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やっぱりリース会計、資産計上へ ―企業会計基準委員会が一本化

2005-10-19 | 会計・株式・財務
やや古いネタですが、余り詳細な解説記事がないようなので、
このブログでサクットご紹介します。

15日の日経企業財務面に小さく記事が載っておりましたが、
以前、私のブログでは「今度は本気かも」と予想していた動きでして、
サプライズはありません。

14日の企業会計基準委員会では、
原則処理である「売買取引に準じた処理」例を示しておりまして、
今後、リース会計専門委員会で詳細を詰める、といった流れに
なっているようです。

その注目の会計処理方法は複数示されていますが、
ここでは、リース業界が最も注目している借り手
(リース会社にとってお客様)の会計処理を
2パターンご紹介します。

一つをA案としますと、A案は
所有権移転外ファイナンスリース取引の原則処理と同じものです。
すなわち、減価償却相当額は、リース期間又はリース物件の耐用年数
にわたり、定額で費用計上。
一方、支払リース料に含まれる利息相当額は、リース期間にわたり
逓減的に費用計上するものです。


もう一つをB案としますと、B案は、利息相当額を、逓減ではなく、
「定額」で計上する方法です(減価償却相当額の処理は上と同じ)。


後者の方法ですと、償却期間をリース期間に設定することが可能であれば、
費用そのものは、現行の「賃貸借処理+注記」で費用計上される
支払リース料と同額になりますので、この金額が税務上損金と認められれば、
借り手にとって実務上負担が軽くなるはずです。


つまり、B案が新ルールとして認められ、かつ税務上損金処理が
認められれば、これまで借り手が享受してきたリースのメリットが
大きく損なわれることはないのではないか、と思うのです
(もちろん、オンバランス化でROAの低下など、財務効率は
見かけ悪化しますけど)。


もちろん、これも条件付のお話なので、今後も動向に留意は必要ですが、
リース業界にとって過度にネガティブな話ではないのでは?、
というのが現在の私の意見です。

引き続き「税務」が最大のポイントであることには変わりません。
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