またまた愛器紹介の修行僧です。
今回ご紹介するのは「Fender '54 Stratcaster FSR」です。このストラトはストラトキャスター生誕50周年にあたる2004年に日本市場のみ限定で販売されたギターです。2005年夏にご縁があり修行僧の愛器の1本となりました。
このストラトは先も触れましたが50周年記念モデルで、レギュラーラインには存在しないFSR(Factory Special Run)で、ASHボディにMAPLEネックというストラト初期の仕様を再現したモデルです。ASHボディの特性もあり普通のアルダー材のストラトより立ち上がりの良い音が特徴です。
フィニッシュは、ボディはシンラッカーフィニッシュ、ネックはラッカーの最終研磨仕上げをしてないマットフィニッシュ。ボディーは薄い塗装の影響もあってか、生でも凄くよく響き、その振動は十分腹に伝わってきます。そして少し軽めのVシェイプのネックは使い込めば使うほどエエ感じにツルツルとした心地よい手触りに変化してきます。
ちなみにこのストラト、ボディの木目も美しく鳴りもよいのですが、ヘッドストックの"ORIGINAL CONTOUR BODY"シールの貼り忘れとネックポケット脇の小キズの為にアウトレット扱いとなっており、新品でも超安価にて入手できたのでした。ガハハ~。
なおPUは「カスタムショップ '54ストラトPU」が3基搭載されていますが、修行僧の好みでピックアップや回路は少し改造してあります。というのもASHボディー/メイプルネックの元祖といえばテレキャスター。ストラトはそのテレキャスターの進化型になるのだけれども、その進化した歴史背景を考慮した改造を施したのです。
まず、ストラトの歴史背景をば少々。ストラトと言えば今ではレスポールとならぶロックギターの代表的モデルとなってますが、本来の開発市場はもちろん違いました。以外かも知れませんが、主な市場は「カントリー&ウエスタン」、とくに「ウエスタン・スイング」でした。ストラトのデザインスタッフ(フェンダー社のテスト・ギタリスト)として有名な故Bill Carson氏は、当時カリフォルニアで活躍するウエスタン系ギタリストで、Lefty Frizzell、Hank ThompsonそしてSpade Cooleyなどのらのサポートギタリストとしても活動しておりました。そしてウエスタンスイングのギタリストとして活動しながらテレキャスターでの問題点や改良アイディアなど次々に提示し、試作し、ライブでのテスト演奏を経て、さらにレオ・フェンダー氏の拘り新メカである「シンクロナイズド・トレモロ・ユニット」を搭載しストラトとして1954年に世に出したのでした。そして例えばBob WillisのギタリストであるEldon Shamblinなどはいち早くストラトをメインギターに採用し、98年に亡くなるまで愛用してました。まあ、後にBuddy Hollyがロックンロールでストラトを採用し、その影響でエリック・クラプトン、そしてジミヘンなどなど・・・とロックギターの王道ギターという印象が強くなってしまいましたが。
ってなことで、当初「カントリー&ウエスタン」がメインターゲットで開発されたストラトを21世紀の現在の「カントリー&ウエスタン」でも対応できるよう修行僧のこだわり改造を施したのでした。修行僧のこだわった部分として次のように分析し改造の参考にしました。
★カントリーギターでの典型的なサウンドはテレキャスターのブリッジPUをクリーン~クランチで使用した時。しかしテレのフロントPUはクリーンでも深い歪みでの時でも少し非力で使いにくい。ちなみにミドル・ポジションはクリーンな時はカリっとした気持ちよい音。
★ストラトのもっとも気持ちよいサウンドはフロントPU使用時かな。クリーンではカントリー&ウエスタン、特にウエスタンスイングではもちろんバッチリなサウンド。フロントPUに深い歪みを加えるとサスティーンも十分でカントリーバラードにもよくはまる。しかしブリッジPUやミドルPUは少しカサカサで、特にストラトのブリッジ・ピックアップは一般的に少し中音と低音が足りない。ちなみにトレモロはビグスビーのような繊細な音程変化は苦手だが、セッティング次第では武器になる。
ということで上記のエエとこ取りをしたストラトに改造しました。一般的に「パキパキ」としすぎるストラトのブリッジPUをテレキャスターのように「パキパキ+ブイブイ」となるように改造することに。ストックの54年タイプのピックアップはまだましな方でしたが、やはりテレと比較するとかなり中低音が物足りませんでした。ということで、つい先日こんな改造を施しました↓
http://www.fralinpickups.com/bplate.asp
そうです、まるでテレキャスターのピックアップのような「ベースプレート」の施工です。この改造を施すことによってストラトの良さを残しながら「パキパキ・ブイブイ」とした音を出せるようになったのでございます。もちろん深い歪みでもバッチリです。パチパチ。それもなんと改造費は2000円でおつりが・・・。
もう一つの改造は配線です。これは購入直後から施している改造ですが、こんな感じに換えてあります。
★改造前:「3ポジションスイッチ」
フロント側:フロントPUのみ
ミドル側 :ミドルPUのみ
ブリッジ側:ブリッジPUのみ
「ボリューム・トーンつまみ」
手前のつまみ:マスターボリューム
中間のつまみ:ミドルPUのトーン
奥側のつまみ:フロントPUのトーン
★改造後:「3ポジションスイッチ」
フロント側:フロントPUのみ
ミドル側 :フロント&ブリッジPU
ブリッジ側:ブリッジPUのみ
「ボリューム・トーンつまみ」
手前のつまみ:マスターボリューム
中間のつまみ:ミドルPUのブレンダー(ブレンド用ボリューム)
奥側のつまみ:マスタートーン
さらにトレモロは少し極端なセッティングを施し、ベンドしてもブリッジが浮き上がらないものの、トレモロアームは十分使える範囲に調整し、テレキャスターとストラトの特徴を兼ね持つ仕様に改造したのでした。ボディ材がテレキャスターと同じASHであり音の立ち上がりがよいこと、そして十分トゥワンギーなブリッジPU、カラっとしたミドルポジションでのサウンド、ムーディーなサウンドを生み出すフロントPU、そしてミドルPUをブレンドできるのでハーフトーンや微妙なブレンドで音を太くすることもできるという非常に使い勝手のよいギターとなりました。
現在はまだ最初に触れたベースプレート施工のテスト・ラン状態ですが、問題がなければ、ステージでガンガン使える「カントリー&ウエスタン用」ギターの1本になることでしょう!!
改造マニアな修行僧でした。
今回ご紹介するのは「Fender '54 Stratcaster FSR」です。このストラトはストラトキャスター生誕50周年にあたる2004年に日本市場のみ限定で販売されたギターです。2005年夏にご縁があり修行僧の愛器の1本となりました。
このストラトは先も触れましたが50周年記念モデルで、レギュラーラインには存在しないFSR(Factory Special Run)で、ASHボディにMAPLEネックというストラト初期の仕様を再現したモデルです。ASHボディの特性もあり普通のアルダー材のストラトより立ち上がりの良い音が特徴です。
フィニッシュは、ボディはシンラッカーフィニッシュ、ネックはラッカーの最終研磨仕上げをしてないマットフィニッシュ。ボディーは薄い塗装の影響もあってか、生でも凄くよく響き、その振動は十分腹に伝わってきます。そして少し軽めのVシェイプのネックは使い込めば使うほどエエ感じにツルツルとした心地よい手触りに変化してきます。
ちなみにこのストラト、ボディの木目も美しく鳴りもよいのですが、ヘッドストックの"ORIGINAL CONTOUR BODY"シールの貼り忘れとネックポケット脇の小キズの為にアウトレット扱いとなっており、新品でも超安価にて入手できたのでした。ガハハ~。
なおPUは「カスタムショップ '54ストラトPU」が3基搭載されていますが、修行僧の好みでピックアップや回路は少し改造してあります。というのもASHボディー/メイプルネックの元祖といえばテレキャスター。ストラトはそのテレキャスターの進化型になるのだけれども、その進化した歴史背景を考慮した改造を施したのです。
まず、ストラトの歴史背景をば少々。ストラトと言えば今ではレスポールとならぶロックギターの代表的モデルとなってますが、本来の開発市場はもちろん違いました。以外かも知れませんが、主な市場は「カントリー&ウエスタン」、とくに「ウエスタン・スイング」でした。ストラトのデザインスタッフ(フェンダー社のテスト・ギタリスト)として有名な故Bill Carson氏は、当時カリフォルニアで活躍するウエスタン系ギタリストで、Lefty Frizzell、Hank ThompsonそしてSpade Cooleyなどのらのサポートギタリストとしても活動しておりました。そしてウエスタンスイングのギタリストとして活動しながらテレキャスターでの問題点や改良アイディアなど次々に提示し、試作し、ライブでのテスト演奏を経て、さらにレオ・フェンダー氏の拘り新メカである「シンクロナイズド・トレモロ・ユニット」を搭載しストラトとして1954年に世に出したのでした。そして例えばBob WillisのギタリストであるEldon Shamblinなどはいち早くストラトをメインギターに採用し、98年に亡くなるまで愛用してました。まあ、後にBuddy Hollyがロックンロールでストラトを採用し、その影響でエリック・クラプトン、そしてジミヘンなどなど・・・とロックギターの王道ギターという印象が強くなってしまいましたが。
ってなことで、当初「カントリー&ウエスタン」がメインターゲットで開発されたストラトを21世紀の現在の「カントリー&ウエスタン」でも対応できるよう修行僧のこだわり改造を施したのでした。修行僧のこだわった部分として次のように分析し改造の参考にしました。
★カントリーギターでの典型的なサウンドはテレキャスターのブリッジPUをクリーン~クランチで使用した時。しかしテレのフロントPUはクリーンでも深い歪みでの時でも少し非力で使いにくい。ちなみにミドル・ポジションはクリーンな時はカリっとした気持ちよい音。
★ストラトのもっとも気持ちよいサウンドはフロントPU使用時かな。クリーンではカントリー&ウエスタン、特にウエスタンスイングではもちろんバッチリなサウンド。フロントPUに深い歪みを加えるとサスティーンも十分でカントリーバラードにもよくはまる。しかしブリッジPUやミドルPUは少しカサカサで、特にストラトのブリッジ・ピックアップは一般的に少し中音と低音が足りない。ちなみにトレモロはビグスビーのような繊細な音程変化は苦手だが、セッティング次第では武器になる。
ということで上記のエエとこ取りをしたストラトに改造しました。一般的に「パキパキ」としすぎるストラトのブリッジPUをテレキャスターのように「パキパキ+ブイブイ」となるように改造することに。ストックの54年タイプのピックアップはまだましな方でしたが、やはりテレと比較するとかなり中低音が物足りませんでした。ということで、つい先日こんな改造を施しました↓
http://www.fralinpickups.com/bplate.asp
そうです、まるでテレキャスターのピックアップのような「ベースプレート」の施工です。この改造を施すことによってストラトの良さを残しながら「パキパキ・ブイブイ」とした音を出せるようになったのでございます。もちろん深い歪みでもバッチリです。パチパチ。それもなんと改造費は2000円でおつりが・・・。
もう一つの改造は配線です。これは購入直後から施している改造ですが、こんな感じに換えてあります。
★改造前:「3ポジションスイッチ」
フロント側:フロントPUのみ
ミドル側 :ミドルPUのみ
ブリッジ側:ブリッジPUのみ
「ボリューム・トーンつまみ」
手前のつまみ:マスターボリューム
中間のつまみ:ミドルPUのトーン
奥側のつまみ:フロントPUのトーン
★改造後:「3ポジションスイッチ」
フロント側:フロントPUのみ
ミドル側 :フロント&ブリッジPU
ブリッジ側:ブリッジPUのみ
「ボリューム・トーンつまみ」
手前のつまみ:マスターボリューム
中間のつまみ:ミドルPUのブレンダー(ブレンド用ボリューム)
奥側のつまみ:マスタートーン
さらにトレモロは少し極端なセッティングを施し、ベンドしてもブリッジが浮き上がらないものの、トレモロアームは十分使える範囲に調整し、テレキャスターとストラトの特徴を兼ね持つ仕様に改造したのでした。ボディ材がテレキャスターと同じASHであり音の立ち上がりがよいこと、そして十分トゥワンギーなブリッジPU、カラっとしたミドルポジションでのサウンド、ムーディーなサウンドを生み出すフロントPU、そしてミドルPUをブレンドできるのでハーフトーンや微妙なブレンドで音を太くすることもできるという非常に使い勝手のよいギターとなりました。
現在はまだ最初に触れたベースプレート施工のテスト・ラン状態ですが、問題がなければ、ステージでガンガン使える「カントリー&ウエスタン用」ギターの1本になることでしょう!!
改造マニアな修行僧でした。