鞦韆院落

北京で過ごすインディペンデント映画な日常

山形日記2

2009-10-22 02:21:22 | 映画祭報告
ホテルが会場から少し遠いし、料金も安くないので2日目は某ホテルチェーンへ移動です。
ここがなんとシングル1泊3,980円という激安ぶり。
山形って物価安いんですね。
部屋は普通だし、ちゃんと禁煙ルームだし、そのうえキャンペーンにつき有料チャンネルが見放題(連日寝不足だったのは別にそのせいじゃありません)。
中国から来た監督のひとりにそれを言うと、「俺のホテルは2分しか見られなかった」と残念がっていました。


日本の作品を見た後、午後に『麗江で鷹を放つ』を鑑賞。
これは香港の監督によるもので、雲南の麗江で伝統として続く鷹狩りを楽しんでいるナシ族の人々を撮った映画です。



すっかりテーマパークのようになっている麗江古城の中で、今でも鷹の売買が行われていることに驚かされます。
ナシ語の台詞に一切字幕が付いてないことからもわかるように、監督はこの地域にあまり入りこんでおらず、やや浅い印象は否めません。
鷹が獲物を捕える決定的な瞬間を捉えているわけでもないので、映像的な物足りなさもあります。
テーマそのものが面白いのと、登場人物たちに救われている感じがしました。


その後は黄偉凱監督の『現実、それは過去の未来』へ。
祭日だったこともあってか、これが通路にまで人があふれるほどの超満員。
私は関係者パスをもらっていたので、普通のお客さんに遠慮して入るのをやめ、Q&Aから入場しました。
この映画は昨年の南京で関係者からDVDをもらっていて見ていたのだけど、当時はまだ英語タイトルも違ったし、今より長いバージョンでした。
いろんな人がニュース映像としてテレビ局に売りつけるために撮ったテープを集めてつないだものです。
全編白黒で、画像も荒く、編集の順序もバラバラな映像の中に、事故などの何とも妙な光景が繰り広げられていきます。



Q&Aでは白黒にした理由や音の使い方など技術的な質問が多く出ていました。
100時間にも及ぶニュース映像を編集し、様々な事故や事件の映像を見ているうちに、かなり精神的に疲労してしまい、レストランで通り沿いのガラス付近に座っているとトラックが突っ込んできそうな強迫観念に襲われたと話していたのが印象的でした。


それが済むと部屋に戻って洗濯。
寝不足なのでベッドに横になっていたら、雲南出身で今は香港の大学で中国インディペンデント映画の研究をしている大学院生から電話があり、一緒に夕食を食べようとのこと。
でも、山形ってレストランそのものが少ないうえ、閉まるのが早いんです。
まるで中国の東北みたい。
仕方なしにその辺のラーメン屋に入って、激辛ラーメンをごちそうすることに。
彼女は壁にかかった「おしん」の主演女優のサインに感激し、写真に収めていました。

その夜はかつて山形映画祭で使っていたミューズという映画館が閉館したため、そのお別れパーティーがありました。
審査員で来ている呉文光をはじめ、多くの人たちが参加してました。
それが終わると、日本人の若手監督たちと10人くらいでバーに移動し、4時まで飲酒。
連日4,5時間しか寝ないのは、さすがに疲れます。

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