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ひたむきってどっち向き?

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救命処置講習会おさらい(死戦期呼吸)

2015-09-18 21:17:44 | 行政
実技講習後のフリーディスカッションで習った死戦期呼吸について説明しておきます。
※AHA(アメリカ心臓協会)のファミリー&フレンズ準拠。

【死戦期呼吸とは】
突然の心停止から数分のうちに生じることがある正常ではない呼吸
・死戦期呼吸をしている人は、通常、非常に速く空気を吸い込む。また、口を開けて顎、頭部、または頸部を動かすことがある。
・死戦期呼吸は力強く見えることもあれば、弱々しく見えることもあり、通常は呼吸のテンポが遅いために、呼吸と呼吸の間にしばらく間があく。
・死戦期呼吸は、鼻息、いびき、あるいはうめきのように聞こえるかもしれない。

死戦期呼吸の一例 (参考)LaerdalMedicalJapan

【死戦期呼吸をしている場合の対応】
・傷病者が呼吸をしていないか、正常な呼吸が認められない(=死戦期呼吸のみ)の場合は、心肺蘇生を開始する必要がある


【日頃からトレーニングしておくべきこと】
・死戦期呼吸は浅かったり深かったり、短かったり長かったりと多種にわたるが「正常ではない呼吸」であるため、まずは正常な呼吸がどんなものなのか、家族や自分の呼吸を観察してみる。
・就寝時やリビングでくつろいでいる時に、正常な呼吸時に体がどのような動きをしているのか、ほんの些細な動きであるだろうが注意して観察してみる。
「呼吸をしているか」ではなく「正常な呼吸をしているか」を判断できるようにする
・呼吸をしているように見えても正常な呼吸ではない場合、直ちに心肺蘇生を始めなければならない(死戦期呼吸だと思って心肺蘇生を始めたが心停止していなかった場合は心肺蘇生を中断すればいいだけ。何もしないほうが害がある)。


【実際に学校で起こった不幸な事故】
以前にブログ「子どもたちの命を守るために~ASUKAモデルへの想い~」でも取り上げたが、学校や部活動において突然の心肺停止により若い命が失われるケースもあれば、適切な心肺蘇生を行ったおかげで助かる命もある。その際、心肺蘇生を始めるためには「死戦期呼吸」を見極めることが一般人にも必要となってくる。
【ASUKAモデルとは?】
2011年9月、さいたま市の小学校で6年生の桐田明日香さんが駅伝の課外練習中に倒れ、死亡するという事故が発生。 明日香さんが倒れた直後、死戦期呼吸(あえぎ呼吸)があったため、先生方は「呼吸がある」ととらえ(=心肺停止と思わず)、心臓マッサージもAED処置も行なわれず、救急隊員が到着するまで救命処置が遅れた。
二度とこのような悲しい事故が起こらないよう、御遺族や市教育委員会が専門家の助言のもと作った体育活動時等における事故対応テキストが「ASUKAモデル」である。

【参考】PUSHプロジェクト メッセージビデオ
あなたにしか救えない大切な命 ~君の瞳とともに『ASUKAモデル版』公開にあたって
http://aed-project.jp/movies/movie5.html

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