山崎元の「金融資産運用論」

獨協大学特任教授の山崎元です。このブログは「金融資産運用論」の講義資料や講義の補足などを提供する目的で運営するものです。

【秋学期 13日目】個人投資家の株式投資とポートフォリオ運用

2010-12-22 16:24:47 | 講義資料

23日は祝日でもあるので、株式投資の基本と、ポートフォリオ運用の考え方について、多少のんびりとお話ししようと思っている。

 

株式投資については、パワーポイントを用意するつもりだが、その場で気楽にお話しする。

 

ポートフォリオ運用については、下記のケースについて考えてみて欲しい。

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あるライターの方(マネー運用がご専門ではない)と話をしていたら、架空のケースなのだが、次のようなケースについてどう考えるべきか、教えて欲しいと質問された。

<ライターさんの質問>

ある投資家が10銘柄の株式に投資している。10銘柄のうち、4銘柄の値動きが悪いので、彼は、これらを売却して、その資金を、残りの6銘柄のうち、値動きのいい銘柄2つに追加投資しようとしている。彼の判断は正しいか?

答えを考えてみるうちに、彼の質問の中には、素人投資家が陥りやすい誤りが満載されていることに気づいた。

一般論として、素人は下手で、プロは上手いと、運用成績面で言えるわけではない。しかし、素人投資家の一定割合には、「いかにも素人的」で明らかに不合理、又は、非合理的である可能性が大きな、共通の投資の癖があるように思われる。

質問の状況をもう少し具体的に想定しよう。

先ず、当初の10銘柄への投資は大まかに等金額で行われたことにしておこう。投資対象は全て国内株だとしておく。

加えて、「値動きが悪い」とは買値よりも値下がりしていること、「値動きがいい」とは相対的な値上がり率が高いことだとしておこう。

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「それは、拙いかも知れないよ」という(こじつけ的な)可能性まで含めて、この質問のような投資家がいた場合にどんな指摘とアドバイスができるだろうか。幾つのツッコミ所があるだろうか?

 

解答は、もちろん授業で説明するが、出席できなかった人のために後日このブログにアップするので、考えてみて欲しい。