騙されない大学選び

加速する少子化の中で大学が自己アピールする内容も過激になってきた。そうしたアピールには嘘も多い。騙されない真実の大学の姿

マーチシリーズ『明治大学』

2013-08-23 23:38:53 | 日記
明治大学は東京のお茶の水に本部を置く私立大学である。
創設は1880年、岸本辰雄・宮城浩蔵・矢代操といった若手の法曹家によって作られた明治法律学校が起源ということになっている。
ただし実は明治法律学校は専修大学や法政大学、中央大学といった政府の肝いりで作られた法律学校の一つであり岸本らはその実務を委託されたものであった。
この当時日本は明治維新による国内統一を軌道に乗せつつあり、そこで各種の制度を整備する必要があった。
この時代の日本はまだ法治国家という段階ではなく政治が法律よりも優先しており弁護士など法曹職の地位も低かった。そのため政治はエリートを養成する帝国大卒に任せ法律面のうち弁護士などは役人などが下野して私立の法律学校を創設しそこでの養成に任せるという形になったのであった。
そのうちの一つが明治法律学校であった。
明治時代にすでに早慶は設立されており官立の大学に対しても一定の評価を得ていたのに対し明治法律学校などの学校の地位は低かった。これはなぜかというと早慶は政府の影響から完全に独立して作られた学校であり、自前の教員によって教育が行われていたのに対し明治法律学校などは独自の教員をほとんど有せず帝大教員のアルバイトによって成り立っていたからである。
したがってこうした法律学校の教育の場(すなわちキャンパス)は帝大教員が通いやすい場所でばることが必要であり、そのため東京帝大のある本郷から歩いて通える駿河台周辺に校舎を設けたのである。
それによって駿河台周辺にはその後明治法律学校、日本大学の前身の日本法律学校、中央大学の前身の英吉利法律学校などが集まってくることとなった。
その後私立大学に改編し現在の明治大学に至ることとなる。最近よく目につく明治大学をやたらと持ち上げた週刊誌の記事、中には明治と早稲田はそれほど差がなくなったと書くものまである。早稲田OBからしたら「頭がおかしいんじゃないか」と冷ややかな目で見ているがこれらはほとんどすべてが明治大学から週刊誌への金銭的キックバックによって書かせている提灯記事である。またネットには明治大学の職員やOBがが24時間体制であらゆる掲示板などに張り付いているといわれる。受験生はこうした明治大学の工作に十分に注意して大学選びをするべきだろう。実際明治大学に入学して騙されたと思い再受験をする学生が後を絶たない。
http://www.asahi.com/national/update/0205/TKY201302040433.html

*写真は明治大学が自称都心と強弁する杉並区の明大前駅


現在の明治大学

明治大学は現在10学部で4つのキャンパスを有する。このうち人文社会科学系の6学部は1、2年次に杉並区の和泉キャンパスに、そして3,4年次に御茶ノ水の駿河台キャンパスに通う。理工学部と農学部は4年間神奈川県の生田キャンパス、そして国際日本学部と総合数理学部は4年間中野区の中野のキャンパスに通う。
しかしこの修学キャンパスの点において明治大学の宣伝と実態はかなりかけ離れていることに受験生はよく注意するべきだろう。

〈人文社会科学系6学部〉
明治大学は自らを『都心派大学』と自称する。しかしこれはかなり実態とかけ離れた誇張である。
まず明治大学は大学時代もっとも自由で学問に集中しやすい1,2年次において御茶ノ水のキャンパスではなく杉並区の和泉キャンパスである。
明治大学はやたらと駿河台の立地を前面に出そうとするがここに通えるのは3年生になってから、しかも4年生になれば大学に来る機会は少なく就職活動中心の生活となるので実際この駿河台キャンパスに通うのは3年生のたった1年間である。杉並区のキャンパスは電車に乗れば都心部にほど近いがやはり住宅街であり電車に乗らなければ徒歩で都心に出ることは不可能な場所である。またその1年間も駿河台キャンパスという名称は付いているものの実際は公道に面したビルであり環境的には日大などと変わらない。杉並のキャンパスには図書館が新設されたがその蔵書数は30万冊程度と小規模大学の図書館とそう変わらない。駿河台の図書館から本を取り寄せることもできるが数日を要しまた手に取って選択することができるわけでもないのでやはりデメリットが大きい。

〈国際日本学部・総合数理学部〉
この2学部は中野キャンパスである。キャンパスとはいっても実際はビル1棟の中にすべて詰め込んだ環境でありそのため図書館施設もなく3万冊程度の図書室があるだけで高校の図書室とそう規模が変わらない。近隣には帝京科学大学のビルと早稲田大学の寮がある。明治大学はなぜわざわざこの2学部を隔離してこんなところに置いたのだろうか。それには理由があった。この中野キャンパスの敷地を含む3大学の敷地は元々警察大学校の跡地であったのだがそれが移転することになりこの敷地に最初に目をつけたのは1980年代に八王子の山奥に移転した中央大学であった。中央大学は長らく都心回帰のチャンスをうかがいやっとこの敷地を発見した。そして払い下げにあたって中央大学出身の中野区長を使い中大がこの敷地を買収できるよう工作する。それに対し近隣の中野住民が中央大学の中野区移転に反対した。しかしこれを裏で操っていたのがなんと明治大学出身の区議であった。そしてあっさり中央大学はこの敷地の取得から撤退、この敷地は3分割されそのうちひとつを明治大学が購入することになったのであった。しかし実はこの敷地の購入について明治大学はそれほど乗り気ではなかった。使い道がなかったのである。それでも中央大学の代わりに専修大学などもこの敷地に目をつけていたことから明治大学はこの敷地を買収した。そしてしかたがなくお荷物となっていた国際日本学部を他学部の1,2年次も通う杉並区のキャンパスから飛ばしさらに総合数理学部という正体不明の学部を無理やり新設したのであった。その結果この2学部は他学部と隔離され何のために総合大学に入ったのかわからない状態になってしまった。それを明治大学は中野区も都心であると強弁しているが実際中野区は都心から近いが都心とはとても言えない。しかも設備は貧弱ときてはかなりのマイナス環境である。

〈生田キャンパス〉
神奈川県川崎市にある。ただし川崎とはいっても都市部ではなく生田台地の山の山頂にある。最寄りの駅からは山登りすること20分以上。大学の周りには店や住宅などは一切ないかなりの僻地である。この点でも受験生は明治大学によく騙されている。また明治大学の理工学部はGCOEに採択されているがこの採択には実は裏がある。明治大学理工学部は10年ちょっと前まで工学部でありそれを改組したものである。したがって理学系の実績というものはほとんど皆無に近い。それがなぜ数理学の分野でGCOEが取れたかというと、その前のCOEというものがあって明治大学はこれに私大最多の15テーマを申請したがすべて相手にされず落選した。これによって明治大学は理系実績の評価の低さを露呈したのだが驚くのはここからで明治大学はこの落選を申請の仕方がよくわからなかったと強弁し、そして翌年広島大学から京都大学出身の研究者をスカウトししかもその新参教員を研究所長とした研究組織をにわか作りで作る。そしてGCOEに採択されたのであった。引き抜かれた広島大学からしたらたまったものではない。この強盗のような明治大学の所業は今でも大学業界で語り継がれている。

〈南多摩新キャンパス〉
明治大学は近いうちにスポーツ科学部という筋肉マン学部を新設する予定である。しかしこれを置くのがとんでもない立地にあるキャンパスで旧多摩テックという遊園地なのだがこれが中央大学のある多摩動物公園からさらにバスで20分という僻地どころかこの世の果てのような場所にある。いくらスポーツだけすればいいといっても彼らにだって最低限の学生生活がある。それをこの地の果てのような僻地の監獄で過ごすのである。受験生は十分注意するべきであろう。

〈就職〉
明治大学は昔から営業兵として使いやすいと言われ多くの兵隊を輩出してきた。明治大学を卒業して上場企業に入社したほとんどはこの営業兵採用である。
ただし最近では青学や立教といったミッション系大学も就職に力を入れておりその結果学生数がマーチでは法政と並び多いため数的には一定数いるが率的にはマーチ3位となっている。
特に女子の就職は悪く評価は低い。この点でも明治大学は受験生をよく騙す広告を打っているので注意が必要である。

〈学部別評価〉
大学創設の母体となった法学部や商学部、政経学部といった社会科学系の評価はまあまあ高い。一方で文学部や理工学部の評価は低く存在自体忘れられがち。
農学部は他マーチにはないものであり特筆されるが実績的には東京農業大学のほうがかなり評価は高い。

〈入試受験者数〉
早稲田を上回り日本一の受験者数となったが実はからくりがあり早稲田にはない全学部方式の入試で一度の受験で複数学部の併願が可能(青学立教は禁止されている)。このため真水の個別入試受験者数では5万人台と早稲田の9万人台に対し圧倒的に少ない。いわゆるからくり入試である。また全国で設けられる地方会場では代々木ゼミナール校舎が使用されており明治大学と代ゼミの関係が噂されている。

最新の画像もっと見る