【 バッカスの歌 】

本当に楽しくて幸せだから笑うのさ

CHELSIE

2009-04-30 02:38:54 | Life
本を買いました。大好きなD[di:]のしんさく。

CHELSIE ~チェルシー~   D[di:]


D[di:]を好きになったキッカケは正直まっったく覚えてない。初めて買ったのが「キぐるみ」だったか「ドニー・ダーコ」だったか、てかそもそもなんで買ったのかすら覚えてない。
学生のころ本のジャケ買いにハマってて、(背表紙のタイトルをガーっと見て、気になったら手にとって、表紙に運命を感じたら買うっていうすごい選び方。)たぶん、それで絵が好きだったから買ったんだと思うけれど。

なんていうか、D[di:]の本は救われない感じが多い。
映画は幸せな、スッキリ終わるのが好きなんだけど。それとは対照的で、本は主人公が主人公なりの幸せを見つけるというか、「それは幸せなの?」って心配になってしまうような、読んだ後に心がもやもやしてしばらく本の世界に引きずりこまれちゃうようなものばっかり好んで読んでて。(村上春樹が好きなのもそんな感じ。)
決して体にはよくない感じがするんだけど笑、すごくそうゆうのを欲するときがあって、体んなかに毒を入れたいような(笑) D[di:]の本はまさにそんな感じ。

だったんだけど。

「CHELSIE」は違った。なんだかすごく幸せな気持ちになった。

てかこの本、不定期連載をまとめたような感じで、1999ねんから2009ねんの完成まで10年かかっていて。
D[di:]も22歳から32歳になっていて、それがこの本につまってるようで、なんだかグっときた。
前半は本当に暗々としているような感じ(笑)なんだけど、後半は少しずつ、なにかが変わってきていて。世界は救われなくて、諦めなきゃいけないことで成り立っている、って感じが、希望ってものはあるんじゃないの?って。

そしてそれは高校生まで、とにかくネガティブでどっかで何かを諦めてたとこから、わたしが少しずつ変わったところでもあって。

「CHELSIE」を当時読んでたら、嘘っぽいなーって思ってたと思う。世界はそんなに綺麗じゃないって知った“フリ”してたから、わたしはホンモノっぽい暗い本が好きだったのかもしれない。でも今はちょこっとちがう。
当時D[di:]に出会えて、彼女の世界観が好きになって、そして今「CHELSIE」って本に出会えて、よかったなぁと思います。

世界はそんなに捨てたもんじゃない。なーんて。

こう思えるようになったのは、専門だったり会社だったり、そしてストーンだったり、一人暮らしを始めてから出会えた皆さまのおかげ。ありがとう。
もちろん、地元にいたころ持ち前のネガティブ・シンキン’で自暴自棄にならずにすんだのは笑、小中高で一緒にいてくれた友達のおかげです。
あと音楽!
こうして思うとわたしは本当に素敵なひとたちに出会えて幸せで、素敵な音楽や本や絵や建造物を作ってくれた人たちがいる世界がとても大切で、汚いものもいっぱいあるけど、やっぱり世の中が好きなんだなぁと思う。


話それすぎ。


とりあえず、文庫と違って値も張るしーでも欲しくて欲しくて、気付いたらレジに持ってってた直感、正解だなと。買ってよかったです。

最後にD[di:]のなかでいちばん好きな絵を。
 「バニーガールになりたかったプレーリードック」。可愛い。