先日、日本を代表する名女優の1人・八千草薫さんが88歳でお亡くなりになりました。
八千草さんの御冥福を心からお祈りしたいと思います。
さて、映画やテレビで活躍されてきた八千草さん。
代表作を上げろといわれたら人それぞれと思いますが、個人的にはやはりこの1作でしょうか。

完全密室下で手口不明の銀行強盗事件が発生。
犯人をあと1歩のところで取り逃がした岡本警部補は捜査の過程である人物をマークする。
春日藤千代-かつては名門の誉れ高き踊りの家元だったが、今やすっかり落ちぶれ日々の暮らしにも困窮する有様だった。
ところが、恋人の新聞記者・京子によれば最近金回りが良くなったのか、運転手付きの高級車を乗り回し、長らく途絶えていた踊りの発表会を行うとのこと。
やがて第2の強盗事件が発生、その時盗まれた紙幣を藤千代が持っていたことから、警察は重要参考人として藤千代を拘束する。
そこへ水野と名乗る男が出頭、銀行強盗の真犯人は自分で犯行の手口も再現できると証言する。
犯行を再現する水野に驚愕させられる一同。
水野の正体、それは精神統一により自らの身体を自由自在にガス化させられるガス人間だった…。
その昔、東宝空想特撮の1ジャンルに“変身人間もの”がありました。
東宝空想特撮といえば、巨大怪獣に侵略宇宙人、さらには巨大隕石をも科学の力で劇対してきた、いわば科学万能主義的一面を持っていましたが、“変身人間もの”は科学の闇を取り上げているのが特徴。
太平洋戦争中に軍の戦力として透明人間にされてしまった男の悲哀を取り上げた「透明人間」、原水爆の死の灰を浴びた人間が液体人間となって恐怖をもたらす「美女と液体人間」、ハリウッド映画「蝿男の恐怖」及びそのリメイク作「ザ・フライ」にも登場した物質転送機を悪用した男の復讐譚「電送人間」を経て制作されたのが本作「ガス人間第1号」。
元々パイロット志望だったものの夢破れてしまい、さる科学者の口車に乗せられてガス人間となってしまった水野。
本来ならば世間への復讐も兼ねて、その力を利用してもっと大きな犯罪に手を染めてもいい所なんですが、水野は藤千代のためにひたすら銀行強盗を重ねます。
全てはすっかり落ちぶれてしまった藤千代を再び世に出したいという水野の願い故なんですが、藤千代を八千草さんが演じることで「自分も水野の立場なら同じ行動を取るだろうなぁ」と説得力が増していたと思います。
八千草さんの御冥福を心からお祈りしたいと思います。
さて、映画やテレビで活躍されてきた八千草さん。
代表作を上げろといわれたら人それぞれと思いますが、個人的にはやはりこの1作でしょうか。

完全密室下で手口不明の銀行強盗事件が発生。
犯人をあと1歩のところで取り逃がした岡本警部補は捜査の過程である人物をマークする。
春日藤千代-かつては名門の誉れ高き踊りの家元だったが、今やすっかり落ちぶれ日々の暮らしにも困窮する有様だった。
ところが、恋人の新聞記者・京子によれば最近金回りが良くなったのか、運転手付きの高級車を乗り回し、長らく途絶えていた踊りの発表会を行うとのこと。
やがて第2の強盗事件が発生、その時盗まれた紙幣を藤千代が持っていたことから、警察は重要参考人として藤千代を拘束する。
そこへ水野と名乗る男が出頭、銀行強盗の真犯人は自分で犯行の手口も再現できると証言する。
犯行を再現する水野に驚愕させられる一同。
水野の正体、それは精神統一により自らの身体を自由自在にガス化させられるガス人間だった…。
その昔、東宝空想特撮の1ジャンルに“変身人間もの”がありました。
東宝空想特撮といえば、巨大怪獣に侵略宇宙人、さらには巨大隕石をも科学の力で劇対してきた、いわば科学万能主義的一面を持っていましたが、“変身人間もの”は科学の闇を取り上げているのが特徴。
太平洋戦争中に軍の戦力として透明人間にされてしまった男の悲哀を取り上げた「透明人間」、原水爆の死の灰を浴びた人間が液体人間となって恐怖をもたらす「美女と液体人間」、ハリウッド映画「蝿男の恐怖」及びそのリメイク作「ザ・フライ」にも登場した物質転送機を悪用した男の復讐譚「電送人間」を経て制作されたのが本作「ガス人間第1号」。
元々パイロット志望だったものの夢破れてしまい、さる科学者の口車に乗せられてガス人間となってしまった水野。
本来ならば世間への復讐も兼ねて、その力を利用してもっと大きな犯罪に手を染めてもいい所なんですが、水野は藤千代のためにひたすら銀行強盗を重ねます。
全てはすっかり落ちぶれてしまった藤千代を再び世に出したいという水野の願い故なんですが、藤千代を八千草さんが演じることで「自分も水野の立場なら同じ行動を取るだろうなぁ」と説得力が増していたと思います。