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こっそり読書日記

HQの感想。ネタバレあり。

ヒクソン版 ミス・マープル 復讐の女神

2020年03月27日 | アガサ・クリスティ ミス・マープル

Nemesis 1971 復讐の女神 ハヤカワ・ミステリ文庫1981年 乾 信一郎訳

以前観たマクイーワン版「復讐の女神」が原作から大きく改編されてる~!って
文句を言った覚えがあって
アマプラに来たヒクソン版マープルを見直したかったけど、なにせ観るものが多すぎて
なかなか順番が回ってこないのが悩み(な~んて一昔前には考えられないこと)
古くってもまさにクリスティワールド全開だから、なんとか1作ずつでも見直したいのですわ
そして観るからにはもう一度原作から読みなおさねばと、またまた時間をとられる
今回は登場人物多すぎ問題と文字もびっしりの上に、事件がなんなのか?って問題で
読んだそばから忘れていくっぽい今日この頃、大変苦労しました
自分の衰えつつある脳細胞のために、ネタバレ含んで細かく残してますのであしからず

 

”ある日新聞の死亡欄で大富豪ジェースン・ラフィール氏の名前を見つけたミス・マープル
 1年以上前になるカリブ海の島で起きた事件で知り合ったことを思い出すが
 彼が亡くなったことでもう考えることもないだろうと思っていた
 ところがそれから一週間程経った頃、ラフィール氏の弁護士から手紙が届き
 ロンドンまで出向いて欲しいと言う内容に困惑しつつ結局弁護士事務所を訪れてみると
 ラフィール氏から条件付きで多額の遺産を贈与されることになると言われ
 本人からの手紙を渡されると、それを読んだミス・マープルはさらに戸惑うことになる
 遺言執行人である弁護士も氏から明確な説明を受けておらず
 ただ彼の指示に従って行動しているとのことだった

 手紙には{ネメシス}いう2人にだけわかる合言葉と
 あなたは正義に対する生れつきのかんを持っていると評価するラフィール氏が
 何かについて捜査をして欲しいのだろうということしかわからなかったが
 彼の願いをかなえることを決意し申し出を受けることに
 
 そして数日後、再び弁護士事務所から届いたラフィール氏の手紙を読み
 すべてを手配された名所巡りの観光バス旅に出るようにという指示に従って
 手探り状態のまま独自の捜査を始めることになる”


ジェーン・マープル Joan Hickson

ジェースン・ラフィール  ミス・マープルの知人 Frank Gatliff
ラフィールさんの年齢って明確に記されてないようですが、若死にとか出てくるので
結構お爺さんだと思ってたけど、ひょっとして60代くらいだったのかと今回の原作読みで思った
(ところが「カリブ海の秘密」を読みなおしてみたら80代となってた、単なる見間違えか)

マイクル・ラフィール (マイケル) 32歳 ラフィール氏の息子
Bruce Payne
英米両国でゲスト出演多々ありの上、現在もご活躍のようで
浮浪者のときとラストの見違えるような変身ぶりにびっくりでした

エスター・ウォルターズ  ラフィール氏の元秘書
「カリブ海の秘密」ではマープルさんに命(近い将来起こりえる可能性大)を救われたエスターさん
今ではラフィールさんの遺産もガッツリ入って年下男性と結婚し幸せそう

アーサー・ジャクソン  ラフィール氏のマッサージ師
会話に出てくるだけですが、今は別のお金持ちのところで働いているらしい

J・R・ブロードリフ  ラフィール氏の顧問弁護士 Roger Hammond
大大ベテラン枠

シュスター       〃  Patrick Godfrey
つい最近までご活躍の大ベテラン枠俳優さん
ポワロシリーズ「誘拐された総理大臣」にもでてらした

旧領主邸(伯父から相続)に住む三姉妹 
クロチルド・ブラッドベリースコット 
マープルさんいわくギリシア神話のクライティムネストラを思わせる巻き毛の黒髪の背の高い美人 

Margaret Tyzack
知ってるタイトルのドラマや映画にゲスト出演多々のベテラン枠
「インディー・ジョーンズ 若き日の大冒険」シリーズなんてよく観てたわ

ラヴィニア・グリン(50くらい) 十人並みだが愛嬌がある
只一人既婚者で夫の死後姉と妹と共に住むように
(ロンドン近郊にも夫と暮らしていた家がある)
Valerie Lush
アガサ・クリスティアワー 「ほのぐらい鏡の中に」
トリビアによると、ソルボンヌとロンドンで学び舞台出身のベテラン俳優さんのようですが
97歳でお亡くなりになってる

アンシア・ブラッドベリースコット  
マープルさんの印象は神経質そうで、大人になったオフィリアのよう
Anna Cropper
ポワロシリーズ「エジプト墳墓のなぞ」ではレディ・ウィラード役
この方もベテラン枠でライナス・ローチさんの母上
この作品の3姉妹は皆さんすでに故人なのですが、クロッパーさんが一番若くてお亡くなりに

ジェネット 旧領主邸のお手伝い 

ヴェリティ・ハント 18か19歳 殺された娘
クロチルドの友人夫妻が飛行機事故で亡くなり残された娘
ミス・テンプルの女学校を出た後は旧領主邸でクロチルドの保護下に
マイクル・ラフィールが殺したとされる

ノラ・ブロード(ブレント)  ヴェリティ事件と同じ頃行方不明となった娘

ブラバソン副司教(大執事)
ヴェリティを子供の頃から知っている人物、エリザベス・テンプルとも知り合い
Peter Copley
もう大大ベテラン枠、「カドフェル」ポワロシリーズ「スペイン櫃の秘密」

観光バスの乗客
サンボーン夫人(35歳くらい){大英国の著名邸宅と庭園}ツアーの案内人
原作もヒクソン版も単なる脇役程度のキャラなのに、マクイーワン版では旬のスターさんを配置したせいで
記憶が紛らわしいのですわ

ライズリー・ポーター夫人 60代くらいのボス的婦人
ミス・ジョアナ・クロフォード ポーター夫人の姪(18か19歳)
ウォーカー大佐夫妻
H・T・バトラー夫妻 ヘンリーとメイミー アメリカ人

ミス・エリザベス・テンプル 60代くらいの上品で美しい女性 有名女学校の元校長
そのファローフィールド女子校ではヴェリティが生徒としていた
ヴェリティがラフィール氏の息子マイクルと婚約していたことも知っていたが
結局結婚はなくなりその後ヴェリティは死去
Helen Cherry 
お若い頃の写真は古いハリウッド女優のようにおきれいですが
お歳を召してもまた別の美しさで役柄にぴったり

ワンステッド教授 もじゃもじゃ眉毛の大男
医学博士で専門は心理学 法医学の権威 ラフィール氏からマープルさんの監視を頼まれる
少年の頃不良行為を繰り返していたマイクルが殺人犯として収監された刑務所の所長と知り合い
John Horsley ポワロシリーズ「ポワロのクリスマス」

リチャード・ジェイムスン 痩せた若い男 建築家
ミス・ラムリー 老婦人
ミス・ベンサム ミス・ラムリーとペアの老婦人
キャスパー氏 背の高い色の黒い外国人

ミス・クック 中年婦人 
ミス・マープルは旅の初めから彼女に見覚えがあった
(冒頭でミス・マープルと庭いじりについて会話を交わしていた)
Jane Booker 「おしどり探偵 牧師の娘」「刑事フォイル」他

ミス・バロー ミス・クックより年上のペアで参加の中年婦人
Alison Skilbeck ホームズシリーズ「海軍条約文書事件」
(この2人はラフィール氏が雇った探偵でミス・マープルの警護役)

エムリン・プライス 
19か20歳くらいの若者 黒いもじゃもじゃの巨大モップのような髪型

マープルさんのお供としてバス観光に同伴する甥(名付け子?)ライオネル役 Peter Tilbury
俳優さんというより、コメディ系のライターさんなのかな
ドラマオリジナルだけど
マイケルを探すのに、自分も同じ立場になって(浮浪者)探し当てるところは面白かった

マープルさんちのお手伝いさんはチェリー

マイケルは少年時から問題を起こし、一度は少女暴行で執行猶予
その後少女を家から連れ出し残酷に殺した罪で服役

「カリブ海の秘密」との関わりは
初めラフィール氏の意図するものがわからずミス・マープルなりにあれこれ調査する際
まずは「カリブ海~」で一緒だったラフィール氏の秘書に連絡をとって会いに行く
エスターの命を救ったと考えるミス・マープルだが、本人には事情がわかってなくて
逆に憎まれているかもしれないと、再会時は演技までして慎重に会話を重ねていく
エスター・ウォルターズ夫人は4,5ヶ月前に結婚してアンダースン夫人に
生前のラフィール氏から給料以外は一切払わないと言われていたのに
相当な遺産額を支払われて本人もびっくりしている
「カリブ海~」のエピローグでは、好きな人の本性を知ってショックを受け悲しげだった彼女は
ミス・マープルと別れの言葉さえ交わさなかったのですが
自分が青髭の何番目かの犠牲者になるかもとは、このあとも考えなかったよう
ジャクソンには遺産は支払われなかったが、たっぷりボーナスをもらっている
ラフィール氏は一度短い間結婚していたが
奥さんは癌で亡くなり、娘2人(一人は故人、一人はアメリカ在住)と息子一人がいる
という情報を得る

「カリブ海の秘密」事件は1年と3・4ヶ月前
「書斎の死体」事件は2,3年前

結局マイケルは
ヒクソン版では浮浪者だったから、単に父親に反発して放浪してたのかと思ったけど原作では実は冤罪でずっと刑務所に入っていたのですね

いや~とにかく今回の犯人は怖すぎる(女性だからよけいにそう感じる)
{愛}のために殺してしまうって、これってビアン的な{愛}としか思えない
だって母親的な{愛}なら、あそこまで行かないでしょ?って人生経験不足の私の思考の限界
でも確かにドラマで観るサイコパスの毒親なんかは支配欲200%くらいだから
自分の思い通りにいかないとあそこまでやっちゃうってのもありなのか
それにしてもクリスティ女史は何故あれほど人間の様々な本質がわかるの?ってくらい
犯罪ドラマ観まくりで、情報量もたっぷりの現在だからなんとか犯罪者の心理とか
そういうことか~ってわかる程度の自分だからもう凄いとしか
そして昔も今も犯罪の動機は変わってないし人間が人間である限り終わりにはならないよね~って
(世界平和訴えてる人みるとミステリーファンではないなっていつも思ってしまう)

自分に縁がないからガーデニングをやれる人は尊敬しちゃう(虫がとにかく苦手)
で、今回の植物豆知識は
ヘリオトロープ=チェリー・パイ
ポリゴナム・バルドシュアニカムPolygonum Baldschuanicum=なつゆきかずら

ミス・マープルの特徴として今回の覚え書き
誰にも真似できないくらいの横目使いの名人

悲劇に直面した時、哀悼の意を表す意味で編み物をピンクの毛糸から紫に変える

毎朝配達される2社の新聞、早朝の紅茶を飲みながら地元紙を読み
午後の昼食後20分間の昼寝を済ませた後、タイムズ紙を広げるのが習慣

キンギョ草は紫はダメで硫黄色が好き

ラフィール氏の財産贈与二万ポンドの使い道は、慈善事業に寄付したりは別にして
自分のためにはシャコ(partridge やまうずら)を一羽まるまる食べること
高級なマロン・グラッセ箱買い、オペラ観賞など現実的でとってもわかる

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