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グッドウィルのill will(悪意)? -クリスタル子会社化問題に思う

2006-11-26 | 事業再生・M&A

数日間、失礼しました。


少し古い話ですが22日にグッドウィルが訂正リリースを出しておりました。
例のクリスタルを連結子会社化した時期は実は、11月17日ではなく、
10月31日であったということです。
 http://www.goodwill.com/gwg/pdf/20061122152502.pdf

だとすると、
私が前回懸念を示した「空白の18日間」
(公式発表日は11月18日だったので18日としています)に
焦点が当たるのでしょうし、当てるべきでしょう。


正直、お粗末すぎますよ。この開示姿勢は。




で、これだけではモノ足らないので、
少々補足情報を(自分のために)まとめておきます。

丁度、雑誌を整理しておりましたら週刊東洋経済06.10.14号p.16に
「製造業の歪みが育てたクリスタルの“実像”」という記事がありましたので、
この中から私が興味を持った点をかいつまんで要約。

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■グループ全社は事実上、クリスタル社が1人株主。
 創業者の林氏が圧倒的支配株主。   
 同氏の意思が全社で貫徹されるようにグループ企業の企業統治が
 行われており、グループとして上意下達と信賞必罰をもって運営されていると。
 結果として、子会社社長、さらにはクリスタル社社長の交代が激しいと。

■業務を細分化してのアメーバ方式という形態を採っていたことから、
  昨年春まで200社以上の子会社を抱えていた。  
  しかしその後、子会社群のスクラップアンドビルドが進み、
  昨秋段階で86まで縮小統合。 

■なお、10月3日、大阪労働局が中核子会社「コラボレート」に対して、
 請負偽装をしていたことを理由に、
 労働者派遣法に基づく事業停止命令と事業改善命令を出した。  

 このコラボレート社も、もともと傘下の製造請負会社4社
 (ダイテック、タイアップ、アクティス、リライアンス)などを吸収合併して
 できているのだが、合併前後でも是正指導を受けていた模様。

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  (簡単なコメント)

・ 幾つかのサイトを見ておりますと、収益面で貢献していたとされる
 コラボレート社の処分が、今回のグッドウィルとの“コラボレート”の
 きっかけとなったかも知れませんね。

・ それにしても、上場企業として期待される「企業統治レベル」から見ると、
 (これまでの開示姿勢との合わせ技で見れば)、今後かなりの“是正”が
 必要となっていくんでしょうか。

・ とにもかくにも、グッドウィルを担当するみすず監査法人の対応ぶりに注目していきましょう。
  あくまで個人的意見ですが、既に当社から発表されている強気の業績予想。
 今後の子会社監査の中で、より適正な会計処理が求められたりして、
 いろいろと下方修正されていく可能性もあるのではないか?・・・と思っております。

 まっ、門外漢の素人による戯言としてお聞き流し下さいね。


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