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宝石

宝石の買い方等を素人の方に分かりやすく。

ダイヤモンドの輸入

2015-04-19 15:48:39 | 専門家
サイトで得たダイヤモンドの原石は、大きく分けて原石のままノンサイトホルダーへ販売され研磨されるものと、サイトホルダー自社で研磨されるものがあります。

いずれにしろ、原石を購入した業者は原石のまま転売するか、研磨石(ブリリアンカット等に完成されたもの)にして取引されます。

私は宝飾品としてすぐ使用できる研磨石を買い付けておりました。
それらはどのように取引されるかと言いますと、一例ですが業者でこちらの要求を言うときは「ラウンドの0、3ctサイズの$2,000前後のもの」これだけです。細かい仕様は次のステップで告げます。

皆さんもご存知の通りダイヤの品質は「色」「傷け(内包物の多さ)」「大きさ」「カット(形状)」に分けられています、膨大な種類です。それをこちらが欲しいものに絞るには何度かやり取りが繰り返されます。

一般的に最初は「カット」で丸(ラウンドブリリアンカット)かファンシーカットなのかを提示。次に「大きさ(ct)」、価格と進みます。低い価格帯では同じ価格でも「色」が良くて「傷け」が悪いもの、「色」が悪く「傷け」がいいものとあります。

金庫から出されたものを、1pcずつルーぺで「傷け」が必要とするグレードか確認、次に基準の色として携行しているダイヤと比べ、必要としている色の上か下かを分別します。「カット」は専用の機械にかけ判別します、一日中これの繰り返し。
人間の集中力は長時間続きません、間違えずに仕入れるには適度な休憩を取らなければなりません。自分で選別したものを見直すと、なんでこんなものを選んだんだろうと思われる石(ダイヤ)があることも少なくありません。バイヤーというと格好いいかもしれませんが、その実態は地味な神経の疲れる仕事です。ダイヤの選別、価格交渉とハードな仕事が続きます。

それらの内容は次回お話しさせていただきます。


宝石(3)サイトホルダー

2015-02-25 15:35:58 | 専門家
三回目の投稿です。
 今回はダイヤモンドのサイトホルダーについてお話しさせていただきます。
と言いましても皆さんは既にネット検索等でサイトホルダーに関する知識はお持ちでしょうね、そこでここでは私が現役時代に取引していたサイトホルダーを通じて得た現実的なお話をします。

 サイトホルダーはDTC(ダイヤモンドトレーディングカンパニーの略)からダイヤの原石を、年10回開催されるサイトで購入します。サイトの意味は読んで字の如しで、「見る」だけです。ダイヤの大きさ/品質/量はDTCが決め、ピンからキリまで入っているボックスをまるまる購入しなければなりません。パスすることもできますが、パスしないサイトホルダーと同様に扱われるかというと、必ずしもそうではないようです。
 サイトホルダーになるにはとても厳しい審査基準があり、それにパスしなければなりません。事業計画・財務状況・販売力などが優れていることは言うに及ばず、デビアス社との繋がり、ダイヤモンド業者としての歴史も大きく影響します。
 そしてそのボックスは全てのサイトホルダーに同じものが渡るかというとそうではありません。サイトではサイトが行われる部屋の場所や部屋の中の席順がサイトホルダーの格を表しているとも言われます。大手はDTC幹部の席の近くに、内容の良いボックスが用意される等、まさに格差社会です。平たく言えばデビアスに気に入られるような会社でなければ、いい思いはできないということです。何度もサイトホルダーに挑戦して果たせない会社は数知れません。

 実はサイトホルダーが購入するのはDTCではなく、その中間にディーラーと言われる三社があり、必ずそこを通して取引が行われます。ディラーは右から左へ品物を流すだけでコミッションが得られる、非常に特別な資格を持つ会社でいままで不変です。サイトホルダーになるためにはその三社のいずれかに認められなければなりません。

次回は、サイトで供給されたダイヤの原石がどのような経過を経て市場に出てくるかをお話ししましょう。

サイトで得た原石は、原石のまま研磨業者へ販売されるものもあり、サイトホルダー自社で研磨されるものがあります。

宝石(2)

2014-12-17 16:10:26 | 専門家
八月に「ダイヤモンド選びって難しい?」というブログを書き、週一程度に投稿するつもりでいたのですが、怠けてしまいました。
また、ブログそもそもの扱いに不慣れで、ついつい書きそびれてしまったのも事実です。言い訳が長くなりましたが始めます。

まず皆さんの興味は「どんなダイヤモンドが良いの」「どうすれば本当に良いものを手に入れられるの」という事ではないでしょうか。
結論を先に行ってしまうと、「なぜそうなの」「どうして?」という疑問が出てしまうと思いますので、ダイヤモンドが日本の宝石店に商品として並ぶ迄を順を追って説明していきたいと思います。それを理解していただくと、「なるほど」「そうなんだ」と思っていただけるのではないでしょうか。

原石が産出されるダイアモンド鉱山は大きく、アフリカ大陸・ユーラシア大陸・カナダが挙げられます。「南アフリカ」で産出され「デビアス(De Beers)がコントロールしている」という事をお聞きになった事があるかもしれませんが、今は独占的な状況ではなく、原石は広範囲で産出され取引されています。

原石の流通は大きく二つ、1つはデビアス社が行っているシステマティック形と、もう一つは全くの自由市場。
デビアス社は、財務的にも営業的にも優れた会社を選別し、それらの会社のみに原石を供給する、その会社はサイトホルダーと呼ばれ特別な存在です。
サイトホルダーはダイヤモンド社会で選ばれた会社と認識され、大きな信用を得ています。会社の広告や社員の名刺にはサイトホルダーである証明の特別なロゴが誇らしげにプリントされている事からも伺えます。

では、サイトホルダーがどんな役割を果たしているか、その概要を次回お伝えしたいと思います。