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夕占日記(ゆううらにっき)

夕方、辻に立って往来の人の話を聞き、それによって吉凶・禍福をうらなう

コードを侵犯する

2007-04-19 | Weblog
(17)

 ABA BAB
 ABA BAB
 ABA BAB BAB BB B A
 BBBBBBAAAAAABBBBBB
 BAAAA
 AA

 アダムの詩は解放された語の舞踏となって爆発した。だが不正確な語を作り出したと認めるその瞬間に、アダムは、それ以外の語がなぜ正確であるかという理由を、よりよく理解しうるようにもなる。そのコードを支配する生成規則(X,nY,X)は、彼には今や明らかに思われる。コードを侵犯する瞬間においてのみ、彼はその構造を理解する。


---ウンベルト・エーコ 「開かれた作品」 青土社

十五ないし二十レグア

2007-04-03 | Weblog
 この地方一帯には、天にも達するかと思われる高い山々がそびえ、その高さも美しさも、テネリーフェ島の山とは比べものにならず、どれも皆青々とした樹木に蔽われ、すばらしい眺めを呈していた。そしてこの山々の間に、非常に優美な平野が拡がっていた。この港の奥に当る南の方には、視野をさえぎる山もなく、どこで尽きるのかも判らないほど広大な平野がつづいていた。それは十五ないし二十レグアはつづいているようだったが、その真中を川が流れていた。

---「コロンブス航海記」村屋永吉訳・岩波文庫

断片を一次元に配置

2007-03-31 | Weblog
 1 人間は、他を無視することで特定のものを認識し、その認識したものを断片化して自らの思考の枠組みにはめ込み、一次元に配置する。この能力により、人間は心理的時間を感じることができるようになったと考えられる。
 2 人間は、世界を対象物ととらえ、その断片の一つ一つに言葉やシンボルをあたえ、さらにその言葉やシンボルを文章にすることで思考力を培っていったと考えられる。
 3 人間は、全世界のなかから一断片に注目し、それに意味を与えることで認識し、さらにその認識された断片を人間の思考形態にあてはめた。これにより、心理的時間が生まれ、想像力が培われたと考えられる。
 4 人間は、自らの神経回路を意図的に操作することで世界を断片化し、さらに、その断片を一次元に配置することで想像力を培うことができたと考えられる。そして、文章は、人間が想像力を培う過程で生み出されたと考えられる。
 5 人間は、特定の小断片に意味をあたえて認識し、その断片を一次元上に並べることで、思考力を培ったと考えられる。これにより、人間は文章の作成が可能となった。

 解答…1  (平成13年度-出題例)


「地方上級公務員試験」 東京アカデミー
http://www.tokyo-ac.co.jp/koumuin/kc-kyoyoEX1.html

ねずみ鋳鉄

2007-03-31 | Weblog
ねずみ鋳鉄の中にある黒鉛は花片が集合したような形をしているので、これを片状黒鉛という。片状黒鉛鋳鉄は振動を吸収する能力つまり減衰能が優れている。また黒鉛は潤滑剤的な役割を演じ、熱伝導が良いので摩擦熱を逃がしやすい、弾性係数があまり高くないなどで耐磨耗性が良い材料である。この特性を生かして軸受、歯車、ブレーキシューなど耐磨耗部品としても使われる。

鋳造データベース
http://unit.aist.go.jp/dmrc/db-dmrc/casting/gairon/text_06.htm

全人類

2007-03-31 | Weblog
エストラゴン こいつ一人で全人類やってる。(沈黙) ごらん、あの小さい雲。
ウラジミール (目を上げ) どこに?
エストラゴン あすこだ、空のまん中。

---「ゴドーを待ちながら」 ベケット/安堂信也・高橋康也訳

ピー

2007-03-31 | Weblog
あんた今も言うたように、初めからしまいまで、わけわからん 『ホガホガホガホガ、ホガホガピー、ホガホガホガホガ、ホガホガピー』って、あの 『ピー』 はなんやねん、『ピー』 は。人は 『ホガホガ』 言わはるけど 『ピー』 は言われへんわいな、ほんまにもう。あんただけや、ちょいちょい間に 『ピーピー、ピーピー』 入んのは、ほんまにもう。

---「桂枝雀爆笑コレクション1 スビバセンね」 ちくま文庫

多対1変換

2007-03-27 | Weblog
(1) 直線 x+2y=1 上のすべての点を1点 (3,5) にうつす1次変換 f を表す行列を求めよ。
(2) (1) の1次変換 f により平面全体はどのような図形にうつされるか。


「アンカー数I・基解・代幾演習」実教出版

オン・ザ・コーナー

2007-03-27 | Weblog
 一般に、これはマイルスが「音楽はリズムだ」宣言をぶちあげた作品とされているが、そうではない。よりリズミックではあるが、ひとつのリズムがふたつになり……といったふうに、あるリズムが別のリズムを呼び起こしながら、しだいにひとつのメロディーなりリフなりを形作っていく。何本もの小さな水の流れがやがてひとつの大河になっていくような、じつに壮大なスケールを誇る作品なのである。

「マイルスを聴け2001」 中山康樹

時間貯蓄銀行

2007-03-27 | Weblog
「われわれがいることも、していることも、だれにも知られてはいけない……われわれはどんな人間の記憶にも残らないように気をつけている……知られないでいるあいだしか、仕事ができない……むずかしい仕事だ、人間から生きる時間を一時間、一分、一秒とむしり取るんだからな……人間が節約した時間は、人間の手には残らない……われわれがうばってしまうのだ……貯めておいて、こっちのために使うのだ……われわれは時間に飢えている……ああ、きみたち人間ときたら、じぶんたちの時間のなんたるかを知らない!……だが、われわれは、われわれは知っていて、きみたちの時間をとことんまでしゃぶりつくすのだ……それも、もっともっとたくさん要るようになる……もっともっとだ……われわれの数がふえているからだ……もっとたくさん……もっとたくさん……」

「モモ」 ミヒャエル・エンデ/大島かおり訳/岩波書店