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コンビニ業界、こりゃ厳しいワケだ

2006-04-15 | 経営
週末なので肩のこらないネタを
(っていいましょうか、いつもそうですが)。


まずは、ある冊子でみかけたアンケート結果をご紹介。
質問は「あなたのこだわっているものは何ですか?」

答は次のようなもの


・毎朝欠かさず納豆と黒酢を飲む
・野菜中心の食生活
・朝ごはんの前にカルシウムを摂る
・1日に1度はネバネバ系列(納豆、オクラ、山芋)を食べる、
・牛乳は低脂肪のものを飲む

・・・・・こういう結果を見ますと、このアンケートは
「中年サラリーマンが心がけている健康法」を調査しているのかと思うでしょう?

違うんです。


今年度の新入社員に対するアンケート結果なのですよ。


これを見た私はその場でイナバウアーのようにひっくり返ってしまいました。


これじゃぁ、コンビニ業界、たまったもんじゃないですね!!
少子高齢化で若年層人口減のうえに、若者も健康志向。
「思いっ切りテレビ」の見すぎでしょうか。
(もちろん上記回答は強烈な印象のあったものでして、
 全体がそうであるというわけではありませんので。ご留意を)



私が新入社員のときは、さすがにここまで考えなかったですね
(その結果、ぬいぐるみ体型になりましたが)

これを裏付けるかのように
12日に発表されたコンビニ各社の業績、厳しかったですね。

王者セブン・イレブンで既存店売上前期比▲1.6%、連結営業利益の増益率はわずか2%。
ローソンで同増益率2%、ファミリーマートで6%。

おまけに私のブログでご紹介したように、経営が苦しくなった一部加盟店では
「1円廃棄」など捨て身の対抗策を講じるようになってきました。
コンビニ業界の成長を支えてきたフランチャイズ制に小さな綻びが出てきたように
思えます。


セブンアンドアイの鈴木代表は決算説明会で、
「コンビニは飽和しているという見方に私は理解できない。」とご発言。
コンビニチェーンは運営力に企業間格差があり、他社と一緒にされては困る,
とのお考えのようです。
確かにセブンの店舗は頭抜けているとは思います。
いつものように「差別化」を強調されておりました。


しかし、鈴木代表。
利益水準は別格としても、「利益成長力」は他社と差別化できなくなってきましたね。

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2 コメント

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そりゃそうです (なべや)
2006-04-16 13:36:38
そもそも「企業の成長は定率成長ではなく定額成長である」

つまり「企業にとって定率成長を続けるのはムリ」ということ

ができるのです。

くわしいことは書ききれませんが、年商5億円の会社が

5千万円(10%)のイノベーションを実現することは可能

ですが、1兆円企業が10%(1千億円)のイノベーションを

内部的に実現するのは不可能ということです。

だから「成長率」に縛られている経営者はM&Aに走らざる

を得なくなってしまっているわけです。

で、M&Aで獲得した成長率が虚構である可能性がある

ということは、このブログの読者様ならみなわかっていらっ

しゃるはずなので、この辺で。
返信する
Unknown (ごめんね二郎)
2006-04-16 14:44:35
鈴木社長のメッセージは投資家向けでしょうから実際の現場からはどのような状況かはdancing-ufoさんの推察通りでしょうね。ただ、コンビニって土地・ビルオーナーが経営するというのが本当なんですよね。雇われ店長で運営するというのが彼らが言うフランチャイズなんでしょうから。最近は脱サラなんて多いようですが、この部分ではセブンは他社より優良なオーナーが多いので他社がスクラップを余儀なくされるなかで生き残れるのかもしれません。ただ、その時にマックのようになってしまうかも。コンビニイーターのショップ99も成長しても利益がスケールメリットで上昇しても決して楽ではないでしょうから。ただ、あり得ないところからビジネスモデルを構築するのがビジネスの成功の鍵ですから、がんばってもらいたいです。
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