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Country & Jazzギターの修行僧

カントリーなギタリストが綴る音楽活動奮闘記~

愛器紹介その4「GRETSCH 6120 (1962年製)」

2007-11-28 | 楽器・機材
歳のせいか、あちこち痛くてお休み中の修行僧です。

休んだものの退屈なので昨夜買ってきたギターマガジン12月号を眺めていたところこんな新商品が。

「GRETSCH G6120SSC "BRIAN SETZER TRIBUTE"」

ふむふむ、Brian StezerがStray Catsのデビュー時に使ってた1959年製 Gretsch 6120のレプリカか。ふむふむ。レリックだかなんだか解らんけど、薬品かなんかでエイジド処理をした完全レプリカか。アホや。ふむふむ。39.9万円か。買うやつようけおるやろな。ふむふむ。

しかし、良く見ると、価格の桁が1桁違うやん。考えられない。399万円やて。アホを通り越したな、こりゃ。でも、もしかしたミスプリか?と思いネットを検索するとこんなのが。↓

http://www.musicland.co.jp/store/index.php?seq=Campaign&cid=1557

399万円てマジやわ。何がなんだか全く理解できまへん。なんでこんなギターが400万円近くするのか?ビンテージでも高いわ・・・。ありえない。

ってなことで、久しぶりに修行僧の愛器の1本であるホンモノのビンテージであるGRETSCH 6120を引っ張り出してみました(写真をご参照ください)。

この6120、1962年製なので、例の399万のヤツがベースにしたモデルの3歳年下のものでございます。ボディ厚が薄くなりダブルカッタウェイとフェイクのFホール(ペイントされたもの)が採用された初期のモデルとなります。

実はこいつはエライ安く手に入れたのでした。399万の約1/30の価格で入手したのです。それは確か1991年頃だったかな?ビンテージのGRETSCHはBEATLES初期のGEORGE HARRISONがDUO JET(モデル6128)とかCOUNTRY GENTLEMAN(モデル6122)を愛用していた影響や、Brian Setzer人気とバブルの影響などですでに価格が高騰してた頃ですわ。特に6120は1961年製までのシングルカッタウェイモデルの人気がすでに高く、ゆうに100万を越していた頃ですが、こいつはたった1年違いで超破格値での入手でした。それには理由があります。

その破格値の理由とは、人気のシングルカッタウェイではない点、そして、本体とピックアップと配線以外の純正パーツの多くが欠品、替わりにまるで先に紹介した有り得ない価格の6120と同様の仕様であるサイコロ型のノブや不細工な黒いピックガード、純正ではないサイズの小さいビグスビー、ビグスビーのアルミ製ブリッジとブリッジベースなどなどに改造されてる点。さらに致命的なのは本来ペイントされているFホールをザックりとくり貫いてある点(それもむちゃくちゃ下手くそ)です。恐らく前のオーナーさんはBrianの6120を意識してこのような改造をしたのでしょう。

そんな改造のお陰げ?もあり、この6120は修行僧の所に破格な値段で嫁がれてきたのでした。しかしそれからが大変でした。なるべく本来あるべき姿に戻そうということで長い時間をかけて本物のパーツを探し出し、自分でネック調整をし、役立たずだった0フレットを撤去してもらい、酷いハウリングの原因だった不細工なFホールはウレタンフォームで埋めて・・・。で今の写真のような状態になっております。パーツがビンテージなので中々見つからない上に高かったので大変でしたわ。この姿にするのに多分、このギターの購入額と同じくらいの投資をしたんちゃうかな???それでもグレッチの現行品よか安いし、もっとも例の399万のヤツの1/15位ってとこかな?

しっかしコイツ、エエ音しますねん。最近のグレッチでは出ない音やわ。クリーンの時はまるでチェット・アトキンス。太くて芯がありアタックの強い音だな。オールドなカントリーやムーディーでジャジーな楽曲にぴったりだ。で、ちと真空管アンプのボリュームを上げたるとその芯のあるアタックがバキっと歪んできます。誰がどう聞いてもStray Cats時代のBrian Setzerのとよく似た音になります。ま、59年製とはボディ内部の体積も違うので、厳密には異なるやろけど、同じ傾向の音であるのは断言できます。いま街で売ってるGretschではこんな音はまず出ないな(なんでやろ?)。

しっかしこのギターにはよう解らん仕掛けがいくつかゴザイマス。まずは「ミュート装置」。ボリュームのところにあるつまみを回すと「ニョキ」とフェルトの物体が浮き上がってきて弦に接触しまるでパームミュートしたような効果を出す仕組みです。一度に1~6弦までミュートされてしまうので、用途は限られてしまいます。次の仕掛けは「トーンスイッチ」。このギターにはトーンつまみがなく、替わりにプリセットのトーンが3段階で組み込まれてます。ピックアップセレクターの脇にあるのがそのスイッチです。真ん中でバイパス(トーン全開)、下に降ろすとどうやろか、トーンつまみを3-4位にした感じかな?で、上に上げるとトーンつまみを0にした感じになります。JAZZなんかで微妙な音作りをしたいに便利なんだか不便なんだか・・・。って感じ。そしてもう1つの仕掛けは「スタンバイスイッチ」。ボリュームつまみの近くにあるこのスイッチ、下に降ろすと音が出なくなります。アンプへの信号が断絶される仕組みです。ボリュームはそのままで信号をOFFでくきるので、便利といえば便利なのかもしれないけど、使ったことないな・・・。そんでもってもっとも便利な仕掛けは右カッタウェイにある「マスターボリューム」。すぐに手が届くしこれは便利ですわ。特にピックアップセレクターをミドルにした時はいちいち2つのボリュームを操作する必要がないので重宝してます。

ってな感じで、この6120を大事にしたろうと思ってます。たまにはステージで使ったろうっと。まずはJAMにでも連れ出したろうと。

あちこちが痛い修行僧でした。


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