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今日も雨が降っている・・・・・・。

つれづれなるままに、時事ネタを浅く探っていきます。

2006W杯 ヨーロッパ予選 スペインvsセルビア・モンテネグロ

2005年09月08日 | W杯関連
2005 9・7 

スペインがホームにセルビア・モンテネグロを迎え、グループリーグ首位の座を巡る戦いが繰り広げられました。

カードが乱れ飛び、一人退場者を出すという結果的に見れば荒れた試合でしたが、1-1でセルビア・モンテネグロが首位を守り、スペインのW杯出場に少し暗雲が立ち込めてきました。

スペイン:スターティングメンバー

        9              9:トーレス
                       7:ラウール
 11     7     17      11:ビセンテ
                      17:ホアキン
                       6:シャビ・エルナンデス
      6   14          14:シャビ・アロンソ
 3             2       3:デル オルノ
                       2:サルガド
      4    5           4:マルチェナ
                       5:プジョル
        1              1:カシージャス

《交代》
後半8分  トーレス → タムード
後半12分 ホアキン → ルイス・ガルシア
後半29分 ビセンテ → ルケ

基本形は4-4-2だと思われます。ラウールが中盤に下がっているのではなく、トーレスと縦の関係を作るため影のように動き回るために中盤に顔を出すだけで、別段中盤に吸収されていた訳ではありません。そのため前線と中盤の底はポッカリ穴があいています。

サイドのビセンテ・ホアキンはサイドラインにベッタリで余程のことがない限り中に来ません。ポジションチェンジは皆無です。

サイドバックの2人が中盤の底のラインまで押し上げてきているので、辛うじて数的優位を保っている状態でした。


セルビア・モンテネグロ:スターティングメンバー

          8             8:ケジュマン
                       11:ジョルジェビッチ
   11    22    7       22:イリッチ 
                        7:コロマン
      10    4          10:スタンコビッチ 
                        3:ドラグティノビッチ
  3             6       6:ガブランチッチ
      20    5          20:クルスタイッチ
                        5:ビディッチ
          1             1:イェブリッチ

《交代》
後半0分  イリッチ → ジキッチ
後半39分 コロマン → マリッチ
後半45分 ジキッチ → ネナド・コバチェビッチ

全体をコンパクトにまとめ相手に対して必ず数的優位を作り、カウンターチャンスを窺っていました。DFラインは高さに強く競り負けることは無いので、スペインの攻撃をサイドに誘導していました。足元の縦パスには敏感に反応し、ファウルをしてでも止めるほど過剰な反応が見られました。


スペインの攻撃はサイドのビセンテ・ホアキンの両人がサイドの深い位置からドリブルで突破し、クロスを上げて、それをトーレス・ラウールが決めるという物でしたが、セルビア・モンテネグロは中の高さに自身があるのか、ワザとクロスを上げさせていたように思えました。もちろん良い体勢・中に切れ込むのを防止するために、2人で守備についていました。

時たま、中盤の底(シャビとアロンソ)から足元への縦パスが配給されると、猛然とセルビア・モンテネグロがチェックに行き、明らかに嫌がっている節が見受けられましたが、そこを突く事は前半は見られませんでした(後半に入っても気が向いたときにパスする程度だった気が・・・・・・)。

シャビとアロンソのどちらかが前に飛び出すとか、ドリブルで切れ込む等変化を付けられれば、もうちょっと違った展開も見られたかもしれません。またサイドの2人がライン際にベッタリなのも、もうちょっと中盤に流動性を持たせれば、相手を混乱させることが出来るのに・・・・・・。

唯一つの失点は、何が何だか分らない内に取られ、守備に関してはドタバタしている印象しかありません。サルガドの中盤を突っ切るドリブル突破には驚かされました。中盤が流動的でないこのチームにとって彼の意外性&度胸は良い薬になっているのかもしれません。

それにしてもPA内(ゴールが見える位置)でパスするなんて・・・・・・以前の日本代表を見ているようで、スペインが深い迷宮に迷い込んでしまったのかなと心配です。

あんまりスペインの試合をジックリ見たことが無いのですが、普通の状態ではこれがスペインのスタイルなのかも知れません。

しかし、後半に入ってアドレナリン爆発状態になると、手が付けられなくなるほど暴れまくり、中盤の問題点が気にならないほど動き回る姿は、これがみんなを魅了するスペイン本来の姿なのかと一人納得してしまいました(笑)


セルビア・モンテネグロは、自陣内に篭って相手に突き入る隙を見せていませんでした。自分達に有利な状態を保ち、相手の行動を制限し、誘導する戦術が徹底されていた感じがします。以前見たときは、もっと足元で繋いでショートパスやドリブルで崩していた印象があったので、ここまで固く守っている姿にビックリしました。


両者とも頭に血が上りやすいのか後半は見るも無残な荒れた試合になりましたが、ある意味これが両者にとって普通なのかもしれません。Jリーグと比べると格段にこの違いが分ります。これに拍車をかけるが如く審判が普段プレミアで笛を吹いていることも関係があるかもしれません。ちょっとやそっとで笛を吹かない所を見ると、その凄さが窺い知れます。

2006W杯 ヨーロッパ予選 ルーマニアvsチェコ

2005年09月05日 | W杯関連
9月3日 ルーマニアのホームにチェコを迎えてW杯予選が行われました。

2-0でルーマニアが勝利を得て、チェコはますます苦しい立場に追い込まれました。

ルーマニア:スターティングメンバー
                              ⑨:マジル
           ⑨                 ⑩:ムトゥ
    ⑩            ⑪           ⑪:コシス
                              ⑧:ムンテアヌ
      ⑧        ⑦            ⑦:F・ペトレ
           ⑥                 ⑥:O・ペトレ
                             ③:ラツ
    ③   ⑤    ④   ②          ⑤:キブー
                             ④:タマシュ
           ①                  ②:コントラ
                              ①:ロボント

試合開始から終了のホイスッルがなるまで、チェイシングで相手を追い掛け回し、誰一人サボる事無く攻守に動き回っていました。一体その体力がどこに残っているのかと飽きれるほどでした。

攻撃は全員で押しかけ、激しく動き回り、前線の三人で変化をつけ、フィニッシュウする形です。

守備はこれまた全員で激しく動き回り、相手に体を押し付けて、フリーな状態でフィニッシュをさせないことを徹底している節が見られました。

今試合の明暗を分けた点は、ムトゥの動きそのものでしょう。普段はPA内に入ることはなく、中盤で精力的に動き回り、最も決定的な場面で「DFの前」でボールを受けゴールを決めていました。ホントに数少ないチャンスを確実に物にするその嗅覚には驚かされます。ムトゥがボールを持つと、ザラリとした奇妙な空間が生まれ、容易に飛び込めない感覚は、彼独特の物でしょう。行動(パス・ドリブル・シュート)が重い事も、この試合に出ていた誰よりも異質な選手でした。


チェコ:スターティングメンバー

                ⑨            ⑨:コレル
        ⑮                    ⑮:バロシュ     
                              ⑱:ハインツ
            ⑱                ⑦:スミチェル
    ⑦               ⑧        ⑧:ポボルスキ
            ③                ③:ポラク
                              ⑥:ヤンクロフスキ
    ⑥    ⑤    21    ②         ⑤:ウイファルシ
                               21:ボルフ
            ①                 ②:グリゲラ
                              ①:チェフ


攻撃と守備が分断され、攻撃は実質コレルとバロシュ頼みで、ルーマニアにとってターゲットがハッキリしている状況は歓迎すべき事だったのではないでしょうか。
中盤の要が不在の状況では、攻撃においても守備においても、楔が出来ず、相手にいい様にされるがままの状態でした。

攻撃はDF・MFからロング・ミドルパスをコレルに当て、そのこぼれ玉を周りの選手が拾い左・右サイドに開いたバロシュに運び、そこから展開する攻撃が前半目立ちましたが、前線にコレル・バロシュ+1人の状況では、数の上でもどうしようもなく、唯一つ目立ったコレルの高さに頼るしか他無く、そこをルーマニアに狙われる悪循環を繰り返すのみでした。

後半、細かいショートパス・ワンタッチパスでフィニッシュに持ち込むものの、運の悪さとルーマニアの決定的な仕事をさせない集中力に最後は為す術無く崩れ去りました。

チェコとルーマニアの差は何だったのか?

一つは、ルーマニアの術中にはまってしまったと言う事でしょうか。落ち着いてDFライン及び中盤の底でボールを回しじっくりと攻めることが出来れば、相手のペースに乗らずにチェコのリズムで試合を運べたはずです。足元の技術は総合的に見てもチェコのほうが断然上だと思います。

もう一つは、攻撃が単調だったことでしょう。後半、押し気味に攻めたもののゴールを決められなかったのは、フィニッシュ一歩手前で変化をつける事が出来なかったためでしょう。いつもならそれをロシツキーが請け負うと思うのですが、彼が不出場のこの試合では、意表をつく攻撃(創造性のあふれる攻撃)を創作できず、直線的で、力任せの攻撃に頼るしかない状況に陥ってしまいました。

もっと落ち着いた試合運びが出来たなら全く違った結果になっていたことは容易に想像できます。


それにしても、観客の歓声や怒号の如く降り注ぐブーイングは、これぞW杯の予選、生きるか死ぬかの戦いを思い起こさせ、身震いを覚えるものでした。試合内容もガチンコ勝負で見ているほうとしては満足行くものでした。

2006W杯 ヨーロッパ予選 グルジア vs ウクライナ

2005年09月05日 | W杯関連
9月3日 グルジアのホームにて、ウクライナが1-1と引き分けたものの他チームの結果により、独立後初のワールドカップ出場を決めました。

ウクライナ国民 ウクライナの関係者のみなさまに お祝い申し上げます!

この試合、グルジアサポータが、前節不祥事を起こしたとかで、無観客試合でかなり淋しいものでした。敵地とはいえ、やはり観客のいない試合は味気ないものですね。


ウクライナ:スターティングメンバー

       ⑩    ⑦            ⑩:ヴォロニン
  ⑧                       ⑦:シェフチェンコ
                 ⑪         ⑧:ロタン
                          ⑪:シシュチェンコ
       ⑭    ④            ⑭:グシン
                          ④:ティモシュチュク
  ②              ⑤       ②:ネスマチニー
       ③    ⑥            ③:フェドロフ
                          ⑥:ルソル
          ①               ⑤:イェゼルスキ
                          ①:ショフコフスキー

ヴォロベイというFWの選手が出場停止で、普段使い慣れている4-3-3の形から変則的な4-4-2の形で挑んでいます。

この試合の先制点は、中盤からのロングボール(クロス?)を、シェフチェンコがPA内で競り、そのこぼれ玉をPA内に詰めていたロタンが、足元にピタッと止め、まるでFKでも蹴るように冷静にゴールを決めました。

ウクライナの攻撃は、ミドルレンジのパスで前線に繋いだり、サイドチェンジを行い、それ以外のボール運びはドリブルで殆ど行っていました。特にゴールエリア付近では、細かくパスで崩すのではなく、ドリブルで打開するのを好むようです。

左サイドからの展開が多く、右はまったく機能していませんでした。頻繁に左サイドバックのネスマチニーが上がってきて、攻撃に参加していました。シェフチェンコは前線に張っているようなことは無く、擬似司令塔のような形でパス・ドリブルで相手を引き付けて、攻撃に参加していました。エゴイストな匂いを感じさせず、このチームがシェフチェンコのワンマンチームでないことを感じさせました。

中盤で目を引いたのは、ティモシュチュク落ち着いたボール捌きで、汗をかく事を厭わず、精力的に動き回り、シェフテェンコに目を奪われがちでしたが、彼なくして今のウクライナは成り立たないと思わせる動き振りを魅せていました。ミドルレンジのシュートも見せ、そのレールを走るように加速する弾丸シュートには驚きを隠せません。

守備は、前線の2人で追い回し、ゾーンに追い込むと必ず二人以上で囲み、敵の行動を限定させると同時に、パスコースを狭め、インターセプトする形がよく目に付きました。この守備のリーダーはティモシュチュクであるように感じました。


ウクライナの気になったところ・・・・・・

①守備において接触プレーを好まず、人数を裂いて囲むものの、相手に詰めてボールを奪取することに躊躇する場面が終盤目立ちました。相手に詰めた場合、ファウルを貰うことも多々ありました。終盤ファウルを与え、FKから得点を与えていました。

②ゴールエリア付近で、細かいパス・ワンタッチプレー・ドリブルでかき回されると、人数は足りているものの、傍観者のように立ち尽くし、相手にいい様にやられている場面が目立っていました。

③このチームには司令塔という感じの選手が存在せず、シェフチェンコが万能であるが故に、擬似司令塔のような形で、チームを引っ張っていました。残念ながら相手の裏をかくようなパスを出すことが出来ないので、攻撃に幅が出ず、単調な攻めが続いていました。

④足元の技術に自信があるのか、ほとんどドリブルでボールを運んでいました。



今年、欧州遠征でウクライナと日本が戦います。今まで日本が戦ったことの無いタイプの国に、どのような成果をあげることが出来るのか非常に楽しみなところです。


ウクライナ情報・・・・・・7月20日にユーシチェンコ大統領が来日され小泉総理と会談したそうです。ウクライナに残された旧日本軍の遺品が返還されました。民主化の道を歩んだウクライナの支援を日本が申し入れ、チェルノブイリの原発事故の支援協力を継続することを伝えたそうです。核の被爆国は日本とウクライナしかありませんし、積極的な連携を取りたいところです。
国連改革の支持もしていただけるとの事、このような国を日本は大事にしていきたいところですね。両国が末永く友好を保つことを心から祈ります。

Wikipedia版ウクライナ   首相と大統領の会談様子    共同声明文


2006W杯への道 総括 其の一

2005年08月18日 | W杯関連
2004年2月18日 ホームにオマーンを迎えドイツW杯への歩みを始めました。

2004 2・18 1次予選 対オマーン(ホーム) ※スポーツナビより
W杯への初戦という事もありますが、本当に苦しかったと言える試合だったと思います。後半48分 久保のゴールが無ければ、W杯のチケットを手に入れる事は無かったかもしれません。メンバーはほぼベストメンバーかと思います。小野が呼ばれていない(怪我?) 中澤がスタメンじゃない この頃は4-4-2だったのかなど歴史を感じる布陣です。

この頃から中田が代表の危機感の無さを提言し始めていると思うんですが、まさかここまで解決しないまま(一時解決の光は見えましたが・・・)きてしまうとは、誰も予想できなかったのではないでしょうか。


2004 3・31 1次予選 対シンガポール(アウェイ) ※スポーツナビより
この後のW杯の占うかのような試合展開でした。シンガポールにここまで苦戦するとは誰も予想できないでしょう。この試合中盤はいわゆる「黄金の中盤」ってやつです。意思疎通ができていなく、気持ちがバラバラだったことを思い出します。藤田のゴールで勝ちを拾えたのは奇跡です。

誰もが見たかった中盤の構成でしたが、思うような結果を得られませんでした。チーム始動早々につまずいたのは、その後のサブ組みのレベルアップを計る意味でも良かったのかもしれません。


2004 4・28 欧州遠征2戦目 対チェコ(アウェイ) ※スポーツナビより
チェコのメンバー見るとすさまじいですね。ポボルスキー ロシツキー スミチェル ネドベド バロシュ コラー 欧州のクラブの第一線で活躍しているメンバーです。チェコはこの後のユーロを控え、勝って勢いをつけたいところでしたが、まさか負けるとは誰も思わなかったでしょう。日本は「欧州組み」が小野だけで、他は「国内組み」の布陣でした。この勝利に士気があがり、自信をつけたことは言うまでもありません。

この頃の久保・玉田のコンビは凄かった・・・・・・こんなにもFWが頼もしく感じたのは初めてだったかもしれません。今の状況を考えると、久保の復帰を望む声もわかる気がします。


2004 6・1 欧州遠征4戦目 対イングランド(アウェイ) ※スポーツナビより
名前でサッカーをする訳ではありませんが・・・・・・溜息の出るメンバーが揃ってます。コンフィデのブラジル以上にベストメンバーかと思います。
この試合稲本が鬼人のごとき活躍を魅せます。気合が入りすぎて骨折してしまったことが、後々悔やまれます。この試合を見れば、ジーコ日本は小野中心でいくのかなと思わせる試合内容でした。

ジーコが監督じゃなきゃ日本となんて対戦しないだろうな~ 代表は別にジャパンマネーなんて必要ないですしね。トルシエじゃ100%ありえないカードかと・・・・・・。


2004 6・9 1次予選 対インド(ホーム) ※スポーツナビより
久保の独壇場でした。打点の高いヘッドとか、ノートラップボレーとか、あなた本当に日本人ですかと問いたい(笑) 大勝した割りにもっとも印象の薄い試合であることは否めません。


2004 7・28 アジア杯 対イラン(アウェイ) ※スポーツナビより
後に最終予選で戦うことになるイランと アジア杯グループリーグで戦っています。
実際問題、日本は引き分けでグループ首位になり、イランも負けなければ、トーナメントに進めるので、両者とも腰が引けた試合だったことは否めません。
アジア杯でもっともツマラナイ試合だったかも・・・・・・。


            ダエイ   マハダビキア

                 カリミ
         アラビ          ネコウナム
    ザレ                     ゴルモハマディ
         カメリ    タギプール   カエビ

                ミルザプール      

※水色:2005 8・17 日本戦に出たメンバーです。


2004 7・31 アジア杯 準々決勝 対ヨルダン(アウェイ) ※スポーツナビより
本当に苦しかった・・・・・・PKを2本連続で外して、相手に2本連続で決められ、誰もが駄目だと諦めていました。 しかし、一人だけ諦めず冷静な抗議で、主審の心を動かした人物がいました・・・・・・宮本恒靖・・・・・・プレイだけでなくナイスアシストを決めました。しかし、依然として「棺おけに片足を突っ込んでいる」状況には変わりありませんでしたが、「神の手」川口能活のスーパーセーブの数々に日本は救われました。120分の試合内容よりPK戦の目まぐるしい攻防が目立った珍しい試合でした。

             
2004 8・3 アジア杯 準決勝 対バーレーン(アウェイ) ※スポーツナビより
U-23を含めれば2005年までに計5回も戦うことになる因縁のチームでした。
ヨルダン戦から中2日 重慶から済南への移動と、とても体休まる状況ではありません。また観客からの卑劣で礼儀をしらないブーイングは精神的にもきつかったはずです。しかも、前半40分に遠藤が不可解な判定で一発退場と、誰が見ても不利な状況でした。日本の得点が後半以降に集中していることからも分るとおり、不利な状況を打破できる精神力の強さ、タフさが際立った試合でした。
それにしても、これほどドラマティックで日本のタフが際立った試合があったでしょうか、線の細いイメージがあった日本人のイメージを払拭するきっかけになったのではないでしょうか。


2004 8・7 アジア杯 決勝 対中国(アウェイ) ※スポーツナビより
バーレーン戦から中3日 済南から北京へ移動 政治も巻き込んだ戦いに、意外と日本代表は冷静でした。スポーツに政治を巻き込まない これが日本には徹底されていましたが、中国は8・15 対日抗戦勝利の日にむかって 政治とスポーツと経済を巻き込んで、どろどろの様相を呈していました。この国ではまだ戦争が終わっていない(終わらせない)のだなと感じました。
中国代表はずっと北京で試合をしていましたし、ホームでの試合ですし、肉体的にも精神的にも有利であったことは確かです。しかし、歩んできた修羅場の数の差とでも言いますか全てにおいて日本が上でした・・・・・・タフネスさに驚きを隠せません。


2004 9・8 1次予選 対インド(アウェイ) ※スポーツナビより
特筆すべき点は「停電」を経験できたことでしょうか。なかなか日本では味あうことの出来ない体験でした。選手もTVで見ている人も初めての人が多かったかもしれません。私も初めてでした・・・・・よく話には聞いてはいましたが(笑)


2004 10・13 1次予選 対オマーン(アウェイ) ※スポーツナビより
あんまり試合内容が印象に無いんですが・・・・・・どうやらこの試合で、通訳が退場という前代未聞の珍事が起きました(笑) サントスが元ブラジル人 ジーコも10年近く日本にいるし、簡単な単語なら日本語を話せるからいいものの、サントスとかいなかったらどうなっていたことやら・・・・・・。


2004 11・17 1次予選 対シンガポール(ホーム) ※スポーツナビより
この試合も1-0で勝利・・・・・・この試合も印象に残らないな・・・・・・・。


こうやってみると、欧州遠征で自信をつけた事がかなり大きかったと思います。
特に国内選手にとって、TVで見るような選手と肌を合わせて試合を出来たことは、自分の実力を知る上でも、大きな影響があったと思います。
そして、精神的にタフになりチームが結束できたアジア杯は、一つの大きな試練でしたね。この試練を中村以外の国内組み中心で乗り越えたことが大きかったですね。この試練を乗り越えたことが、ジーコの絶大な信頼を得る結果になったと思われます。なかなか新戦力を試さないのは、この試練を乗り越えた選手達を裏切れないという気持ちがあったのかもしれません。新戦力に厳しい目を向けるのも分かる気がします・・・・・・今回のアジア杯以上の試練なんて無かったですしね。


ヨーロッパ系のチームには内容を伴った試合は出来るけど、アジアでは泥臭い結果重視の試合しか出来ない・・・・・・と思われがちですが、ヨーロッパとはフレンドリーマッチでしか戦わないですし、ガチガチに守るようなチームと対戦なんかしませんし(ヨーロッパの主流が攻撃重視になりつつある)、W杯予選で華麗な試合を望む方が、どうかしてると言えるのではないでしょうか。私自身も含めて・・・・・・(大汗)
しかし、今まで格下と思われた国の台等は、脅威を感じます。一流の試合をタイムリーに見ることが出来る今、技術の格差はこれから先もっと小さくなることは確かだと思います。何が試合を決定づけるのか・・・・・・精神力(勝ちたいと思う心)とスタイル(日本人の特性に合ったプレイスタイルの確立)だと思います。以前のような誰かの真似では通用しなくなることは目に見えています。若年層からの指導、クラブチームにおける確固としたスタイルの確立、国内外の個人の経験(海外クラブチーム所属の選手・コーチなど)を日本に還元する試みなどが、日本代表の基礎になると思います。日本のスタイルを見誤らないように願うばかりです。

※次回、総括 其の二(2005 8・17 イラン戦まで)に続く・・・・・・。

2006W杯 最終予選 8・17 対イラン

2005年08月18日 | W杯関連

日本 2-1でイランに勝利!! 最終予選を堂々の一位で通過!! 

胸をはって行こう!! ドイツの扉は開いた!!

スターティングメンバー(基本)

         玉田     大黒

            小笠原
   サントス              加地
         遠藤     福西

      中澤    宮本    田中

             川口

試合開始当初と試合終了15分前後に使われていました

(応用-1)

             大黒

         玉田     小笠原

     中澤     福西     遠藤
   
   サントス   宮本   田中    加地
             
             川口

守備時に使われた型(割とレア)

(応用-2)

                     玉田    大黒      
 
            小笠原
   サントス             加地
 
     中澤     福西    遠藤
             
         宮本     田中
             
             川口

攻撃を仕掛ける時の型。先制点のケースもこれに近いです。

(応用-3)

                            大黒

         玉田    小笠原
    サントス    遠藤     加地
         中澤     福西

         宮本     田中
             川口

相手がボールを保持している場合に使われていました
中盤でプレスを効かせ、インターセプトを狙いカウンターに繋げる型です。


8・17 イラン戦の展望の中でポイントに挙げたものが、クリアできたか検証してみたいと思います。

全体のポイント
検証 其の一 ○前半戦で先制点を取れたか? → YES

玉田が左サイドでドリブルで仕掛け低いクロスを上げ、大黒がゴール前に詰めたことによりGKがボールをスルーする。ゴール前にもう一人詰めていた加地が代表初得点を決めました。玉田の積極的なチャレンジ・大黒のゴール前への詰め・加地のフリーランニング。全てが連動した中で生まれた得点でした。

検証 其の二 ○前半に失点したか? → NO

中澤が中盤の底に顔を出し、危険を感じた場合にDFラインに戻る。フリーに動く権限をジーコから与えられている(周りからの信頼・理解がある)ことが、この事から良くわかります。また、加地・サントスが高い位置を保ち、中盤を厚くする事によって敵を囲みやすくし、人数をかけることによってパスコースを消し、インターセプトを計っていました。敵ボール保持者には、必ず体を当てる(シュート&パスコースをカット)事を徹底していました。

検証 其の三 ○交代カードをどこで切るのか、誰を出すのか

遠藤→今野(後半39分)
玉田→阿部(後半44分)
東アジア選手権で勝ち取った信頼。この緊迫した試合でジーコに使いたいと思わせる選手であることを証明しました。

アジア1次予選 対シンガポール(アウェイ) 高原→玉田(後半31分)
キリンチャレンジカップ2005 対カザフスタン(ホーム) 鈴木→大黒(後半32分)

玉田・大黒の代表初試合は短い時間です。その短い時間でよい結果を残したものだけが、ジーコの信頼を得る事が出来るのは明白な事実です。
確かに見ている方は、新鮮味の無いメンバーに流動性を求めますが、ジーコは頑固なまでに彼の信念を押し通します。彼の信念は、同ポジションに二人以上いる場合、代表の経験(ジーコの信頼)が上の方を選択します。ジーコの信頼を得れば、徐々にプレイ時間が増えます。一旦、信頼を勝ち取れば、全身全霊をかけて選手を守ります(メディアの批判・協会)  選手に対する尊敬の念を忘れません。

今野・阿部の2人には、このチャンスを活かして欲しいところです。

※:鈴木の起用についてメディアから笑い声が聞こえた時、ジーコは鈴木を擁護し、メディアと決別宣言をしました(後に和解しますが・・・)
追記・・・前任のトルシエのように選手批判をすることなど絶対しません(笑)

※:カズ・ゴンを代表功労者として使いたいと言っていた事がありました。あれはジーコの純粋な気持ちだったのだと、今あらためて思います。

全体で良かった点
①ボール保持者のサポートが速かった。
②攻守の切り替えが速かった。
③ショートレンジ&ミドルレンジのシュートの意識が高かった。
④攻撃において一対一では、積極的にチャレンジできた。
⑤守備において一対一の場面で、決定的な仕事をさせなかった。
⑥シンプルなプレーを心掛けた。
⑦激しいポジションチェンジを実行できた。

全体で悪かった点
①前半終了間際・後半中盤あたり攻守の切り替えが遅い。
②不用意なファウルを与えてしまった。
③集中力が切れた場面が(得点後に)多々見られた。
④明確なクリア(ゴール前での安易なパス)をしない場面があった。

個々の検証

川口
積極的な前への飛び出し、ハイボールの処理、DFラインへのコーチンはできたと思います。PKによる失点は致し方ないところです。

宮本
一対一に競り負けず、懸念の先制点を相手に与えませんでした。試合終了間際、味方を鼓舞し、勇気をもってDFラインを押し上げていました。残念ながらロングフィールドの精度はいまいちでした。

田中
加地を追い越してのオーバーラップを2,3度見せましたが、味方に使ってもらえませんでした(せっかく走ったのに・・・もっと使ってあげてください) セットプレー時のカウンター対策はしっかりこなしていました。ロングフィードの精度はいまいちでした。今試合は守備に重点を置いたので攻撃に参加できませんでした。

中澤
失点に繋がるミスは無かったと思います(ダエイのゴールポストに当たるシュートがありましたが・・・・・・DF全体の責任かな?) 中盤の底に顔を出し、前からプレッシャーをかけ相手のチャンスを潰していました。後ろの守備範囲も広く、鬼のように戻っていました。PKを与えてしまいましたが、レッドカードを貰わなくて一安心です。

サントス
輝いていました・・・・・・試合開始当初は不安定なプレーをしていましたが、その後はシンプルなプレーを心がけ、ボールを容易にとられる場面は少なかったです。中に切れ込んだり、インターセプトしたり、守備も安心して見れました。やはりブラジル人の血が彼に流れているんだなと実感しました。
追加点の大黒の得点は、後半29分 サントスの強烈なミドルシュートをGKが弾いてCKを得て、CKを蹴ったサントスのニアに速いクロスの賜物かと思います。
よほど村井にポジションを取られたのが悔しかったのでしょう。こんなに発奮してくれるなら、東アジア選手権は無駄ではなかったと思いました(笑)

加地
サントスに続いて輝いてました・・・・・・前後半通じて積極的に前線に上がっていました。クロスの精度はまだまだですが、右サイドの貴重な基点になっていました。一対一の積極的なチャレンジも見れました。代表初得点をやっと手に入れました。よくゴール前まで走っていたな・・・・・・凄いです。

福西
不用意にDFラインにボールを戻さず、チームのリズムを崩すことをしませんでした。味方のフォローも速く、危険なスペースを埋めていました。左右にスムーズにパスを振って攻撃を組み立てていました。攻守の切り替えも速かったです。
後半11分 東アジア選手権・北朝鮮の悪夢が蘇りました。単純にクリアをしても良かったかもしれません。

遠藤
マークのきつい小笠原に代わり、事実上ゲームのリズムを作っていたのは彼でした。前後左右にピッチを駆け回り、イランを混乱させていました。味方へのフォロー、パスの精度、シュートの意識すべて良かったです。

小笠原
サイドチェンジのパス精度、ラストパスの精度、すべて良かったです。自他共にサイドを使う意識を強く持ち、中央で張っているシーンは余り見られませんでした。ポジションチェンジも積極的に行っていました。シュートの意識・二列目からの飛び出しの意識が低かったのが課題です。

玉田
得点はありませんでしたが、引き締まった顔は鬼気迫るものがありました。
シュートを積極的に撃つ姿勢、一対一にチャレンジする精神は評価できます。
サイドを積極的に使い、先制点を導きました。ワンツー&ポストプレーも成功させていました。絶対ボールを取られない気迫が感じられ、実際取られる場面は数えるほどしかありません。遠藤と共にピッチを駆け回り、イランを混乱させていました。

大黒
受身にならず、積極的に動き、シュートも撃っていました。事実上ワントップの状態でした。守備に貢献できない分、決定的なシュートを決めて欲しかったです。東アジア選手権の頃のような動きではなかったので、少し安心はしました。

今野・阿部
時間も短く、守備要因・時間稼ぎでの投入なので特に記する所はありませんが、代表定着への貴重な一歩です。与えられた仕事をキッチリこなして、ジーコの信頼を得て欲しいところです。

東アジア選手権での全入れ替えが、このような好結果を生むとは、嬉しい限りです。ワンタッチでのシンプルなプレーは、コンフィデ時の代表を思い出させ、このメンバーでもやれば出来ることを示す良い例になりました。それぞれがジーコの試練を乗り越え、あらたに信頼を勝ち取った形になりました。今回のメンバーを蹴落とすために、サブ組みは貰ったチャンスを確実にモノにして欲しいところです。
レベルの高い、ポジション争いが展開されることは、W杯に向け良い結果を生むのではないでしょうか。何だか今まで罵詈雑言を彼らに吐いていたのが恥ずかしくなるぐらいの活躍でした・・・・・・もっと早く覚醒して活躍しくれればと思いました(大汗)

追記1・・・・・・

今回 縦のライン・横のラインがオートマティックに動き、相手に攻撃の隙を与えませんでした。
これまでの試合でも実行はされていたとは思いますが・・・・・・
①球離れの悪さ・ボールを持ってからの判断の遅さ
②スペースを有効に利用できない・動いてもボールが来ない・ボールが来ても既に敵に囲まれた状態である
など、悪循環が悪循環を呼ぶ形だったのかもしれません。

※メキシコの場合、攻撃において三角形(三人で囲む)を作り、その三角のピースの連続で、ゴール前までボールを運びましたが、今回の日本は逆に(あくまでも顕著に表れたのが)守備において、(大きな意味で)四角形で囲み、三角形で敵を追い込みボールを奪取する形がとられました。

追記2・・・・・・

イランが弱かった? イランが手抜きしていた?
確かにイランの欧州組みは合流していません。若手の起用もありました。若手と既存の選手のコンビネーションに難があったことは認めますが、ダエイが選手をなだめるシーンが多々あったように、手抜きなどしていません。むしろ彼らにしても欧州組みを蹴落としたい気持ちは同じで、やる気満々だったのは確かです。結果的に2-1で日本が勝利しましたが、ダエイのゴールポストに当たるミドルを考えると、同点でもおかしくなかったはずです。恐るべし アリ・ダエイ・・・・・・カズより2歳下なんだけど流石ですね(苦笑) 

追記3・・・・・・

shimitoriさんのご指摘を受けて
今回のイランのメンバーに欧州組みは参加していませんでした。
ハシュミアン マハダビキア カリミ ザンディ レザエイ
このメンバーが抜けている状況を考えれば、弱いと言わざるえないでしょう・・・・・・。
特に自分で状況を打開できる選手
 マハダビキア カリミ ザンディの影響は計り知れないものがあります。特にマハダビキア カリミの両人はボールを取られないドリブルをする上に、ゴールを狙うドリブルとパスを狙うドリブルを使い分けてくるので、ゴールが見える位置での彼らのドリブルは恐怖そのものでしょう。
しかし、彼らがドリブルを開始する位置を、ゴールエリアから遠ざける事ができればこれは、逆に日本がボールを奪取できるチャンスが増える結果にもなります。ドリブラーへのパスの供給を断つ、一対一の状況を作らせない、などあります。
また、ドリブルをされても、多数で囲み、ゴールに向かわせない方向に誘導するなどあります。一番効力があるのは、パスの供給を断つ&供給元その者を潰すことかもしれません。パスの供給そのものを潰す事ができれば、この問題は半分は払拭されると思われます。その意味で今回、マハダビキア カリミと同じくらいにザンディが来日しなかったことが大きかったと思われます。
ちょっと前までのイランの印象は、直線的で力押しの印象があり、剛の印象がありますが、ザンディの加入で攻撃に柔らかさと曲線的な風味を加えた印象があります。ドイツW杯でイランが大躍進する可能性は否定できません(笑


※パスの供給を断たれれば、イライラして中盤に顔を出すタイプと愚直に待つタイプに分かれます。中盤に顔を出すタイプは、中盤で囲む機会も増えるのでそれだけカウンターチャンスを多く作ることができますし、待つタイプは引き続き監視を怠らなければ、試合から消す事も可能だと思います。

※ザンディと同じ印象なのが小野だと思います。フィジカルの違いは大きいですが・・・・・・。


8・17 イラン戦の展望

2005年08月16日 | W杯関連
イラン戦を明日に控え、今回の試合のどこにポイントを置けば良いのか、考えてみたいと思います。

ジーコの会見で、イラン戦のスタメンは、従来のメンバーで望むことが分りました。少し残念な気もしますが、最終予選の総括と考えれば、従来のメンバーで締めくくるのも悪くは無い気がします。予選と本選は別物ですし、従来のメンバーの最終試験と考えれば、面白く見れます。

相手のイランは、主力不在です。若手中心ではありますが、侮れない敵であることに変わりはありません。また、W杯を睨んで、若手が発奮する事は十分考えられます。

全体の観戦ポイントは・・・・・・
前半で先制点を取れるか、否か。
ここ5試合で、先制点を取ったのは「コンフィデ・ギリシャ戦」のみです。
日本のエースが不在の東アジア選手権では、後半に全得点が集中しています。
イランに比べれば、大半が主力級である日本が先取点を奪えなければ、批判が集中することは必至です。

前半に失点しないか、否か。
ここ5試合で前半に失点したケースは、3試合。その内2試合は同点で試合終了。
負けを喫したのは一試合しかありませんが、勝ちきれないパターンがあるとも言えます。

③交代カードをどこで切るのか、誰を出すのか。
後半、巻の投入は有り得ると思いますが、その他の選手をどこで使ってくるのかは不透明です。4バックにして、一気に交代選手を投入も有り得ます。

個々のポイント

川口
積極的に前に飛び出す。ハイボールの処理を無難にこなす。失点を防ぐ。

宮本
先取点を与えない。一対一に競り負けない積極的なラインの押し上げ。ロングフィードの精度。

田中
加地を追い越してのオーバーラップをする。ロングフィードの精度。右サイドの基点になる。競り合いに勝つ。セットプレー時のカウンター対策を無難にこなす。

中澤
失点に繋がるミスをしない。積極的に前に上がる。セットプレーで得点する。

サントス
ワンタッチでプレーする。シンプルにプレーする。一対一に負けない。2人以上に囲まれた時ボールを取られない。サイドを深く抉ってクロスを上げる。不用意なカードを貰わない中に切れ込む。シュートを撃つ。サイドの守備を無難にこなす。ゴール前での守備を無難にこなす。左サイドの基点になる。DFラインに吸収されない。

加地
サイドを深く抉る。クロスの精度。後半も積極的に前に上がるDFラインに吸収されない。セットプレー時のカウンター対策を無難にこなす。一対一に負けない。シュートを撃つ。

福西
バックパス以外のパスの成功率&精度二列目からの飛び出しの意識。ミドルレンジシュートの意識。一対一に負けない。味方へのフォローの速さ。ワンタッチプレー。試合のリズムを作る。スムーズなサイドチェンジ。

遠藤
バックパス以外のパスの成功率&精度。二列目からの飛び出しの意識。ミドルレンジシュートの意識。一対一に負けない。味方へのフォローの速さ。ロングフィードの精度。試合のリズムを作る。

小笠原
緩急をつけたパスをだす。試合のリズムを作る。ミドルレンジシュートの意識。一対一に負けない。攻撃の基点になる。二列目からの飛び出し。サイドを有効に(自他共に)使う。

玉田
積極的にシュートを撃つ。一対一に負けない。ワンツー&ポストプレーを成功させる。受身にならない。サイドを積極的に(自他共に)利用する。

大黒
受身にならない。積極的にシュートを撃つ。サイドを積極的に(自他共に)利用するワンツー&ポストプレーを成功させる。周りを積極的に使う。パス&クロスの精度


スタメンだけですが、ポイントを挙げてみました。明日の試合後どこが改善されていたかを検証してみたいと思います。みなさんは、試合のどこにポイントを置いて見ますか? 誰に、どのようなポイントを置きますか?

※青字>赤字>黒字でポイントの重要度で表しています。

回想 2006W杯 最終予選 6・8 対北朝鮮

2005年08月14日 | W杯関連
NHK BS1にて最終予選 対北朝鮮戦が再放されました。感想を交えつつ振り返ってみたいと思います。

前戦のバーレーン戦にて累積警告者3人(中田英寿・中村・さんとす)を出し、この試合、日本初の「無観客」であり、北朝鮮の罰則の影響(イラン対北朝鮮にて観客の暴動にてHOMEでの試合没収)を日本も受ける形でこの試合を迎える事になりました。

日本スターティングメンバー

          鈴木(大黒)  柳沢(遠藤)

              小笠原

         福西        稲本
   中田浩二                加地

        中澤    宮本    田中

               川口

膝の具合が悪く出場が危ぶまれた中澤でしたが、元気にスタメンで登場しました。
中田浩二を左サイドに置く、緊急処置で挑む布陣です。

この試合の見所は特にありません。北朝鮮のモチベーションは低く、日本以上にパフォーマンスが悪く、動きが鈍かったです。理解不能な交代タイミングも拍車をかけ、戦術も何もあったもんじゃありません(監督がベンチ入りしていないという問題もありますが・・・・・・)日本も戦術があったかと言うと何も無いので大きいことは言えませんが・・・・・・。

この試合のキーポイントは、柳沢・稲本です。復活と復調を確認できたことは、W杯を見据える上でとても重要な試合だったといえるかもしれません。

個々の戦評

川口
予選を通して大きなポカはなし。しかし、むか~~しの川口のような怒鳴り声が聞こえなくなったのは淋しいところ。この試合それほど精度の高いシュートが飛んでこなかったので見せ場無し。

宮本
微妙にフィジカルで負け、相手にチャンスを与える場面もありました。身体能力で選ばれているわけではないので、目をつぶりたい所ですが、アジアレベルでこれじゃW杯ではお子様扱いされるのでは?と思ってしまいます。CK/FK時に前へ上がるようですが、カウンター対策で後ろに控えていたほうが良いかと思います。後ろに、田中・加地だけってかなり不安(コンフィデ・ブラジル戦、カウンターを受けこの不安を増大させるものになりました)です。

中澤
足の怪我を押して出場。この影響かコンフィデ出場ならず、東アジア選手権の不調の原因もこの辺りかも。相変わらず高い・強い、怪我をしていたのか疑問に思ってしまうほどの動きでした(笑)

田中
地味な動きで目立ちはしませんが、右サイドの攻撃の基点は殆ど彼。後半、果敢にオーバーラップするもかまって貰えず、あげくにカウンターを喰らい冷やりとする場面も・・・・・・。もっと彼を使っても良いような気がします。

加地
ハーフェイラインより前でプレーし攻撃の意欲を見せていました。再三攻めるも、クロスの精度は話にならないほど低く、サイドを深く切れ込むことも稀、たまに深い位置に切れ込んでも、アイデアが乏しく(クロス精度が無く)得点の匂いは皆無。スーパー加地君に成長前ではありますが、片鱗はありました。

中田浩二
本来のポジション外(クラブチームでは同ポジション?)での起用。前に上がることは稀で、DFラインにしっかり吸収して、4バックを形成してました。攻撃の基点に全くなれず、左サイドはポッカリ穴を空けていました。ハーフェイラインからクロス(ロングフィード)をあげるも精度が低く、無駄に相手にボールを渡す結果に・・・・・・。
必要な選手か甚だ疑問。一体どこを目指して成長しているのかもわかりません。
ある意味ユーティリティープレイヤーの悲しいサガを背負った選手。クラブでしっかり定位置を確保し、この評価を覆して欲しいところです。

稲本
前半の動きは目を見張るものがあります。イングランド独特の前後に激しく動き、果敢にゴール前に飛び出し、強烈なミドルレンジのシュートを叩き込む、CMFの動きを見ることが出来ました。ワンタッチでのボールの捌き、展開力、体を張った守備、前への重戦車のごとき突進は「奴が帰ってきた」と唸らせる感慨深いものでした。しかし、後半になるとガス欠で動けなくなったのは非常に残念ですが、クラブで定位置を確保できれば、非常に頼りになる存在になるかと思います。
※先制点のフィード?は稲本からでした。

福西
前半は稲本が前に出る形で守備に回り、後半になると積極的に前に出ていました。しかし、前に出ても展開力が無いのが致命的な感じです。守備に関しては言いのですが、ワンタッチでのパスの捌きが見れず、緩急を上手く作ることが出来ません。これは、以前から気になっていたのですが、右サイドにサイドチェンジする時に、直接加地にボールを渡せば良いものを、田中経由で渡すのはいかがな物かと思います。相手に守備の時間を与え、攻撃の芽を自ら潰している行為に感じます。また、困った時に田中にパスを出すのも、相手に研究されれば、インターセプトを狙われると思います。ここら辺が彼の限界なのかな? 守備だけなら、今野も出てきましたし、FKの阿部、展開力の小野など、見るべきものがなくなってきています。成長が見られなければ、守備要員に降格も有り得ます。

小笠原
今のところ彼の限界が見えた試合です。展開力が無いとは言いませんが、ボールに(試合に)緩急をつけられない所が、中田・中村・小野と並んだ時にチョイスされない所以かと思われます。DFラインへのバックパスも、中盤でのパス回しも、前線へのパスも、全てパス速度と体の速さが一定で、相手が動きに慣れやすい原因を自ら抱え込んでいます。Jリーグでは通用する動きでも、海外では全く話しにならないです。海外組みに喧嘩を売る前に、自らの欠点を無くす努力をして欲しいところです。

柳沢
ポストプレー・ワンツーが巧いなと肯いてしまいました。体はそんなに大きくありませんが、体の使い方が巧く、簡単にボールを取られることがありませんでした。前後左右に激しく動き、攻撃の基点・フィニッシャーの両役をこなしていました。シュートも枠に行っていましたし、ゴールに貪欲で、以前のようなゴール前でのパスが見れら無くなったことは歓迎すべき点です。先制点のスライディングシュートは、彼だけが反応していました。どこからでも狙う意欲の現われかと思います。早くクラブで定位置を確保し、皆を安心させて欲しいところです。

鈴木
全く良いところなし。体を張ってはいましたが、動きはいまいち精彩を欠いていました。ゴールから遠く、得点の匂いは全くしませんでした。東アジア選手権でチームに戻されたのは納得出来ます。

大黒
後半直後に投入。ゴールに向かう意欲と、シュートの積極性は評価に値します。しかし、前にスペースがないとその良さが発揮されないのは、プレイの幅の狭さを感じてしまいます。この試合は自分で積極的に仕掛けていましたが、裏を返せばラストパスの精度・サイドからのクロスの精度に自信が無い証拠かもしれません。彼の代表試合をくまなく見ましたが、パス・クロスの場面が異様に少ない気がします。パスを出したくないから、中盤に下がって貰う事をしない、クロスを上げたくないから、サイドに開かない、案外これって図星なのかな? もうちょっとプレーの幅を広げて欲しいところです。今のままでは、スーパーサブが彼の定位置かな。

遠藤
完全な守備要員。健気に自分の役割を遂行していました。

大黒を酷評していますが、二点目のあのドリブルシュートは「ジョホールバルでの岡野のシュート」に匹敵する、記憶に残るシュートであることは確かです。歴史に残る試合ではありますが、日本人以外が見ても面白い試合かというと・・・・・・素直に肯けるような内容ではありません。

回想 2006W杯 最終予選 3・25 対イラン

2005年08月06日 | W杯関連
 NHKBS1にて再放されたイラン戦を感想を交えつつ、8・17のイラン戦を先取りして、日本代表の展望を探りたいと思います。

日本代表スターティングメンバー

         玉田      高原

   中村                  中田

         福西      小野

   三浦                  加地

         中澤      宮本

             楢崎 
 
イラン代表スターティングメンバー

             ダエイ

    ハシュミアン       マハダビキア

             カリミ

    ザンディ           ネクナム

 ノスラティ                カエビ

     ゴルモハマディ   レザエイ

           ミルザプール

日本は4-4-2のダブルボランチ型 イランは4-3-3の1トップ2ボランチ型です。日本はサントス・田中誠の累積警告にて4-4-2を急遽組んだ形です。

前半12分
[警告] アリ・カリミ
前半22分
[警告] メハディ・マハダビキア
前半25分
[得点] バヒド・ハシェミアン
福西 崇史 [警告] 前半33分
前半42分
アリ・ダエイ → モハラム・ナビドキア
後半5分
[警告] ジャバド・ネクナム
玉田 圭司 → 柳沢 敦 後半16分
後半19分
フェリドーン・ザンディ → モハマド・アラビ
福西 崇史 [得点] 後半21分
小野 伸二 [警告] 後半26分
後半30分
[得点] バヒド・ハシェミアン
後半32分
アリ・カリミ → アリレザ・バヘディ・ニクバハド
小野 伸二 → 小笠原 満男 後半33分
高原 直泰 → 大黒 将志 後半37分
NumberWebよりコピペ

点の取られ方があっさりし過ぎて、自滅としか言いようがありません。完璧に崩された訳ではなく、対処さえ間違わなければ、相手に与えなかったはずの得点です。

まず前半25分
ハイボールの処理で相手にFKを与えてしまいました。この時、中村が負傷しピッチ上にいませんでした。何か浮ついた空気が流れる中、コボレ玉の処理を誤り、偶然にもハシュミアンの目の前に落ち、冷静にシュートを決められました。マハダビキアのFKも、鋭いものでなく、ふわりとした軽いクロスでした。虚を突かれたと言うのが正しいのかも。

前半42分
英雄アリ・ダエイが退きます。もうピークは過ぎまくっているのは、誰の目にも明らかでした。スピードが無いとか言う以前に、サッカー選手の走り方じゃないです。子供の運動会に出てる父兄(オジサン)の走り方です。それより酷いかも・・・・・・。
ヘッドの鋭さはありますが、チーム全体のスピードを急ブレーキさせるのは、イランの攻撃力を半分以下にする効果がありました。
彼の交代を期に、カリミが猛烈にドリブルを仕掛け、まるでダエイをあざ笑うかのようでした。(後にも先にも、カリミが目立ったのはこの3分間だけだったような気がします)

後半21分
スローインから、中田英寿がハイクロスを上げ、それに柳沢が競り合う、そのこぼれ玉を、ボレーで福西が決めました。
胸辺りのボールを鮮やかなボレーで決めた福西のポテンシャルも凄いですが、ゴール前に詰めていたその嗅覚には、元FWらしさが滲み出ている気がします。

後半30分
中村がボールを失ったことから、カウンターが始まり、パスに反応したカリミのマークに行った中澤が、セーフティにクリアできなかった所に、カリミにあっさりクロスを上げられ、中の守備は、加地と中田だけという、マークがズレまくった結果だといえます。21分同点弾を決めてから、イケイケな感じだったことは確かです。後のインタビューで「守るのか攻めるのかハッキリしなかった」と選手達が言っていましたが、誰もが前へ前へと攻め、中村のフォローすらせず、カウンターの処理を怠り、ボランチがゴール前でフォローすらしていませんでした。

後半33分 37分 小笠原・大黒投入
小野に変わって小笠原の投入で、前線の攻撃は中村頼りになり、ますますゴールが遠くなりました。中田が守備に追いまわされ、DFラインと福西が、軽いパニック状態になっていました。小笠原が攻撃に絡めればいいのですが・・・・・・。絡めばファウルを犯し、流れを止める悪循環に・・・・・・。大黒は何も出来ません。鈴木を入れてターゲットマンを前に作る、又は、ゴール前でファウルを貰いFKを狙う、こちらのほうが現実的だったかもしれません。結果論ですが・・・・・・。

日本代表 個々の批評

楢崎
度々パンチングでクロスを防いでいました。先制点で前に出る気力をそがれたのかな? ハイボールに難があるように見受けられるのですが・・・・・・。

宮本
これといってミスはありませんでしたが、高さに不安があることは確かです。二失点目、ゴール前で競り合っていなかったのは断罪されるべきなのかも知れません。

中澤
前半から、セーフティにクリアを心掛けていたのに、二失点目のクリアミスはいかがなものかと。(カリミが中澤の足に当ててCKを狙ったものが、偶然にもピッチに残り、中澤にとっては、フェイントの形になり、カリミに突っ込めず、呆然とした感じでした)同情論はあるとは思いますが、彼がサイドに引っ張られ、ゴール前に高さの要る選手がいなくなったこと事態、彼の失態かと思います。

加地
イランの選手からはノーマーク状態でサイドの深い位置まで切れ込めていました、中田や小野から、かなり精度の高いパスが供給されたにもかかわらず、アイデア不足、精度不足を露呈するだけの結果になりました。クロスの精度がもっと良かったら、こんなに苦労する結果にならなかったはずです。

三浦
中村の動きをフォローするため、後ろの守備を意識して、この試合、積極的な上がりはなし。持ち味を消してまで、守備に徹したのに、二失点目、カリミのドリブルのフォローが遅れたのは、最大の失態。

小野
柔らかいタッチ、ゲームの流れを裏で操っていたのは彼でした。DFもハードなものでなく、追い詰めて取るタイプ。中田・中村と一緒にゲームをする機会が、なかなか無いのが残念でなりません。怪我の多さも、ハードにいけない理由なのかな?

福西
小野とは逆に、ハードにDFをこなしていました。ゴール前の嗅覚・シュートセンスはさすが元FWと言うべきかな。中盤の組み立ては、他の三人に任せておけば良いので、変なプレッシャーが一番なかったのが、良い結果につながったのかも知れません。

中田
ハードコンタクト、鋭いパス、精神的柱で、ゲームを表で操っていたツワモノ。どんなにマークをされようが、さも当たり前という感じは、頼もしくもあり、周りに畏怖すら与えていた気がします。後半、ボランチに下がってからは、自由に動けず持ち味が半減し、ゴールが異様に遠く感じました。中村とのパイプラインが遠のいたのも痛いところです。

中村
ボールの球離れが悪すぎます。動き事態はキレキレでした。中田とのコンビネーションは完璧でした。ただミドルシュートが一本も無いのは悲しいところです。失点につながる動きに全部絡んでいるのは、今試合の元凶だったと言ってもいいのかも知れません。

玉田
ドリブルがこの頃はキレキレだなっと、今を思うと、疲れが溜まっているのかな・・・・・・。

高原
やっぱストライカータイプだと改めて認識しました。ポストプレーを試みていましたが、すぐに諦めた模様・・・・・・。中のマークがきついとサイドに出る癖はどうにかして欲しいところ。玉田と高原、客観的に観ても誰がターゲットマンなのか、明らかなはず。

柳沢
ポストプレーの上手さは、日本人ではトップ。裏に抜ける動きも秀逸で、体を張ることを厭わない選手。イタリアでのけして幸福ではなかった経験が、彼の原点であるFWとしての本能を、蘇らせたのかもしれません。もっと我をだして、一皮剥けて欲しいところです。

小笠原
一体何をしに、来たのかさっぱり分りません。中田をボランチに追いやるほどの展開力も、パスも、ボール保持力もありません。この後バーレン戦以降活躍しますが、この試合を見る限り、とてもスタメンで使いたいとは思いません。

大黒
裏に抜ける動きは、秀逸ですが、それだけの気がしてなりません。また周りから使われない限り、顔を出さないのもどうかと思います。受身のスタイルですから、パスが出ないと何も出来ないのが痛いところです。

イラン代表総評
ダエイが退くと、途端にスピードアップして、猛烈に運動量が増えます。
カリミのゴール付近でのドリブルは、怖くて止めることが出来ません。(調子の波が激しい気がします) 
永久機関車マハダビキアは、前線からDFラインまで、いろんな所に顔を出します。チームでの信頼と監督の信頼が絶大なのだと思いました。(日本でいうところの中田なのかも)
ザンディは、一人ヨーロッパの香りを漂わせていました。鋭い縦のドリブルとショートパスの組み立てのイランに、柔らかく、緩急のあるパスを供給するザンディは脅威でした。チームと完全にマッチはまだしていませんが、融合したら、このチームの頭脳は彼以外にいないでしょう(小野タイプの選手かな)

基本はショートパスで組み立て、細かいドリブルと、縦に突ききるドリブルで相手を崩し、ゴール前の高さは依然として脅威。 ザンディの出現は、「剛」のイランに「柔」の要素を取り入れる結果になり、試合を自らコントロールする術を得たのは、脅威。

8・17時に、レギュラークラスが来日するかは、甚だ疑問です。主力がゴッソリ、ドイツクラブに籍を置いており、ブンデスリーグも既に始まっていることですし、その他のメジャーな海外リーグに所属する選手も、合流することは考えにくく、日本同様、若手主体で望むのかもしれません。

日本も東アジア選手権の展望から言っても、ベテランと若手の融合で来るのかもしれませんし、ある意味やる気の無い試合になるのかな・・・・・・。

回想 2006W杯 最終予選 2・9 対北朝鮮

2005年08月06日 | W杯関連
8月5日 NHK BS1にて ジーコのインタビューを収録した"最終予選・対北朝鮮"の試合が再放されていました。現在の日本代表との対比と、先日の東アジア選手権における対北朝鮮との違いを含めて、書いてみようと思います。
※前半、30分過ぎから見始めたので、そこからの感想となりますが、特に問題はないかな・・・・・・。

この試合、前半4分に小笠原がFKから早々と、先取点を得ました。近年稀に見る好調な滑り出しでした。私の中で小笠原の評価は、この時最悪であったことを思い出します。この時の彼の印象は"小さい中田英寿"です。プレーの幅も質も、永遠に本家を越すことの出来ない悲しいサガを、背負っているように感じました。

早々と得点できたことから、余裕なのか慢心なのか、中々追加点を得ることが出来なかったことを、おぼろげながら覚えています。このままズルズルと北朝鮮のペースに合わせて前半が終わりました。

前半スターティングメンバー

         玉田       鈴木
             
             小笠原
  サントス                  加地
         遠藤       福西
    
      中澤     宮本     田中

              川口

東アジア選手権との相違点は鈴木がいることです。これがかなり大きな相違点になっているのかも・・・・・・。

前半終了の間、ジーコのインタビューの中で、"ジーコの中でのサントスのスタンス"を語っていました。 
曰く「サイドの基点を生かす事が日本の生命線だ。サントスはフリーに上がるべきだ。彼の上がりをサポートするのは(サイドのスペースの守備は)この試合では中澤だ。サイドの上がりのバランスも取らなくてはならない。サントスが上がるならば加地は下がらなくてはならない」
かなり要約しましたが、サントスの行動が制約されることなく、多大な攻撃指揮権が与えられていることが解ります。

後半開始も相も変わらず、北朝鮮のペースに合わせ、試合展開は五分五分の展開・・・・・・。
後半15分、ショートパスの速いサイドチェンジから、全体のマークのズレが起こり、最後にパスの渡ったナム・ソンチョルはドフリーの状況でした。ゴール前のFWの数はそろっており、クロスを上げてくるかと思ったところを、逆を突かれる形でミドルシュートの前に同点ゴールを許してしまいました。
試合をコントロールできる人材がいない弱点をもろに突かれた失点でした。単調な攻撃パターンを北朝鮮に読まれ、攻守のリズムを北朝鮮に合わせた結果が失点になったのではないかと思います。

後半18・20分 高原・中村を投入します。後半33分 大黒を投入。

           大黒       高原

    (中村)       小笠原       (中村)

           遠藤       福西

    サントス                  加地
           中澤       宮本
                川口
※中村は左右にフリーで動いているので、ポジションを確定しません。

中村投入で、劇的にペースが変わります。ボールを相手に容易に取られる事のない中村が、ボールを保持することによって攻撃のタメが出来、周りの選手の動きも活性化しフリーランニングも多くなりました。中村独特の間合いや攻撃リズムに相手が惑わされ、試合の主導権を完全に日本が握る結果になりました。

主導権は掌握しましたが、フィニッシュの精度を欠き、ロスタイムに・・・・・・。
後半46分 小笠原のセンタリング?→GKパンチング→コボレ玉に反応した福西が大黒とのワンツーを狙いパス→不利な体勢で大黒シュート→勝ち越し点ゲット

今見返しても、偶然に偶然が重なった、幸運すぎる得点です。実力で勝ったとはとても思えない勝利です。

東アジア選手権での対北朝鮮との違いと、何故試合結果が違うかを検証してみました。
原因①FWの相性とプレースタイルの変化
W杯予選
鈴木ー玉田:ポストプレーヤーと擬似トップ下FWの組み合わせ。
高原ー大黒:擬似ポストプレーヤーとストライカーの組み合わせ。
お互いのスタイルが被らない交代でした。玉田はドリブルやパスを好む性格かもしれません。高原は上背はありますが、基本的にストライカーです。体を張ることを好む性格ではありません。

東アジア選手権
玉田ー大黒:擬似トップ下兼ポストプレーヤーとストライカー
この試合、玉田が二役をこなす結果となりました。得意でないポストプレーは、相手のプレッシャーに容赦なく押しつぶされ、攻撃のきっかけを全くつかめませんでした。大黒は自分から仕掛けることを好みません。受身であることは確かです。

玉田の好調時のプレースタイルは、ドリブラー、又は、ストライカーです。擬似トップ下の傾向が出るときは、中盤からのパスが供給されず、イライラした結果、中盤に下がりパスを受け、ハーフェイライン付近から無謀なドリブルを仕掛けたり、前線へスルーパスを狙ったりする時です。中盤の組み立てが上手くいっていない時にこの傾向が顕著に出るようです。コレに加えてポストプレーをしだすと、本来の持ち味すら消えてしまいます。器用であるが故に、何でもやってしまいますが、実際彼にそこまで求めるのは酷かと思います。
※このタイプを発展させたのが、「万能型」の柳沢です。万能と聞こえは良いですが、下手をすると只の器用貧乏に陥ってしまいます。最近、ゴール前での我を出すようになって、「万能型」からの脱却を計っている姿は、嬉しい限りです。

原因②攻撃(試合)のリズム
小笠原のリズムは至極単調です。パスの出し入れのタイミングも、パスの長さ速さもすべて一定のリズムです。
 ,2,3,4♪ ,2,3,4♪ ,2,3,4♪
球離れの良さもありますが、タメを作くらない淡白なリズムです。
中盤での上下運動のみで、中でドッシリとパスを待ち、そこからパスを供給する「静」タイプ

中村のリズムは複数のパターンを組み込んだものです。
1,2,3,,2,3,4♪ 1,2,3,
球離れの悪さもありますが、タメを作り味方を走らせるリズムです。
右・真ん中・左・上下に激しくポジションチェンジ、自分からも仕掛ける「動」タイプ

サントスのリズムは良くわかりません(笑)
球離れがいい時 1,,3,4♪ 1,,3,4♪1,,3,4♪
球離れが悪い時 1,,3,4♪ 1,2,3,♪1,,3,4♪
独特のリズムですが、周りに読まれている時もありますし、味方に理解されない時もあります(汗)
上下の運動だけで、中に切れ込むことは稀。自分の仕掛けで敵に引っかかり、迷惑なタメを作る「乱」タイプ

単調なリズムは味方にも敵にも優しく、独特のリズムは味方にも敵にも読みにくい。中村のリズムが最高とは言いませんが、参考にし研究して欲しいものです。
※試合のリズムを執るのが上手いのは、中田英寿と小野だと思います。

小笠原・サントスだけをピックアップしましたが、本来、試合のリズムを作る役目は"ボランチ"と呼ばれる選手達のはずです。単調なパスを前に送るだけで、役割そのものを放棄・丸投げする姿は、観ていて酷いものです。ここらへんが、速攻・遅攻ができない 攻撃の方向性が見えない 引いた相手を崩せない 等言われる遠因なのかもしれません。

原因③攻撃パターンを研究される
予選二試合を研究した北朝鮮は、東アジア選手権でその研究成果を示します。
2・9時にサントスのマークは皆無でした。ドフリーで上がれて、前方のスペースはポッカリ空いてました。それでも得点に絡めなかったのが彼の限界か?
小笠原のマークは比較的軽く、中盤からのパスは普通に供給されていた。

東アジア選手権時には、サントスがボールを保持すると、常時二人はマークに就き、三人で挟む場面も多々ありました。前方のスペースは皆無でした。
小笠原の性質(原因②参照)を読まれ、彼にパスが渡る前に中盤の底からのパスの供給をカットされ、上下の動きすら制限させていました。

サイドの攻撃はサントス頼みで、加地は余程の事がないと上がらない。ボランチはパスは捌くが、前線に上がったり、ドリブルで切れ込んだりしない。MFのミドルシュートは皆無。FWは上下の運動はするが、サイドに開くことは皆無。フィジカルで競り合えば、制空権を得るのは容易だとあっさり見破られる。FWの裏に抜ける動きは警戒すべきだが、目を離さなければ怖いものなし。それ以前にパス供給元を封じれば仕事すら出来ない。

サントスがワンタッチプレーで行動したならば、もっと評価が上がるかもしれません。ブラジル人特有の柔らかさ・独特のリズム感は、生まれ持った物ですし真似できません。このワンタッチプレーを多用するかどうかが、日本人が海外で成功するかどうかの別れ道になっていると思います。フィジカルで海外の選手に勝てるわけはありませんし、技術で取らせないようにしても、体を密着されれば、その技術もフィジカルに良さを消される結果になります。

小笠原が無骨なまでに"中"にこだわる事は、ある意味評価しますが、フィジカルが抜きん出て凄い訳ではありません。海外に渡れば、真っ先に狙われて、パスすら回ってこないんじゃないかと思います。自身の理想を追求することも大事ですが、チームを引きずり込むのは辞めて欲しいところです。

※中田英寿の数々のインタビューの中で「自分はフィジカルは弱い」 「技術は気持ちでカバーできる」 「技術の差が問われるのは一部のトッププレーヤ同士の戦いに於いてだけ」等の発言は、私にとって衝撃的でした。フィジカルとボディーバランスが日本人でずば抜けた存在の中田が、冷静に自分を見つめていることに、これが海外で長く活躍する秘訣なのかなと思ったり、技術のある選手でもフィジカルに勝る選手には勝てない等の発言は、長く海外経験がないと出てこない重みのある言葉だと感じました。

かなり研究したんだろうな~と思います。現在の様々な情勢を見ても、これ以上の負けは許されないでしょうし、モチベーションの高さは日本の比でないことは確かです。中国戦の結果を見ても分るように、この程度の研究は、W杯でもしてくると思うし、コンフィデの試合も研究されたら、より攻撃パターンの幅を増やさない限り、トーナメント進出は望めないかもしれません。個々のレベルアップなくして次の段階に進むことは難しいと改めて認識する結果となってしまいました。

田中達也が練習中に腰を痛めたようです。割と怪我の多い選手だとは前から認識していましたが、この大事な時に怪我をするとは・・・・・・。まるで小○慎○を見ている様でがっかりさせられます。一流選手の証は、怪我をしない事・怪我のタイミングだと私は思っているので、ツキがないのかなと一人ぼやいてしまいます(汗)



2006W杯 最終予選 対バーレン戦(アウェイ) 

2005年06月04日 | W杯関連
 冷や冷やしました。まさか小笠原が得点を決めるなんて・・・・・・ちょっぴり見直しました。


 今回、キリンカップ二連敗後の試合ということもあり、非常に選手間での意思の疎通が活発になったように思います。特に中田のコーチングらしき映像を試合中でも度々見ることがありました。彼の蓄積された経験が着実にチームに還元されている様を見るのは嬉しくあり、頼もしく感じました。次戦、北朝鮮戦にサントス・中村と共に累積警告によって出場できないのは残念でありますが、サブを含め、チーム一丸となってコンフィデレーションカップ前にW杯出場が決定することを願うばかりです。

 ・・・・・・と、ちょっと今回の戦いで気になったこと。 後半、幾度となくシュートチャンスがあったと思います。相手ゴールエリア付近での安易なパス・・・・・・たしかに、リスクを避ける真理が働いたのだろうと思われますが、それが許されるのは、自陣エリア付近であるとか、試合終了間際の時間稼ぎとかなら、まだ納得できるのですが、あまりにもシュートを撃たない姿勢に怒りを覚えました。何のための1トップなのか考えてもらわねばなりません。事実、この戦いを勝利に導いた小笠原のシュートはこの積極性・打たなきゃ入らんから生まれたのではないでしょうか? ゴールエリア付近でシュートを打たない選手ほど怖くないものはありません。その点で今回の中田・小笠原の姿勢に拍手を送りたいです。あえてファンである中村俊介に喝を入れたい(泣)