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夕占日記(ゆううらにっき)

夕方、辻に立って往来の人の話を聞き、それによって吉凶・禍福をうらなう

一〇人から一五人

2007-10-28 | Weblog
誰かの親友であるためには、最低限それなりの時間が必要になる。ところが、ある限度を超えると感情的負荷がかかる。誰かを深く気づかうのはたいへん労力のいることだ。一〇人から一五人までの間のどこかで、過剰負荷が始まる。

---グラッドウェル「ティッピング・ポイント」高橋啓訳

「作品 ポ」

2007-10-27 | Weblog
〈たかいたかーい たかーいたかい たかいたかーい たかいたかい ポ
 カタイカタイ カタイカタイ カターイカターイ カタイカターイ ポ
 たかいカタイ カタイたかい カタイたかい たかいたかい カタイポ
 ポ カラッポ カラッポ カラッポカラッポカラカラ カラ カラッポ
 たかく たかーくたかーく たかくたかく たかーくたかく たかくポ
 もとめるポポわかれるポポやぶれるポポみつめるポポしずむポポポ ポ
 カタク カタク カタク カタク カタークカターク カタクカタクポ
 たかくカタクカタク たかくカタクたかく たかくたかく カタク ポ
 ああああ あがるあがる くくくく くーらくらく あがーるくらくポ〉


---「作品 ポ」新国誠一
(斧谷彌守一「言葉の二十世紀」所収)

プロクラステス回転

2007-10-21 | Weblog
また,それらの因子がもつ意味を,既に求められているシニア旅行者の選択要因の結果と比較しながら解釈を行うため,プロクラステス法を用い,シニア旅行者について求められた因子負荷行列の布置に近似するよう,非シニア旅行者の因子負荷行列の布置の座標軸を回転させた.

「ハワイにおける日本人シニア旅行者の旅行先選択要因に関する分析」大方優子
http://www.ftokai-u.ac.jp/bulletin/2005/2005okata.pdf

デリーにいたころ

2007-10-21 | Weblog
 またデリーにいたころ、ある日、国王からお召しがあった。参内して見ると、一室に多くの近臣や二人の魔法師と一緒におられた。「この方は遠国から来られたのだ。何か珍しいわざをして見せよ」と言葉がかかると、魔法師は「はーっ」と答え、その一人が蹲(うずくま)ったかと見ると、すっと床から身体を浮かして、われわれの頭の上のところに、そのままの姿勢でとまっていた。わたくしは、全身に冷水を浴びたような恐怖心を感じて、意識を失って倒れた。国王が侍臣に命じ用意の薬をのませてくれたので、やっと意識をとりもどして坐った。ところが、かの魔法使いは、さっきと同じ姿勢で、宙に浮いていた。

---「三大陸周遊記(抄)」イブン・バットゥーダ/中公文庫

商品の番人

2007-10-21 | Weblog
 商品は、自分で市場に行くことはできないし、自分で自分たちを交換し合うこともできない。だから、われわれは商品の番人、商品所持者を捜さなければならない。これらの物を商品として互いに関係させるためには、商品の番人たちは、自分たちの意志をこれらの物にやどす人として、互いに相対しなければならない。

---マルクス「資本論」国民文庫

あるぴの、おぴるころ

2007-10-13 | Weblog
「あるぴの、おぴるころ、ぴとでいっぱいの、パスのなかで、わたぴは、あるぱかものを見かけた。くぴがぴょろ長くて、リポンの代わりに、あみぴもを巻いた、ぺんなぽうしを、かぷっている……」

-朝比奈弘治「訳者あとがき」(クノー「文体練習」朝日出版社)

特定の個人

2007-10-10 | Weblog
子供や、あるいは孫も、われわれとどこか似た点をもってはいよう。たとえば顔の造作が似ているかもしれない、音楽の才能が似ているかもしれない、あるいは髪の毛の色が似ているかもしれない。しかし、世代が一つ進むごとにわれわれの遺伝子の寄与は半減してゆくのだ。その寄与率は遠からず無視しうる値になってしまう。われわれの遺伝子自体は不死身かもしれないが、特定の個人を形成する遺伝子の集まりは崩れ去る運命にあるのだ。

---ドーキンス「利己的な遺伝子」紀伊国屋書店

その男

2007-10-10 | Weblog
 相模の彦十が差し出した手紙を、その男が二度三度と繰り返して読む間に雷鳴が頭上へ近づいてきて、たちまち、叩きつけるような雨となった。
 その男の名を、
「籠滝の太次郎」
 と、いう。

---池波正太郎「鬼平犯科帳・高萩の捨五郎」

ゼロのサイクロシス

2007-10-03 | Weblog
次に、これらの交差する面を引き離して、脇から見て、二つの線が作った二つの双曲線状の分枝と見なすようにする。そしてこの枝が延びて、完全な円状の面を作るようにする。そうするとこの面はもはや、その無限遠点においても元の線を切断することがない。われわれは最終的に卵状の立体を手にしていることになるが、それはトピックスの観点からは、球と同じものである。かくして、ゼロのサイクロシスに第二性がいかに関与しているかが示された。

---パース「連続性の哲学」岩波文庫

九月二八日

2007-09-28 | Weblog
九月二八日

 夜明けに、ちっぽけな遠征隊はポカラ郊外の大きなイチジクの木の下でおちあう ---- 二人の白人と四人のシェルパ、一四人のポーターだ。シェルパ族はネパールの北東部、ナムチェ・バザール付近に住む有名な山岳民族で、その男たちは偉大な峰々の登頂に同行する。彼らは仏教徒の牧夫であり、ここ数世紀のあいだに東チベットから南下してきた。シェルパとはチベット語で「東の人」を意味し、彼らの言語、文化、風貌はどれをとってもチベット起源のものとわかる。ポーターの一人もチベット族で、もう二人はチベット難民、あとはアーリア人とモンゴル人の混血である。ほとんどみな裸足で、ボロボロの半ズボンか、大きな尻当てのついたジョドプール風のズボンをはき、古びたベストとショール、帽子を思い思いに身につけている。

---「雪豹(ゆきひょう)」マシーセン/芹沢高志訳

意味妨害

2007-09-25 | Weblog
チャネル・ノイズとは (1) の場合のように、他の流し手から出る情報伝達の阻害要因で、広告コミュニケーションの場合は競争広告主の広告メッセージにあたる。セマンティック・ノイズとは、(2) の場合のように送り手と受け手の経験領域の差からメッセージ、つまり、シンボルの持つ意味(meaning)に誤差が生じることで「意味妨害」ともいわれている。

---「広告の理論と戦略・第13版」清水公一/創成社