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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

イトーヨーカ堂のディスカウント業態などに思う

2009-01-19 | 会計・株式・財務

お疲れ様です。


まずは日経記事から。

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◆ヨーカ堂、主力30店以上を改装 安売り店・ホームセンターに

 セブン&アイ・ホールディングスは2010年2月期に、
傘下に抱えるイトーヨーカ堂の全店の約2割に当たる30店以上を改装する。
主力の総合スーパーをディスカウント店や都市型のホームセンターに転換する
ほか、ドラッグストアなどを導入する。投資額は100億円以上とみられる。
品ぞろえが総花的で価格競争力も劣る総合スーパーは苦戦しているため、
好立地の既存店に安売り店や専門店を本格展開してテコ入れする。

 ヨーカ堂の店舗は全国に180店。30店以上の改装は09年2月期の2倍に当たり、
ここ数年では最大規模となる。新規出店は数店に抑える一方、
品ぞろえの見直しも含めた改装で競争力を高めることに軸を置く。

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週刊 東洋経済 2009年 1/24号 [雑誌]

 

 


■週刊東洋経済の最新号は「百貨店・スーパー総崩れ」とタイムリーな特集。
 46ページにヨーカ堂の業態転換の記事がありますが、08年8月にディスカウント
 業態「ザ・プライス」に転換した西新井店は、店舗マネジメントがうまくいった
 ようでして販売管理費率15~16%を達成。
 オープン翌月には単月黒字となったとのこと。
 不振店再生に一筋の光が・・・・・てなトーンです。

 検討開始から僅か1年で多店舗展開を打ち出すスピードは、
 さすがセブンと言うべきか、
 はたまた環境悪化のピッチがいかに速くて深刻か、ということでしょうか。

 そして、長年の懸案「衣料品」改革に妙手なし。藤巻さんも去ってしまったし。
 一連の既存店対策、単なる止血に留まってしまうかもしれませんね。


■以下はその東洋経済特集号で気になった点を
 自分の備忘録として書き残しておきます。

○一番笑えたのは、p.54「スーパー100社 経営危険度ランキング100」

 これは07年度単体最終損益で赤字の大きい順にランキングしたものでして、
 ワースト1位は西友(▲234億円)。
 
 では逆に危険度が低い第100位。
 どこだと思います?


 ・・・・・なんと「ダイエー」でした。

 最終利益331億円。
 OMCカード株式の売却益で思いっきりカサ上げされているためですが、
 実態としてはまだまだ再建途上。
 ダイエーが最も安全なスーパーって、・・・・採用する利益指標を取り違えたのでは
 ないでしょうか。

○ヤマダ電機(P.60)
 ・町の小規模な電気店をフランチャイズチェーン(FC)、ボランタリー
  チェーン(VC)として囲い込んで、仕入ロットをさらに引き上げ
  年商3兆円を目指す戦略はさすが抜け目のないヤマダ。
  
 ・でも、同誌が言うところの「成長時限爆弾」、
  08年3月に発行した転換社債1,500億円は要注目ですね。
  転換価格は約1万4,000円と上場来高値クラスの水準ですからね。

  成長路線を維持して株価を上げなくてはなりません。
  今後も、いろいろと「無理」を重ねる可能性は高いと思います。

 
CMBSの2010年問題(P.40)

 ・2010年の第1四半期に1兆円規模のCMBS(商業用不動産ローン担保証券)
  の償還が控えているとのこと。

 ・2003年前後から活発化した不動産証券化案件の償還が今年あたりから
  本格化し、2010年初頭にピークを迎える。
  その際問題となるのがリファイナンス。

 ・実務上は、まずはリファイナンスに目途をつけるための「予定償還」が
  行われ、万が一、リファイナンスできないとならば、
  ほぼ2年後に最終償還期日が訪れることになると。

  最終償還までに裏付け資産の不動産物件を処分し、投資家に投資資金を
  返済しなければならないが、市場暴落の中では投資家に巨額の投資損失が
  発生するおそれあり。

 ・昨今のJ-REITや新興不動産会社破綻からの連想もあって、
  感覚的ではありますが、
  CMBSのリファイナンス問題も結構、大きな問題に発展しそうですね。
  しかし、タイミング、悪すぎますよね・・・・。




■以下は、全くの蛇足です。


 冒頭のヨーカ堂の話に戻しますと・・・・

 食品を中心とするディスカウント業態の店名が、
 「THE PRICE」ってのは余りに芸がなさすぎる。

 そこで、私なりに考えてみました。店名を。
 まずはコレはどうでしょうか。


「サ・プライズ!」 

 ポイントは濁点の移動。ザではなくサ、スでなくてズ。
 言うまでもないことですが、「サプライズ」にひっかけて、
 驚きの価格で勝負! という意味です。
 実際、チラシにも「あっと驚く87円!」とか書いてありましたし。



 これでもイマイチですかね。


 それでは・・・
 
 往年のヨーカ堂ファンからしてみると、
 旧店名の面影が欲しい・・・と思う方も。
 そんな方々には、こんなのいかがでしょうか。
 (昔紹介したことのあるネタですが)




「イートヨカヨカ堂」  


Eat+よかよか(良いという意味の熊本弁)


関東中心の会社に何で熊本弁が出てくるのかはまぁご愛敬として、
ヨーカ堂の雰囲気も醸しつつ、
良い食料品がたくさん有りそうな楽しい店名だと思うんですけどね。

なんで店名を一般公募しなかったんですかねぇ。非常に残念です。



またいきます。

なかのひと

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