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女医のひとりごと

外科医である女医♪が専門的なことからぶっちゃけ話までいろいろな「ひとりごと」をいいます。

病棟のキャパシティー

2005-07-30 22:34:30 | 病院ネタ
最近女医♪のいる病棟はパニックです。

まず,6月に1名結婚退職しました。
それから新人看護師さんがきて一応人数的には±0になりました。
しばらくして看護師さんが1名病欠しました。
1ヵ月定員の-1で乗り切り,病欠後復帰してきてくれました。
その直後に別の看護師さんが病欠で1ヵ月休んだ後,復帰することなく退職しました。
これでまた-1です。
その後また別の看護師さんが過労で倒れ,病欠しています。これで-2。
さらには週2回午後から手伝いに来てくれていた看護師さんが病欠で,その枠が来なくなりました。補充もなしです。

そんなこんなで,残っている看護師さんもかなり疲れがたまっています。

そもそも,うちの病棟は非常に出入りの激しい病棟で,平均入院日数1週間前後です。
入退院が激しいということは非常に雑務が多いのです。
看護というよりも書類作成などの作業に非常に時間を要します。
看護計画もその都度立てなければなりません。
出入りが激しいということは急性期病院を目指すには欠かせないことなのに,
病院はそれを評価しません。
病院が病棟の忙しさを何で評価するかというと病床利用率だけだからです。
病床利用率とは午前0時の時点での病床の利用割合です。
これだけではまったく病棟の忙しさを表現できないのに。
だって,極端な話,寝たきりの人たちの多い病棟であれば,出入りに際しての
書類作成はいらず,入院も長期にわたるため病床利用率も常に高いままでいれます。
たしかに体位変換やおむつ交換などの業務は多いですが。
でも,出入りが多いと,たとえば夕方退院しました,明日朝その部屋に入院が入ります,の場合,午前0時の時点ではそのベットは使われていないことになるので
病床利用率は低いと判断されます。
病床利用率だけでは本当の病棟の忙しさが反映されません。
損なこんなしていくと看護師さんに疲労が募り,病欠,そしてその分また仕事が増えるので
また体を壊す人が出て,と悪循環になります。

しまいには,先日うちのボスに病棟の看護師長が,処置の回数を減らしてくれ,や,
重症患者を受けないでくれ,と言ってきました。
われわれにとってはなんじゃそら,です。
医師のキャパシティーはなんとかなっても病棟がもらってくれないという理由で
患者さんを受け入れることができないのです。
ボスと二人してむしゃくしゃしてました。腑に落ちない,と。

人数的な問題もありますが,うちの病棟は病棟全体のパワー,許容量が足りないのでしょう。
なんかにごにごした感じです。

新入医局員

2005-07-27 23:29:07 | 病院ネタ
ここ2年間は大学に新入医局員はいませんでした。
というのも,大学卒業してからの2年間は研修医制度に則り,所属は病院や研修医センターで,医局に「入局」という形はとりませんでした。
そのため,入局者はおらず,研修医制度の2年間を終了する今の2年目の研修医が久しぶりに「入局」してくることになります。

研修医はその分2回の今後の人生に関わる選択を強いられます。
1回目は卒後の研修先,2回目はその後の入局先,です。
しかし,1回目はそこまで今後の人生を左右しないことも多いようです。
つまりは,女医♪のころは大学卒業した時点での入局先で今後の人生をある程度
プランニングしたわけですが,研修医制度以降はそのプランニング時期が2年間先延ばしになります。
それがいいやらわるいやら。
2年間考える時間があるといえばいいですが,逆に言えば悩む期間が多くなってしまいます。
2年間いろいろな科を研修し見てくると,学生のときよりさらにいいところ悪いところが見えてしまいます。
その分選択肢が増えてしまって悩む傾向が多いと聞きます。
後期研修という選択肢もありますしね。

とまあ,女医♪が話したところですべて聞いた話や予想に過ぎないのですが,
そろそろその研修医たちが研修終了後の進路を悩み,目星をつけた病院に見学に行きます。
医局は2年間入局者がなかった分どうしても人員が減少するため,
新しいマンパワーを欲しています。
ですから,躍起になって勧誘します。
特に今の3年目は勧誘に必死です。
というのも,毎年一番下っ端がやる医局の雑用を3年間もやってきたからです。
早く後輩を入れないと,その仕事から脱することができない。
だからがんばるんです。

今年の研修医さんたちは最終的にいつごろ入局先を決めるんでしょうか。
ちなみにうちの医局はもう入りますと宣言している人もいれば,
もちろん見学に着てから,といって何人かは見学に来ているようです。
女医♪としても,新入医局員が多いからといって直接接するわけではなさそうではありますが,
ある程度の人数はいたほうがいいですよね。
医局に花が咲くといいますか。

もしこれを読んでくれている研修医さんがいらっしゃったらどうするつもりかも教えてくださいね。
(もちろんそれ以外の方のコメントもお待ちしてますよ)

ピオクタニン

2005-07-19 23:39:18 | 病院ネタ
今日の手術のときのことです。
女医♪が手を洗ってきて手術着をきたとき,機械台のうえから何かが落ちました。

あーーーーーーーーーーーーー!
もっとも落ちてほしくないもののひとつ,ピオクタニンがひっくり返って落ちちゃったのです。
ピオクタニンが周囲に散乱。
そして女医♪の足にも付着。
あーあ,これがなかなか取れないんです。

ピオクタニンは青色の液体で女医♪は主に手術の際のデザインに使います。
竹串のさきっちょにちょろっとつけて,切ろうとおもう場所に下書きをします。
そのほかにもポケットを取ろうとする際にポケット内をピオクタニンで色をつけておき,
それを外側から色素が漏れないようにごっそりとりきります。
そのほかに,そもそもピオクタニンは消毒効果があり,その目的で以前はよく使われていたようです。
最近でもポケットを作った床ずれなどにつかうことがあります。
また,細菌培養のときにも使うようです(ですよね?)。

ピオクタニンはなかなかとれない!
茶色い消毒液のイソジンはアルコールで簡単に取れます。
ピオクタニンは手術室の床についてもほんととれないんです。
以前にも同様の事件の痕跡が点々と…。
今日もその痕跡を増やしてしまいました。
何か簡単に取れる方法を知っている方がいたら教えてください!
女医♪の足についた色は,皮膚表面の角層が脱落するのを待つしかないでしょう…

こんなものもあるんですよ。
女医♪の手術の際は必ずあるグッズのひとつ,ピオクタニンでした。

予約診療

2005-07-02 15:14:12 | 病院ネタ
女医♪は週2回外来診察に出ます。
最近は診察は予約制になっていて,30分刻みの枠に振り分けられます。

一番人気は8時半(つまり8時半から9時の間)です。
小学校や保育園,会社の始まる前に診察を受けるパターンです。

それが予約枠が決められているので思った時間の枠に入らないことがあります。
その際は自分の予約枠は自分のIDでパソコンを立ち上げた場合に限って
無理やり予約枠以上に入れることができます。
つまり「自分でだけ自分の首を絞めることができる」わけです。

でもどうしても当日予約という形で,予約なしで来る人がいます。
そうしたら,たとえば前日までの時点で予約枠がいっぱいで,さらには
自分でいれた予約枠以上の人数の患者さんが来る予定になっていても
さらに当日きた人たちの診察をしなければならないのです。

先日医局会で診療部長が予約時間内ですべて診察を終わらせるように!と
うるさく言っていました。

気持ちはわかりますよ。でも,無理っちゅうもんでしょ。
はじめから当日予約の人が来ると思ってて予約時間内の人数を決めているわけではなく
それなりに見れるだろう人数にもともと振り分けているので
それにプラスしてこられたら時間を越すのもある意味当然なのに
はよせーはよせーとうるさい。
第一,当日予約の人に限って時間がかかるんです。
それなら医者の数ふやせー!といっても,そういうときだけ「できない」っていう。
こっちにばっかりやれやれいってー!!

と,内心思っていたら,他の科のもっと上の先生が
同じような反論をしてくれました。
いけーー!そうだーー!!
そら,診療部長の科は当日予約少ないかもしれないけど
こちとらがんばってんだよー!
早くしようと思って適当に診察したらそれはそれで苦情も来るでしょー。

当日予約でこられる方々,ある程度待つのは勘弁してください。
予約済みでこられる方々,予約時間を少し過ぎるのは勘弁してください。
できるだけ時間内にできるようになんとかがんばってやってますから!!

けしからん話

2005-06-28 18:04:35 | 病院ネタ
先日,基本的には温厚なボスがブチ切れました。

昼過ぎに近所の大学のERから電話があり,患者をおくってもいいですか?とのこと。
いままでも散々おくってくることはあっても受け取ることはまったくない大学だったので
これ以前にすでにボスは大学ERに対して起こり気味で,
大学ERからの要請は断ってもいい,とまで言う始末。
今回の大学ERからの電話をボスが受け,「大学でできないんですか?」と聞いたところ
「○科はまったくできないし,×科は手術中なのでお願いしたい」とのこと。
まあ,手術中でできないというのはよくある話で仕方ないと判断し
「ではどうぞ」といい,要請を受けました。

その1分後,その患者がついたのです!
どういうことかわかりますか?
うちが受ける受けないに関わらず,電話をする前から患者をうちの病院に向かわせていたということです。
つまり,電話してきたこと自体形式上してきただけなのです!

ここで今までの怒りと今回の理不尽な行いにボスはぶちきれ,
大学ERからうちの病院のERに来ているDrにこれまでの不服と今回のことについて
怒鳴り散らしたそうです。

そもそも,大学病院というのはその県の中では最先端の治療をするはずであり,
もちろん最先端だけではなく,さまざまな治療をするところ。
かつ,県内で手に負えないような症例や患者さんの最終地である,という認識を今まで持っていましたし,
それをだれもが正しいと思っていました。
もちろん,女医♪が違う県で大学に所属していたときはそのように自覚し,患者さんを受け入れていました。
それがうちの県,この大学に関しては常識が通用しないのです。
大学病院ができないからといって他の市中病院に送ってくるのです。
上に「手術中なので」というのを言い訳にしていましたが,女医♪の中では
大学病院に関してはそれも言い訳にならないと思っていました。
つまり,市中病院→大学病院,はありえても
     大学病院→市中病院,はありえない向きなのです。

大学の同じ科の先生と話をしても,ERからコンサルトすら来ないそうです。
つまり,ERのDrはたいがいは嘘っぱちの言い訳をして送っているのです。

診療内容がどうこうの問題以前に常識をはずれたことを平気でしてくるのです。
大学のERのトップはもともとうちの病院にいた,その世界では非常に有名な先生で
非常に「いい仕事」をする先生だそうで,その先生はどうなったんだ!?
どうしているんだ!?というのも怒りの原因のひとつみたいです。

情けないといいますか,非常識といいますか,本当に納得いきません。
患者さんもかわいそうです!!

女医を避けた理由

2005-06-15 21:57:22 | 病院ネタ
うちのボスは女医♪が今の病院に来ると連絡が来たときに,大ボスに
「女医の先生はちょっと…」
といったそうです。
そしてボスのことを知っている先生方は,女医♪とボスはあわないだろう,と予想していました。

女医♪は今の病院に着てから,実はボスはこうこういってたらしいよ,と聞き,
「え!?まじで!女医♪がいやだったの??」
と思い,なんで女医がいやだったんだろう,と考えていましたし,
一般的な女医は苦手でも女医♪は大丈夫,と思わせたいと思ってがんばっていました。
もしくはボスは本当に生真面目な人で,結婚はしていますが,女の人は苦手なのかなーと思っていました。

昨日病棟の飲み会がありました。
その病棟にホームグラウンドを持つ科の医師と看護師の会でした。
それまでにも看護婦さんに実はボスはこんなこと言ってたのよ!どうおもう!?と聞いていて
ある看護師さんはいつか真相を聞いてあげる!といっていました。
その看護師さんがちょうど思い出してくれ,
「せんせ,いまから聞いてくるね!」といってこっそり聞きに言ってくれました。

結果は…
やはり女性に対して非常に警戒していたらしく,
うちの病院はいそがしいから,夜中とかよばれても女の先生はいけないだろうし,
そうしたら自分が大変になるから,男の先生に…と思っていたそうです。

なーんだ,そんなことか。
前任地のときから夜中に呼ばれていったりなんなりはしてたし,
まさか本当にそんな風に思ってるとは思いませんでした。
もちろん,いつか女医♪の耳に入るだろうからそんな当たり障りのない返事をしたのかもしれませんが,
それでもボスは表裏のない先生なので,きっと本当だと思います。

確かに,女医♪が今の病院に着てから,ボスは何回も女医♪に
「家は病院から近いの?」と聞いてきました。何回も。
これもきっとこの危惧が関係していたのではないかな,とおもいます。

女医♪は夜中に呼ばれてどうこうは基本的に若い衆のする役目だと思っています。
10年,20年たって同じ生活をしていたらきっと大変だと思います。
↑つまり,ボスの年齢ね。
なので,やっぱりボスは間違えてたでしょ?って思わせれるように
眠い目をこすって夜中でも出動しようと思います。

おまけですが,なぜボスと女医♪があわないだろう,と思われていたかわかりませんが
現時点ではボスと仲良くやっています。
本当にボスはいろいろ教えてくれますし,力強いです。

女医♪はたいがい自分に直接いろいろ教えてくれたような(いわゆるオーベン)を
大好きになっちゃうんですが,やっぱり女医♪はボスが大好きです。
これからもついていきます。
一生懸命やるから,失敗しても面倒見てね








ショックな出来事

2005-06-10 21:04:40 | 病院ネタ
今日はショックなことがありました。

院内の投書箱に当科の医師の対応がきつかったと患者の母親からの投書が入っていたというのです。
うちのボスはむちゃくちゃ話は丁寧な人なので,きっと女医♪のことではないかと思うんです。
女医♪も4月から今の病院に赴任してきたばかりなので,そんなに大それたことはしていないとは
思うんですけど,投書があったことも事実。

しかも「患者の母親」というだけで,誰からの投書か大体の見当がつきます。
女医♪の予想によると,とある子供が手術目的で入院し,手術をしたんですけど,
その手術は急ぐものではなく,もう少し大きくなって聞き分けが聞くようになってから
手術をしましょう,といったのに,どうしてもいましてくれといい,
案の定処置のとき毎回毎回泣きまくり,3人がかりで押さえつけてガーゼ交換をしたり,
落ち着くまでしばらく待って再チャレンジしたりと,協力がぜんぜん得られなかった
患者さんだと思うのです。
少しガーゼをかえるだけですむのに,毎回毎回大泣きして,すごい時間がかかって,
ほかの患者さんを待たせて…と,確かにいらいらしていたかもしれません。
こんな小さいときに手術するからだよー,という気持ちもあったと思いますし。
(こんな予想は大概外れるのですが…)

ボスも1回目は患者さん自身の性格(いわゆるクレーマー)の可能性が高いので
様子を見ましょう,とはいってくれます。
それでも女医♪は気になって気になって。

女医♪の祖母が入院中に,病名を本人には伏せていたのに,看護師さんならびにそのときの主治医の
単純なミス!?で病名がばれてしまい,しばらくは祖母も落ち込んでしまい,
同じような投書箱に投書したことがあります。
まあ,そのときと状況はぜんぜん違うのですが,投書をしたとき女医♪は必死でした。
祖母に対する思いと,女医♪たちは必死に隠していたのにそれがあっという間に
ばれてしまったその悔しさとで,腹が立って仕方がありませんでした。

今回は匿名なので,実際のところはだれにどんなことをいって傷つけてしまったかわかりませんが,
医者もサービス業で無数の人たちと接する機会を持っています。
瞬間瞬間を丁寧に接さなければならないと,再確認させていただきました。

これを呼んでくださっている皆さん,皆さんも投書しようと思うくらいつらかったことがあったら
教えてください。

入局医局ランキング(その2;人気度低)

2005-06-09 21:00:10 | 病院ネタ
さあ,お待ちかね第2弾です。
女医♪が入局を悩んでいたころの,人気の低かった科です。

・小児外科
まずは体力的に大変!
急患も多い!
生死に常に関わる!
内容も特殊!
手術も術野が狭くて,細かな仕事です。

・小児科
急患が多い!
緊急帝王切開のときでも小児科の先生は待機してなきゃいけない。
子供の相手が苦手だとてきめん無理ですね。
診断も難しい。子供はしゃべって訴えることができないですからね。
あと,とにかく泣かれるのが苦手という人も多いです。

・産婦人科
やはり急患が多い。
患者は女性ばかり。(それをいいととるか悪いととるか…)
出生率が低下しているもなぜか影響しているようです。
でも昔に比べたら緊急のお産は減ったみたいです。
陣痛促進させて日中に生ませることもできますしね。

・基礎系
研究するドクターです。
ちなみに同級生で基礎に行った人はいないはずです。
大学院生で実験のために基礎の研究室にお世話になる人はたくさんいますが。
みんな臨床のほうがかっこよく見えちゃうみたいです。

結論!人気がない=急患が多い,なのではないかと思います。
外科はどこでもたいがい急患に追われますが,結局は急患にめげない
自分の信念というか,やる気があれば乗り切れちゃうんです。
今の医学部生さんたちはそのやる気が少なくなっちゃってるんでしょうか。

もちろん,女医♪も5時で仕事が終わって給料が高いお仕事が魅力です。
でも好きでなければ続きません。
やりたいことがあって,若い間は少々大変な思いをして当然だと思っていないと
いまの生活はやっていけません。
そうしていないと,もっと年をとってからいろんな意味でいい生活ができないのではないかと考えています。

これから選ぶ人たちには労働条件で選ぶのではなく,自分の信念で進路を決めてほしいと思います。

入局人気ランキング(その1;人気度高)

2005-06-08 19:46:32 | 病院ネタ
女医♪が学生のときに人気があった科,なかった科についてお話します。
(次回人気の少なかった科をご紹介します)

・麻酔科
意外に5時か6時くらいには仕事が終わります。
急患でない限り,手術室の予定自体を5時ころに終わるように組んでありますから。
そのかわり朝がいちばん早いです。
当直も結構な数ありますが,逆に言えばそれ以外の日はめったに呼ばれません。
仕事内容もハードで,でもQOLも高く,人気は毎年高いです。

・眼科
これも急患がほとんどなく,第一ほとんど人が死にません。
全身麻酔の手術も数えるほどです。
その分全身管理をする機会がほとんどないので,ほんとに「眼の」医者という感じです。
その代わり外来の患者数はむちゃくちゃ多いです。
大きなメリットは規制がなければバイトが結構あります。
コンタクト屋さんの隣についているクリニックとかがいいバイト先です。
それで結構いいお給料もらえます。
しかし,同級生で眼科に入局した子はお金目当てで眼科に入ったのに
コンタクトとかのおいしいバイトは上の先生が持っていってぜんぜんバイトさせてもらえず,
お給料が少ないといって転科しました…

・形成外科
どこにでもある科ではありませんが,最近は美容外科を初めとして
徐々に認知度が高まっているのではないでしょうか。
先天異常,体表の外傷,手の外科,やけど,等々を診察するのですが,
見るからに急患が多そうでしょ?そのとおりです。
でも,他の外科と違って手術中長い間たっていなければならないことはありません。
表面のことをすることがほとんどなのでたいがい座って手術ができます。
あとは,基本理念が「きれいにする」という方向なので,精神的にpositiveになれます。

・精神科
これはコメントにも書きましたが,9時から始まり5時には終わる。
5時以降に呼ばれることはほぼありません。
給料がいい。危険手当がつきます。
あとバイトができるなら寝当直(呼ばれることも泣くその病院で寝ていればいいだけのバイト)も
たくさんできます。

・循環器内科,消化器内科
他の内科の中でもとくにこの二つの科は心臓のアンギオや内視鏡で直視下での治療ができる。
どちらかといえば外科に近い内科です。
外科に近い=急患も多いです。

あと,人気のある科は入局する医局の雰囲気は大きいです。
それと全国的な認知度。
これが高いと必ずコンスタントに入局者がいます。
確かに,どうせおなじ仕事するなら全国的,世界的に先端の内容だと
自分を向上させることができますよね。
まあ,やる気しだいですが…

あくまで女医♪が学生のときの人気なので,諸説あるとおもいますが,あしからず。

医学生の実習

2005-06-06 23:54:36 | 病院ネタ
今日から大学医学部の学生さんがめずらしくも女医♪の科の実習に来ました。
女医♪の科はメジャーではないので、わざわざ希望しないと実習にはきません。
なのにきたのです。

女医♪の同級生にはその実習で女医♪の科が何をしているかを知り、
興味がさらにつのり入局にいたったと言う人がいます。
ちなみにその大学では女医♪の科の授業はありません。
大学にも女医♪の独立した科はありません。←微妙な表現。

そんななか、今日学生さんが来たのです。
お!未来の入局者!?
もしくはただの変わり者?
少しの楽しみと多くの心配を抱え話をしてみました。

女医♪「なんでこの科を実習しようと思ったの?」
学生 「大学で(女医♪の)科の手術が実習期間中に運良く見ることが出来て、
   手術がいっつもあるわけではないからみんなが見れるわけではないみたいなんですけどぉ、
   そのときに患者さんがすごく喜んで帰っていったのですごいなって思ったんですぅ。
   それに大学の先生見ているとQOLが高そうだったのでー。」
女医♪「大学ではどんな症例をみたの?」
学生 「乳頭再建です。」
女医♪「んー?QOL高いって9時~5時で帰れるってこと?」
学生 「そうですぅ。」
女医♪「(かっちーーーん
    あのねー、いまうちに入院してる患者さんたちは半分くらいが急患で来た人たちよ。
    QOLを求めるならうちの科に入局しないほうがいいよ。」
学生 「…(無言)」
学生 「(壁に貼ってある、平日は毎日女医♪が拘束であると書いた紙を見て)
   もしかしてこれって…」
女医♪「うん。そうよ。毎日拘束してるわよ。家にいなきゃいけないことはないけど
   近くにはいて、すぐに病院にこれる体制にはしてるよ。」
学生 「…(再度無言)」

初日から学生さんの意欲を失わせてしまいました。
大学での2週間の実習期間中に1件あるかないかの手術件数を目の当たりにして、
医者になってからの素敵なアフターファイブを夢見たのでしょうか。

医者になってからのQOL(=quality of life)を学生のうちから考えるのも必要です。
科によっては本当に自分の時間がないところもあります。
でも、その人たちがなぜそれだけたいへんでも続けているかといえば「好き」だからです。
女医♪も好きでなければとっくにちゃぶ台ひっくり返しているでしょう。

日ごろの大学の仕事のしなさを学生さんにぶつけてはいけないとは思いますが、
QOLを求めてだったら女医♪の科にわざわざ選択してまできて欲しくなかった。
今後の実習を教える意欲が低下してしまった…
学生さんも失敗した!と思っているでしょうね。