任があり、同時に厚労省の態度にも責任がありますね。いや、これ以上はやめておきましょう。
というわけで、認可が必然的に厳しくなり時間もかかり、世界的にみると認可が遅れるのです。もちろん裏返せば日本の薬はきっと世界一安全です。かな?そうあるといいな。
でも喜ばしいことに、最近では、厚労省も国民の声をよく聞いてくれるようになりました。要求の多い分野の認可はスピードアップしてくれるようになってきたのです!すごいですね!うれしいですね!
もちろん新しい薬で何でも治るなんて夢のような話ではありませんが、新しい薬でようやく発作が少なくなり、新しい人生が開けそうな患者さんも少しづつ出てきています。
更なる薬の開発に期待したいですね。
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5 コメント

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戸惑い (フェノバール)
2010-07-24 22:42:30
私も主治医に新薬を薦められたけど、正直 不安ですよ!
良い薬でも 患者の体に合うかは別物だし、今のが合ってるならそのままの方がいい気もして、変えてません。
フェノバールさんへ (スパイク隊長)
2010-07-29 21:40:05
従来の薬であっているなら、新薬に買える必要は全くありません。フェノバールも服用されてますか?老舗のいい薬です。
こういう”名薬”がうまく効かない患者さんに新薬はお勧めしています。
スパイクバスター先生へ (tak)
2010-08-06 23:14:33
私の理解が間違っているかもしれませんが、ご質問いたします。
薬は国が認可した範囲でのみ使われているとわかりましたが、国の認可によって医師が選びたい薬を制限されてしまうことはないのですか?

厚労省HPで公開されている、「第4回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議資料/2010/8/3付け」 の、資料6-1 検討中の品目(精神・神経分野)を見ました。
てんかん薬でもあるテグレトールが、がんの疼痛治療にリストアップされていました。
薬(テグレトール)を飲んだら病気(疼痛)が楽になるかもしれないのに認可外だから使えなくて、でもその壁を外そうと努力されていることを知りました。

「てんかんのo薬と妊娠:その3」にあるunknownの書込みは私です。名前を書き忘れました。
戸惑いを感じているお友達が、元気になることをお祈りしています。
TAKさんへ (スパイク隊長)
2010-08-10 21:59:02
薬はそれぞれ用途が決められて認可されているのです。認可外の疾患への処方は、保険が利かないのです。そのため、ある薬に認可時には想定されていない効果が見つかった場合は、その用途に追加申請をしなければならないのです。てんかんの薬として認可されたテグレトールも、痛みをとる薬として使うためには改めて認可を得なければならないのです。
スパイクバスター先生へ (tak)
2010-08-11 22:02:40
答えつらい質問だったと思います。質問を取り下げようとおもっていました。
毎日飲んでいる薬が、新薬でもないのに、知らないところで認可の対象になっていました。人ごとではない気がして、質問しました。
回答ありがとうございました。

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