【ダンボールの部屋】 いつも輝いて煌めいていましょう!

ダンボールの部屋へようこそ!!! ここはWEBの聖地だ ヽ(^0^)ノ

【霊告月記】第四十三回  時をかける少年 

2019年05月01日 10時00分00秒 | 霊告月記41~45

【霊告月記】第四十三回   時をかける少年 

               時をかける少年       はるか遠い未来から来た少年

】 霊告 【 時をかける少年のための序曲「時をかける少女」    by 原田知世

 
ぼくはロートレアモンが好きだ。ロートレアモンは24才と10ケ月の若さで亡くなっている。だからぼくは人から「何才ですか?」と聞かれた時、「24才と10ケ月です」と答えるのを常としている。プロフィールの画像もロートレアモンの肖像画を使っている。

ぼくは24才と10ケ月を迎えた時、もうそれ以降いっさい年をとらないことに決めた。その決断はいまも続いている。もしいまロートレアモンが生きていたら、このことについてどうかんがえるだろう、このもんだいに関して何と答えるだろう。そのように考えそのように発言している。そのようにして表現者としてのぼくは存在を続けている。

この姿勢はけっして変えない。不滅のロートレアモン。それが私の存在理由だ。

ロートレアモンの本名はイジドール・デュカス。デュカスはロートレアモン伯爵という筆名を使って『マルドロールの歌』という散文詩を上梓した。その後本名のイジドール・デュカスの名で『ポエジ ⅠⅡー未来の書の序文』を刊行する。その書には次のエピグラムが掲げられている。

ぼくは憂鬱を勇気に、疑惑を確信に、絶望を希望に、悪意を善に、懐疑を信頼に、屍理屈を沈着冷静に、倣慢を謙抑に置きかえる。

本文から断片を幾つか抜き書きしてみよう。

暁が現われるとすぐに、少女たちはバラを摘みに出かける。無邪気さの流れが谷間や首都をかけめぐり、もっとも熱狂的な詩人たちの知性を助け、幼児には保護を、若者には王冠を、老人には不滅への信仰をふりまいて行く。

剰窃は必要である。進歩は剰窃を含んでいる。それは一人の作者の文章をぐつとつかみ、その表現を利用し、誤まった 観念を抹消して、正しい観念で置き替えるのだ。 


一つの箴言はよく作られるために、訂正されることを要求 しない。それは発展させられることを要求する。

魂はーつだから、人は記述の中に感受性、知性、意志、理性、想像カ、記憶を入れることができる。

ぼくは生まれたということ以外の恩寵を知らない。公平な精神は、それで完全だと見るのだ。
(イジドール・デュカス「ポエジ ⅠⅡー未来の書の序文」  渡辺広士訳『ロートレアモン全集』 思潮社 1969年)

これで充分だろう。ロートレアモンは天才だった。ロートレアモン伯爵という架空の書き手を操ったイジドール・デュカスはそれ以上の天才だった。時をかける少年、その少年こそイジドール・デュカスの正体に他ならない。


】霊告【  春うらら手つなぐ稚児と母親のしずしず歩むこころ楽しも


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

★ダンボールの部屋へようこそ!!! ⇒
コンテンツ総目次&本文へのリンク