【現代思想とジャーナリスト精神】

転載「日本人スパイ容疑で拘束」問題をめぐり孫崎氏、官房長官発言批判

【孫崎享のつぶやき】
《日本人2人拘束を中国発表、「スパイ活動」理由、菅官房長官「我が国はそうしたことは絶対してはいない」は嘘》
2015-10-01 07:442



A事実関係

1:政府は30日、日本人2人が今年5月、中国の浙江省と遼寧省でそれぞれ中国当局によって拘束され、現在も中国国内にとどめられていると発表した。

 日本政府は北京の日本大使館を通じ、中国政府に2人の安全確保と早期解放を求めている。これに対し、中国政府は2人の拘束理由について、「スパイ活動」を行ったためとしている。

 日本政府関係者によると、2人はいずれも日本から渡航した民間人男性。5月に身柄を拘束された場所はそれぞれ、浙江省の温州と遼寧省の丹東付近とみられる

 菅官房長官は30日の記者会見で、政府として5月中に拘束の事実を把握していたことを明らかにした。その上で、「邦人保護の観点から適切に対応している」と述べた。日本大使館の関係者が2人と定期的に面会し、健康状態などを確認しているという。。(読売)

2:TBSニュース

中国の治安当局が日本人2人をスパイの疑いで、次々と逮捕していたことがわかりました。拘束は数か月に及んでいますが、菅官房長官は、「日本はスパイ活動は絶対にしていない」と強く否定していますが詳細は明らかにしていません。

3:30日毎日新聞

関係者によると、1人は神奈川県在住。中国東北部の遼寧省丹東で、北朝鮮の情報を収集していた模様だ。もう1人は愛知県在住。沿岸部の浙江省で軍事管理区域に立ち入ったなどの疑いがもたれている。

B:評価

 まず、菅官房長官は、「日本はスパイ活動は絶対にしていない」と述べているが、これは事実ではない。

 たとえば、内閣調査室は自らを情報機関と位置付け、その前提のもとに各国情報機関と接触している。

 内閣調査室は自らの要因を大量に海外に展開する力はなく、商社を含め、現地を訪れる人々から情報を入手している。相手国からみれば、スパ苧行為ととられても何らおかしいことはない。

 何をもってスパイ行為とみなすかは、各々の国が主体的に判断する。

 かつてソ連においては、飛行場、河川の橋なども軍事機密の対象になり、撮影すればスパイ容疑で捕まると、外国人は撮影を控えていた。

 したがって、菅官房長官は、「日本はスパイ活動は絶対にしていない」という表現は虚偽の説明である。

 具体的に何を行ったか、何故この事件が今報道されているかについては様々な見解があると思うし、判断するには具体的事実関係が希薄である。ただし、毎日新聞が伝える、「北朝鮮の情報を収集していた」や「模軍事管理区域に立ち入った」が事実であれば、スパイ行為と認定されても致し方ない。

 日本は別として世界各国は外国人による情報収集、特に軍事、治安面には厳しく臨んでいることを認識すべきだ。

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