鞦韆院落

北京で過ごすインディペンデント映画な日常

天津日中独立映画上映会 最終日

2012-11-26 01:23:46 | 上映イベント
いろいろ心配の耐えなかったイベントも、ようやく最終日。
大きな問題もなく、ホッとしています。

朝10時から『我故郷的四種死亡方式』が始まりました。
お客さんの入りは前日ほどではなさそうだけど、それなりに席は埋まっているかなといった感じ。
監督が来ていないので、司会の崔子恩は上映後に会場にいる人を前に上げたりしながら、観客同士で意見交換をさせていたようでした。

その後、崔子恩が北京に帰ってしまったり、でも入れ替わるように顧桃がやって来たり、影迷幼児園の人が来たり、それなりに賑わいを保ちつつ、午後の上映となりました。
午後の1本目は濱口竜介監督の『なみのおと』の上映です。
140分と長い作品なので、途中で出入りする人も多かったし、顧桃などは寝てしまったそうですが、四川の地震を経験した中国人としては震災物に関心が高いようで、最後まで熱心に見ている人が多かったです。
驚いたのは、濱口監督がずっと上映を見ていたこと。
何度も見てきたはずなのにそれでも見直そうというのは、制作に対する貪欲さの現れなのでしょうか。

中国にも震災ドキュメンタリーは多いのですが、その多くは政府の責任を問うタイプのもので、『なみのおと』のようなタイプはあまりないという感想がよく聞かれました。
ただ、私が思ったほどQ&Aでの質問は出てきませんでした。
想像してたのと違ったりしたんでしょうか。



続いて、やはり濱口監督の『PASSION』が上映されました。
監督は中国人に伝わるかどうか気にしていたようでしたが、受けはかなり良かったです。
顧桃は「俺は劇映画はほとんど見ないけど、この映画は素晴らしい。こういうのは中国人には作れない映画だ」と言っていて、電影学院などでも上映するべきだと言ってました。
私もこの映画を選んだ理由のひとつが、テーマに偏りがちな中国のインディペンデント映画にはないタイプの、練られた脚本の上手さが光る作品であり、こういうものをもっと中国の人たちに見せたいと感じていたので、想像通りの反応が得られてよかったです。

でも、観客の質問には私が思っていたのとはまったく違う反応もありました。
他の映画についてもそうだけど、宋荘などにくらべて感想がやや幼稚というか、こういうタイプの映画を見慣れていない人が多いんだろうなと思わせるものもあって、それは地域性というか、映画環境が整ってないせいなんだろうなと感じました。
それは中国の監督も感じていたようです。
そういう意味ではもっと目の肥えている宋荘の観客がどんな反応をするかが楽しみです。

とりあえず、これで天津でのイベントは終了なので、ひとまず安心したところです。
特に事故もなかったし、来てくれた監督たちにも喜んでもらえたようなので。
それにしても王宏偉は初日から来ていたくせに、酒ばかり飲んで日本映画を1本も見てませんでした。

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