goo blog サービス終了のお知らせ 

夕占日記(ゆううらにっき)

夕方、辻に立って往来の人の話を聞き、それによって吉凶・禍福をうらなう

下品な社会民主主義

2007-09-18 | Weblog
 日本の場合、官僚の力を肥大させないために下品な社会民主主義をとった。つまり公共事業を通じ、地方土建業に仕事を回すことで、結果として公平配分を担保した。この下品さは、中央のエリート官僚から国民一人ひとりの自由を守るための必要悪だったと私は考えています。

---佐藤優「国家の自縛」産経新聞社/2005

あの路

2007-09-18 | Weblog
「あの路へ歩いてゆきましょう。あの路へ歩いて出ましょう。私達はどんなに見えるでしょう」
「ええ、歩いてゆきましょう」華やかに母は言った。「でも私達がどんなにちいさく見えるかというのは誰が見るの」
 腹立たしくなって私は声を荒らげた。
「ああ、そんなことはどうだっていいんです」

---梶井基次郎 「闇の書」(青空文庫)

一三歳までにほぼ完了

2007-09-15 | Weblog
 多くの文化にまたがる人間的伝統の重味が、基本的な文化適応は一三歳までにほぼ完了していなければならないという見解を基底から支えている。その年齢でカトリック教徒は堅信式を受け、ユダヤ教徒はバル・ミッヴァの成人式を行ない、部族民の男子女子は部族の一員になる通過儀礼を受ける。人類学の記録によると、『人間関係地区ファイル』(人類学上の標準的な資料)に教育方法が記録されているどの文化でも、伝統を受け継ぐために幼少期の暗記力を利用してきたことが分かる。

---E・D・ハーシュ「教養が、国をつくる。」中村保男訳

A感覚から分岐

2007-09-10 | Weblog
というのはかの女らにはV感覚があって、これが仲介になるからですが、僕に云わせると、そのV感覚とはじつはA感覚から分岐したものに他なりません。だから、あの人のおしりは格好よいとか、あの汽船の後部の曲面は何とも云えない、スクルーの白波が盛上っているあたりが豪奢だねとか云うのは、すべてA感覚を根拠にしているのです。ひろく椅子や腰掛類への関心だってその通りで、それが何であってもともかくそこにあるものの上におしりをおいてみたいというのは、A感覚が自己証明としてそのように唆(そそのか)すからに他なりません。僕はいつの頃からか、ある種の男性の相貌中に、それがV感覚への顧慮でもなければP感覚の悩みでもないような、翳(かげ)りをよみ取っています。

---「A感覚とV感覚」稲垣足穂

5員鎖がどうしても必要

2007-09-10 | Weblog
炭素原子60個を並べるのに、6員鎖をいくら並べても球にはならない。5員鎖がどうしても必要である。フラーレンの発展としてカーボン・ナノチューブがある。これは細長いチューブ状になっていて、植物の茎を連想させる。ナノチューブの先端は凸になっていて、5員鎖が存在する。

---西山豊/自然界にひそむ「5」の謎/筑摩書房

統合のトリレンマ

2007-08-31 | Weblog
 一九九九年五月に米財務長官になった元財務副長官のローレンス・サマーズ(Lawrence Summers)は、「統合のトリレンマ」という表現を多用している。つい最近までは国際政治経済では、統合、公共政策、国家主権といった三つの目標をどう折り合いをつけるかに腐心していた。しかし、この三つはなかなか折り合いをつけるのが難しかった。これは為替管理の困難さにもっとも集約されている。

---本山美彦「売られるアジア」新書館・2000

言語獲得装置

2007-08-29 | Weblog
言語獲得装置
language acquisition device, LAD

 実際にわれわれが話す言語が多種多様に見えるのは、普遍文法のパラメーターに自由度があるためである。言語獲得とは、生得的に持っている言語の「原理(principles)に基づきながら、母語に合わせてパラメーターを固定していく過程(「パラメーター・セッティング」と言う)と見なせる。例えば、日本語では、 l と r の音を区別するというパラメーターは必要ないが、英語では必要である。

「言語の脳科学」酒井邦嘉・中公新書・2002

鳥たち

2007-08-29 | Weblog
フランチェスコが自分の話を聴くよう鳥たちに求めると、すぐに鳥たちは従った。「それらすべての鳥は聖人の周りに輪を作ると、静まりかえったまま半日のあいだ、神の人の言葉に聴き入った。それぞれの場所を動くことなく、眼を常にフランチェスコの顔に向けていた」。

---フルゴーニ「アッシジのフランチェスコ」白水社・2004

分散協調型

2007-08-29 | Weblog
従来の多体軌跡推定アルゴリズムが全センサからの情報を中央の1プロセッサに集約して集中型の処理を行っていたのに対して,本研究では複数プロセッサを用いて分散協調型探索を行う分散協調型多体軌跡推定システムを提案する.このシステムではセンサ情報を近傍プロセッサのみに送り,プロセッサ間で中間推定結果を適宜通信交換しながら処理を進める.

「分散協調型多体軌跡推定システムの開発」吉田紀彦(九州大学)
http://vision.kuee.kyoto-u.ac.jp/CDVPRJ/REPORT97/node24.html

トートーメー継承

2007-08-29 | Weblog
 トートーメー継承問題に関わる様々な禁忌を見る限り、そこに崇拝・憧れの対象としての女性像を見出すことは難しい。禁忌のひとつには、女性は、女性であるという理由から、トートーメーを継承することができないとされている。すなわち、「イナググヮンス」の禁忌である。「イナググヮンス」とは、女性が位牌を持つことはおろか、婿養子を迎えて女性が位牌の継承者になることも禁忌とする、男系優位的な継承を強固に主張するものである。

---「沖縄ポップカルチャー」東京書籍・2000

火曜日ごとにくしゃみ

2007-06-19 | Weblog
「あなたは誰だと思っているの?
 そしてなぜねずみは?
 昨晩どこで寝たの
 どうして火曜日ごとにくしゃみをするの?
 ネズミの墓が人の墓より深くないのはなぜ?」


「ネズミのなぞなぞ」
(ナッセン「ルース・クロフォード・シーガー/ポートレート」)