今回はできればチューニングメーターとメトロノームを用意してください。
フレーズの切れ目で音程のチェックをします。メトロノームは正確な運指の動きの為に必要です。
サックスでフレーズを演奏し続けるとリードにかかる圧力が変化し続けます。
音程が上がっていくと唇は締まり力が入って音程は上がり、下に向かっていくフレーズ
の場合は音程が下がりきらない。または音程が下がるとともに息の圧力が必要以上に下がって
音がだれてしまうことがあります。ここではテヌートで息の圧力のかかり方を意識し、
音程が上がる時はリードの振動を活発にさせるために唇をゆるめて、息の圧力を上げます。
また、音程が下がりきった時に息の圧力がしっかりとかかっていることを確認します。
テヌートの後は同じスケールをスラーで演奏します。テヌートで演奏した時の呼吸を意識して
行います。一番高い音の「F#」は特に意識して下さい。この音の演奏法はフラジオを出す時の
唇と息の状態とほとんど同じになります。この音の奏法でこの上のハイトーン「D」まではでます。
緩めた唇と強い息の圧力の状態を意識して下さい。ここではスペースの関係で二つの調だけです。
今回は音楽はサウンドであるということを意識するための練習になればよいと思って
曲に簡単な伴奏を付けてみました。これは一緒に演奏するのではなく、曲があれば
必ずそのメロディに共鳴する音があるということを考える一助になればと思います。
まずは上の段のメロディだけを演奏してみてください。その後で３小節から４小節の
フレーズの区切りになっているので下の段だけを演奏してから同じ位置の上の段の
メロディを演奏して下さい。するとメロディに厚みが増している事に気が付くと思い
ます。曲のバックグラウンド（共鳴する音）が意識されたならこの練習は成功です。
練習は順調でしょうか？ほとんどの人は防音施設がない部屋で
練習していると思いますので（僕もそうです）こうした方が良いと思う方法を
紹介します。
サックスを吹き鳴らすには呼吸がある一定の圧力を持っていないと音は不安定になるということは
想像が出来ると思います。音楽編集ソフトを使って音を視覚化すると下のようになります。
左側は最初にタンギング部分の瞬間的な音の大きな部分があってから息の量が減らすと自然と
音は小さくなっていきます。この時息の圧力が下がりすぎたり、圧力がまばらで不安定になると右側の
図のようにその音のシルエットもギザギザした不安定なものになります。
息の圧力を保って下さいと言われても具体的に良くわかりませんので
これを無くすための練習方法として真ん中の図のような音のシルエットになるテヌートでの演奏
を提案します。タンギングの後はしっかりした圧力と息の量を保持する練習です。
この場合、音の大きさは「フォルテやメゾフォルテ」で大きいままのテヌートや「ピアノやピアニッシモ」
で小さいままのテヌートで演奏します。または、フレーズごとにその音の大きさを変えてもよいと思います。
上の真ん中の図のように音符の拍いっぱいまで音を伸ばします。
教則本の練習は進んでいますか？運指のテクニックにはスケールの教本なども並行して行います。
教則本の中に下の図のようにスラーのついた音の跳躍の練習が出てきますがこのとき、
跳躍した上の音がうまくいかない（音程が高くなる・音が詰まる）場合は
スラーをはずして上の音を「カ」でタンギングして下さい。これによって唇のしまりが弱まり
リードの振動が良くなります。このような練習を行ったの後に「Swan」をここではキー「G」で
行います。大きく跳躍する部分はスラーをはずし「カ」のタンギングでやってみて、
音の伸びと音程を確認して下さい。
