タイヤも交換したことだし
奥多摩行きますか!
と思っていたけどフォークからオイルが滲んでいるのでOH(オーバーホール)っす。
2年前にOHしたのにすぐ滲んできたんで、たぶんインナーチューブの細かい錆でオイルシールが傷ついたのが原因。
倒立フォークのOHってメチャめんどいのに、さらにインナー磨いてとか週末のうちに終わるか不安。
■
こういった可動部のオイル作業にはこいつがなり便利。
医療用シリコン手袋。
ティッシュボックスみたいな箱に300枚入り1500円で詰め込んである。
こういう場合、軍手だと細かい繊維がオイルに紛れ込んでパフォーマンスダウンするし、どうしてもオイルに浸る作業なので完全にオイルまみれになった軍手はあちこちオイルがつく上、滑って使いものにならない。
それに対してこいつは毛くずが出ないばかりかオイルに浸っても滑らないしすぐ洗い落とせる。
弱点は強度。
結構弱いし穴があくとそこから乳首部分切ったスク水みたいに円形に穴が広がる。
こいつはスク水みたいに穴が広がっても夢は広がりませんね。ええ。
エンジン開けるときもマジ重宝。
■
前半の作業のコツは
・ジャッキアップする前にアクスルを緩めておく
・フォークを外す前にフォークのキャップボルト(ばらす時に開けるところ)を緩めておく
等、ネジトルクのかかるところは安定していたり固定してあるうちに緩めておくべし。
うちにはないけど万力があれば作業しやすいっすね。
■
フォークをまずバラす。
フォークOHの難関の一つ、スプリングを押し込んでストッパー当ててキャップボルトを外す。
なんせ車体を支えているバネなだけあって手強い。
片手で押さえながら作業とかRIKISHIじゃないと無理。
大抵の人が純正の専用工具なんて用意してないんで、ここのへんの作業はホント苦労するところ。
ネットで調べたらみんな自作工具をうまく作ってるね。
うちは準備が悪いんで六角と手袋のグリップと気合だけで何とか切り抜けました。
毎回開けた後は、ホントにこのスプリングの圧力に逆らって組み付けることが出来るのかと途方にくれる。
■
オイルドバーーーーー。
綺麗そうだけど(指先)結構黒っぽい微粒子が混ざってました。
ダンパをスコスコと動作が軽くなるまでピストンさせて中のオイルを全部出す。
さらに逆さにして1時間放置してオイルを切る。
そしてインナーチューブをアウターチューブから抜く。
クリップを外してもシールとスライドメタルが圧入されているので、
アウターを固定してインナーチューブをガンガン引っ張る。
スポッと抜けた瞬間オイルが飛散するので注意。
オイルもれの原因を調べるためにオイルシールを確認したけど目立った傷がないんだよね。
もしかしたらインナーチューブとシールの間じゃなくってアウターチューブとシール
の間から抜けていたのかもしれない。
その場合だったらどう対処するか…
とりあえずもっかいバラすはめになるわな。
800番>1200番>2000番と紙やすりを細かいのに変えながら錆の黒い点を削ってならす。
んでコンパウンドかけて磨きまくって研磨終了。
■
組み付けるんすけど、ここがまた特殊工具持ってない人には面倒な作業が続くわけです。
とりあえずシール等をインナーチューブにセットするんだけど、組み付ける際にチューブのエッジでシールが痛まないように先端をビニールとかで包みます。
しかしあいにくビニールがない。
うーん、なんかこのくらいの太さの円柱状を包めるものは…
おお、あれがあった!!
wwwっうぇwwテラ巨根ww
このあと根元の段差切り取って使用。ぬるぬるが最初からついていることもあって作業しやすかったっすw
シールに挿入する時にアンアン言いながら、盛りのついた中学生のようなテンションで作業をしていたところに母からメールが。
何かとても申し訳ない気分になりながら作業を続ける。
アウターチューブを組み付ける。
さっきインナーチューブに組み付けたシールをアウターチューブに圧入するんだけど、ここで自作工具の出番。この塩ビパイプを加工したものを使って圧入します。
これが固いの何の!
ってあれ?
意外とすんなり入ってしまった。
うーむ、オイル漏れの原因はアウターチューブとの隙間説が有力になってしまった。
オイル注入。
今回もホワイトパワーのフォークオイルを使用。
硬さは15。
コイツがすげーおいしそうな色してるんですよ。
中の気泡とかがすげー綺麗で。
注入後、後の油面管理が狂わないように、しっかり中の気泡が抜けるまで放置します。
■
一時間後
変なプレイ用ではありません。
またまた自作工具、というかハンズで買ってきた注射器とシリコンチューブ。
こいつで油面管理をします。
この油面管理というのは非常に重要。
フォークを立てたときの油面の高さがなにを示しているかというと、フォーク内の空気の量なのです。
フォークは密閉されているため、フォークがストロークすると油面の位置が上がることによって、この中に閉じ込められた空気が圧縮されるのです。
シングルレートスプリングの反発力は線形だけど、空気の圧縮に対する反発力は非線形であるためにこの2つが合わさってストロークの奥でふんばるサスになるのです。
高価なプログレッシブレートのスプリングなんてイランのです!偉い人にはそれがわからry
まあシングルレート+エアーの方がセッティングも出しやすいです。
まあうちは標準どおりの11.5cmに調整。
このとき気をつけるのが、端の方で計測しないということ。
表面張力のかかっていない油面の平らなところで計測しましょう。
空気の体積は非常にデリケートなのです。
■
組み付けます。
足でフォークを支えながら右足でスプリングを押さえるための紐を全体重で下げつつ、かつ中のロッドが落ち込まないように左手で引っ張りながらガイドを通します。
てんやわんや。
キャップボルトを組み付けるとようやく完成っす。
自分は万力ないのでこの時点では仮止め。
車体に固定してからちゃんとしたトルクで締めます。
■
昼の3時から始めた作業ですが、左右両方終わったって組み付けたのは翌日朝6時でした。
途中だらだらしたこともあり、徹夜で15時間かかりましたとさ。
■
組み付けるときの注意点。
エンジン然り、可動部というものは組み付け次第でまったくの別物になります。
当然フォークも組み方があるんだョ
・まずアクスルナットのアウト側固定ボルトを締め、アクスルボルトで車輪を組み付けて締め、アクスルボルトのアウト側固定ボルト、トップブリッジ、を締める。
他は緩めた状態。
・この状態で車体を垂直にしてFフォークをストロークさせる。これによって各パーツがいい位置に移動する。
・んで各ボルトを締めこめばおk。
■
・スイッチボックス
組み付けついでに気になったので、接触の悪いスイッチボックスを何の気なしに開けてみたらビヨンと中身が飛び出やがった。
超細かいっす。
赤い丸で囲ってあるペン先はマッキーの極細ペン先。
いやあ、普通に細かいだけなら組めんことないけど、スプリング引っ掛けて引っ張りながら垂直に入れないといかんので手が4本くらい欲しくなった。
何とか機構部組み付けることができた。
これを作っている工場のパートのおばさん?の手先の器用さに感銘した。
スク水のくだりはワロタww