
怒り(いかり)は押さえつける必要はありません。
むしろ、積極的に発散してあげなければいけないものです。
怒りを発散することが目的になってしまっては問題ですが、なにかに強烈に
怒りを感じる場合、そこに溜まっている感情のエネルギーがあるのです。
怒りを感じる場合、あまり論理的な理由はありません。
たいていの場合は「自分が正当に扱われていない」状況に対して
条件反射的に発生する爆発的なエネルギーなのです。
いままでいろいろなことをがまんしてきたのだと思います。
でも、あなたは心の奥深くで自分が不当に扱われるべきではないと
わかっているのです。
怒りは「自分こそが世界を作り出している」ということを忘れた状況で
生み出されたエネルギーです。
自分が状況をコントロールできていないと思える状況です。
でも、あなたは自分自身に愛を感じている・・・。
「わたしはこんなもののために生まれてきたんじゃない。」
だから怒りを感じるんです。
愛はすべてを信頼している状態です。
この世界が自分を愛してくれて、自分もこの世界を愛している。
あなた自体がこの世界なのでこのような相互関係も成り立ちます。
でも、怒りは違います。
あなたは細分化された自分を愛しているが、この世界は自分を
愛してくれているとは思えない。
だから、「なぜもっと愛してくれないんだ!!」と怒る。
つまり分離意識によって変化した自分への愛が「怒り」なのです。
あなたが自分を愛せば、あなたはつまりこの世界ですから、世界も
あなたを愛してくれます。
世界があなたを愛してくれればそこに喜びが生まれます。
次々とうれしい驚きを注ぎ込んできてくれるでしょう。
あなたの存在理由は喜びを経験すること。
永続的に穏やかに続く豊かな喜びを・・・。
その喜びを与えてくれる愛はあなたの本質です。
ある意味、あなたが存在するだけでも愛です。
あなたがどれだけ自分自身のことを嫌おうが、否定しようが、この世界は
できるかぎりあなたの肉体を維持しようとします。
あなたは生きているだけで愛を経験しているのです。
愛はあなたがいくらでも生み出せるものであり、なくなったりするもの
ではありません。
でも、怒りは愛がいびつな形で変質したものであり、永続的なものでは
ありません。
むしろ、いびつな形で愛が変質したエネルギーなのであなたの本質では
ないのです。
怒りを自分の中に留めると、その残ったエネルギーが同じような状況、
環境、エネルギーを引き寄せます。
「なぜか知らないけどいらいらする・・・。」という状況がこの状態です。
怒りを感じることが悪いことではありません。
愛を求めるあなたの当然のエネルギーです。
ただ、これは分離意識を持っている細分化されたあなたが感じている
エネルギーであり、あなた本来のエネルギーではないのです。
あなたはもとは1つの宇宙だった・・・。
でも、一人では退屈だ・・・。
自分を細分化していろいろな個性を作り出した。
仲間が増えてすごく楽しくなった。
でも、もっと興奮するものが欲しい。
今のままでも喜びは手に入る・・・。
でも、もっともっと大きな喜びを手に入れたい・・・。
そこで自分を細分化しただけでなく、もともとは1つであるということ
まで忘れてしまった。
本来であれば、まるで自分の部屋の中にいるかのように何でも手に入る
はずなのに、そういったことまで忘れてしまった。
おなじものを手に入れるのでも、すぐに手に入るものよりも、なかなか
手に入らないものを努力の末に手に入れたほうが喜びは何倍も大きい。
なんとエキサイティングなんだ!!
そうしているうちに、ますます不利な状況からスタートするように、
ゲームは難易度を増していった・・・。
そうしているうちに自分がもともと1つであったことは完全に忘れて
しまい、逆にフラストレーションが溜まる結果になっていった・・・。
「おかしい、もっと愛されていいはずなのに・・・。」
あなたの本質は自分がもっと愛されるべきだと分かっている・・・。
でも、自分がもともと1つであることを忘れたあなたには愛を求めて
奮闘するしか手がない・・・。
愛の力は大きい・・・。
世界を動かすほど巨大だ・・・。
愛はあなたの本質であり、あなたの命だ。
この大きな世界の生命を維持するために、巨大な力を発揮する。
でも、怒りは分離意識を持った個人的なエネルギーであり、破壊的だ。
愛の大きさからみれば大したことないが、細分化したあなたから見れば
脅威の破壊エネルギーだ・・・。
このようなエネルギーを頻繁に外に出すにはためらいを感じてしまう・・・。
なによりも怒りのエネルギーは自分の体を消耗してしまう。
あなたはだんだん怒りを溜め込むようになっていった・・・。
でも、お話ししたように怒りはあなたの本質的なエネルギーではなく、
溜め込むことは不可能なのです。
怒りの原因を無理に探し出す必要はありません。
このようなことをして怒りに焦点を当ててしまうと、さらに怒りが
怒りを呼んでしまいます。
でも、なにかに怒りを感じたとき、それから逃げずに感じきってみてください。
「あいつが●●●だから、こんなことになったんだ!!」というような思考は
なるべく使わずに、その時に自分が感じたフィーリングそのものを感じてみる
のです。
そして、そのエネルギーに注意を向けることができなくなったら、それで
終了です。
自分の握った拳を上に向けて開き、そこから黒くよどんだエネルギーが
上に向かって出て行くかのように放ってあげてください。
昇華して別のエネルギーに変わります。
「さようなら・・・。 いままでありがとう・・・。」
まだ、気持ちの中にくすぶるものがあるのであれば、もう一度おなじことを
してあげればいいでしょう。
完全にゼロになるまで神経質になってしなくても大丈夫です。
あなたが喜びの方向へ向かっていけば、残った小さなエネルギーは
流されていきます。
変に焦点を合わせてしまうと、より強化してしまうことを忘れないでください。
怒りは感じてもかまいません。
むしろ認めてあげてください。
もっと愛が欲しいというあなたの心の叫びなのです。