goo blog サービス終了のお知らせ 

霧谷好人 情報・ビジネスブログ

技術、情報、経営にまつわる由無し事をそこはかとなく書きつらねる blog

ライブドアとフジ、月内にも和解へ (読売新聞)

2005-04-13 09:37:57 | ビジネス
ライブドアとフジ、月内にも和解へ (読売新聞)

ニッポン放送の経営権を巡って攻防を繰り広げていたライブドアとフジテレビジョンが、月内にも和解し、資本・業務提携を結ぶ方向で最終調整に入ったらしい、ということを伝える記事。

資本面では、
・ニッポン放送株を、重要事項に拒否権を発動できる3分の1超を手元に残しライブドアグループがフジテレビに譲渡し、フジテレビがニッポン放送を子会社化。
・同時に、フジテレビはライブドアが行う第三者割当増資を引き受けて資本参加。
という案が出ているようであり、業務面の提携内容も検討されているらしいです。

まだことが起きたわけではなく、業務面の提携内容も詳らかでないので、「ライブドアとフジテレビのやったこと」についてはなんとも言えませんので、記事へのポインタのみ。


でも「譲渡にあたっては、フジテレビがライブドアから直接買い取るのではなく、ライブドアの100%子会社で、ニッポン放送株を大量保有しているライブドア・パートナーズをフジテレビが買収することで、実質的にニッポン放送株を買い取る案が浮上している」というのは、(理念的には)不公正な株取引には当たらないのでしょうか?などと思ったりもします。

日本とは逆?米国で既存メディアによるインターネット企業の買収が相次ぐ

2005-04-08 10:13:48 | ビジネス
日本とは逆?米国で既存メディアによるインターネット企業の買収が相次ぐ

こんな記事も、ということで。
米国では新聞社など既存メディアによるインターネット企業の買収、あるいは株式取得による資本/業務提携が目立っているようです。

多くの方々が指摘しているように、いわゆるメディア事業を行なっている企業の価値の根幹がコンテンツ創出にあるのであれば、統合/連携後の事業の主たる価値もコンテンツがもつわけですから、「インターネットは空っぽの…」ではないですが、インターネット企業とメディア企業の主客がライブドア-ニッポン放送の場合と逆転している方が自然といえば自然。

もちろん、企業の買収/提携というのは、時の勢いというか財布の事情というかその時々の些末な状況によって行なわれるもので大義どおりに動くものではないですし、インターネット企業主体であってもいいわけですが、それであるがゆえに統合/連携後の事業の舵取りは誤らないようにしないと勿体無いです。

ライブドア、取締役11人派遣・ニッポン放送に提案へ

2005-04-08 09:48:55 | ビジネス
ライブドア、取締役11人派遣・ニッポン放送に提案へ

持株数上の支配権を実現するためには当然の流れですが、ライブドアがニッポン放送に対し定足数(20人)の過半数に相当する11人の取締役を送り込む方向で、今週中にも株主提案を送付する準備を進めているそうです。

この騒動も一般にはそろそろ飽きられている頃かもしれませんが、言を左右にしてきた感もある堀江氏がメディア(放送事業をメディアとしてとらえることの是非はあるでしょうがとりあえずこう呼びます)で何をするのか、問われるのはこれからです。

堀江氏の手法を強く批判 SBI北尾氏、講演会で (共同通信)

2005-04-04 09:30:50 | ビジネス
堀江氏の手法を強く批判 SBI北尾氏、講演会で (共同通信)

ニッポン放送からのフジテレビの貸し株で、ライブドアによるニッポン放送を通じたフジテレビへの間接支配からフジテレビを守った形になっている、ソフトバンク・インベストメントCEO北尾氏の講演の記事。

「(ニッポン放送の)役員から社員までライブドアが嫌だと言っている。株を50%持ったから、もうわたしの支配下だと。わたしはそういうことが嫌いだ」と強く批判し、「相手のことを思いやることを堀江君も考えてほしい。わたしが買収するときは、相手にとっても良い状況をどう実現するかを真剣に考えている」と述べたそう。

朝日新聞でも、当初、『今回の件については質問をしない』とさせておきながら(紙面)、「義憤を感じるようになった」「資本市場の健全な発展を阻害することはしてはいけない」といろいろ語ったようです。

M&Aはぺらぺらしゃべるものではない」といった人物がぺらぺらしゃべるのはいかがなものかと思われますが(たしかに彼の発言は貸し株に関するものでM&Aについてではないですが(笑))、ここにきて話し出したのは何か裏の状況の変化でもあったのでしょうか。

外野席としては、北尾氏が何を語ろうと、[ 板倉雄一郎氏がTV番組でも言っていたように] 北尾氏が投資家に対して忠実に振舞っているとしかみえず、かつそうあるべきだと思われるのですが。

米ヒューレット・パッカード新CEOにNCRのハードCEO

2005-03-30 13:00:06 | ビジネス
Hewlett-Packard Picks NCR's Hurd as CEO

先月カーリー・フィオリーナ最高経営責任者(CEO、50)を解任した米ヒューレット・パッカード(HP)が29日、米NCRのマーク・ハードCEO兼社長(48)が4月1日付で後任に就任すると発表した模様。

2003年にNCRのCEOとなったハード氏はATMメーカ/データウェアハウス企業として下降ぎみであったNCRを黒字転換させた実績があるそうで、同氏就任の発表を証券市場も好感し、HPの株価は10%上昇したようです。NCRの株価は17%下げたそうですから、ハード氏が如何に評価されていたか分かりますね。
記事にあるように、ハイエンド・サービス市場などでのIBMらとの戦い、ローエンドでのDELLやプリンタ市場での戦いにどう采配をふるうのか、HPの今後の動静に注目です。

物流企業の役割がじわり拡大,デジタル家電の製造も担う存在へ

2005-03-30 10:25:06 | ビジネス
物流企業の役割がじわり拡大,デジタル家電の製造も担う存在へ

ディー・エイチ・エル・ジャパン(DHLジャパン)の新木場にある広さ約4000平方メートルに及ぶ電機メーカー向け3PL(*1)拠点「ELC(Express Logistics Center)」。
そこでは、メーカーのSCM(*2)にしっかり組み込まれた一員として在庫管理をおこなっているのみならず、最終組立工程のための間貸しや支援をおこなっているというレポート。

物流企業が自社の物流機能やそこで培ったノウハウを生かして3PLを担い、在庫管理をするところまでは、通常の『自社の強みを生かす』思考の延長上にあるといえますが、今や、メーカーのメーカーたるゆえんである製造機能の一部も担うようになっているわけです。
多くの電機製品も多品種少量生産が求められるようになってきており、個人用コンピュータの「デル・モデル」に見られるような『受注生産-短納期』のビジネスも出てきました。こうなると完成品の在庫をうまくコントロールすることで納期を確保することはしにくくなります。物流企業側からすると完成品の在庫管理が徐々に不要になり、放っておくと自社の付加価値が減ることになりかねません。
完成品在庫に代わって納期の最終ゲートになるのが、『仕掛品+最終組立工程』となることを考えると、実は物流企業が最終組立工程支援をするのは自然な発想なのかもしれませんね。
倉庫のための広大なスペースもあるわけですから、モノがそこに集約されることを活かしてその場で組み立ててしまえ、というのは、うまい発想であり、倉庫から組立工場への輸送というそれまでの自分の仕事をある意味消滅させてしまうという意味では面白い発想でもあります。

レポート中でDHLジャパンの営業開発本部長も言っているように、今の電機メーカーにとっての組立工程のようなコア・プロセスでなくなったプロセスは、切り離して他の企業が担ってもいいわけです。理想的には、その段階でそのプロセスに一番付加価値を与えられる企業がそのプロセスを担う、というプロセスの再配分がおこなわれるのが望ましい。そして再配分されたプロセスに従ってビジネスを行っていくと、自社の強みのシフトやビジネスのコントロール・ポイントのシフト、そしてもちろん周辺環境の変化が起こって、コア・プロセスから外れるプロセスが生じ、あるいはコアとなるプロセスも出てきて、またプロセスの再配分が生じ...。
このようなダイナミズムをうまくつかまえ、先んじて自らプロセスの再配分を主導していける企業が優れた企業なのでしょう。


*1 3PL = 3rd party logistics
*2 SCM = supply chain management

東京三菱銀、開発者ブログでネットバンキングをアピール

2005-03-30 09:46:45 | ビジネス
東京三菱銀、開発者ブログでネットバンキングをアピール

東京三菱銀行が、同銀行の個人・中小企業向けネットバンキングサービス「東京三菱 BizSTATION」のマーケティング活動の一環として開発者ブログを開設とのニュース。
[BizSTATIONブログ http://blog.btm.co.jp/ ]
国内大手銀行で初のブログマーケティングになるそうです。

よく指摘されるように、企業がブログマーケティングを行う場合には細心の注意を払わなくてはいけない部分がありますから、いろんな意味でお固い、またお堅くなくてはいけない銀行が blog のようなツールをどう使いこなしていくのか、しばし注目です。

SBIがフジ筆頭株主に、ホワイトナイトは否定 (ロイター)

2005-03-25 10:53:30 | ビジネス
SBIがフジ筆頭株主に、ホワイトナイトは否定 (ロイター)

ソフトバンク・インベストメント(SBI)が、ニッポン放送の保有するフジテレビ株式を借り受けフジの筆頭株主になったと発表した、という記事。
ニッポン放送がもつフジテレビ株35万3704株(発行株ベースで13.88%、議決権ベースで14.67%)を今年3月24日から2010年4月1日まで借り受ける、とのことでニッポン放送のフジへの議決権はこの期間消滅します。

(予定通り!?)またもソフトバンク登場ですか。
SBI、フジとニッポン放送はコンテンツ・メディア・ブロードバンド分野におけるベンチャーキャピタルファンドを共同で設立するそうですが、そういった形を整えて事を起こす方が、まぁまっとうですね。
ソフトバンクの方がライブドアよりも1枚上手である可能性は高く、フジの判断が拙速にすぎなかったかどうか判明するのはまだ先ですが、一場面転換したのは確かでしょう。
[球団所有の関係で多少もめる可能性があるのでしょうか]

それにしても、堀江氏は自分が表に立つことで経営者リスクを上げ過ぎているきらいがあります。もちろん宣伝効果とのトレードオフで、ライブドアを知らない者をなくす[野球に関心がなくてもTVを見る人は多いでしょうから]という点からは今回の騒動にしても結果的にプラスには働いているのでしょうが...。経営判断自体を経営者本人のイメージに対する好き嫌いで語られてしまい、しかも結果に影響してしまうというのはあまり得策ではないように思われます。
やることの規模が大きくなってくると、それなりにやり方も変えていかないといけないでしょう。ましてや、メディアに打って出ようというのですから、もう少し上手にイメージ戦略を練らないと。

ニッポン放送の新株予約権発行、高裁も差し止め認める

2005-03-24 08:31:56 | ビジネス
ニッポン放送の新株予約権発行、高裁も差し止め認める (朝日新聞)

ライブドアとフジテレビジョンによるニッポン放送株争奪戦続報。
現段階での司法における判断は、
「現経営陣などの支配権維持を主な目的にした新株予約権の発行は著しく不公正で、原則として許されない」
ただし、敵対的買収者が(1)株価をつり上げる目的だけで買収している(いわゆるグリーンメーラー)(2)会社経営を一時的に支配し、知的財産権や企業秘密などを買収者側に移す目的がある(焦土化経営)(3)会社の資産を買収者側の債務の担保や弁済原資として流用する(4)会社の事業には関係しない不動産や有価証券など高額資産を処分し、一時的な高配当やそれによる株式の高値売り抜けなどを狙う、という目的でその会社を食い物にしようとしている場合には、株主として保護するに値しない、とするものでした。
そして今回のライブドアによる買収がこれらに該当するという確たる資料はない、とのこと。

素人目には、新たな司法判断はなく、妥当な決定のように思います。法律的には、時間外取引による大量株の取得など手続き上に問題にすることが可能な部分はあるようですが、現状では明示的な違法性がない以上、市場の論理が優先しても致し方ない。

それよりも、何人かの出演者がニッポン放送への今後の出演を拒否する可能性を示唆していることの方が面白そうです。ライブドアにとってニッポン放送自体はあまり問題ではなく、本能寺の敵が問題なのでしょうし(まさにその態度が叩かれているのかもしれませんが)、よもや今すぐフジテレビへの出演を拒否する芸能人も多くはないとは思いますが、ボディブローのように企業価値に響いてくる可能性もありますので、動静はちょっと注目。
多くは堀江氏がこれまで(おそらくは)あまり問題にしてこなかった感情的な反応なわけですが、交換の利かない人的資源というものもあり、それらとうまく一緒にやっていくのも経営ですからね、というところでしょうか。

フジ、買収封じで新株5百億円発行枠 対ライブドア

2005-03-23 08:44:59 | ビジネス
フジ、買収封じで新株5百億円発行枠 対ライブドア (朝日新聞)

事態追跡のために一応記録しておきます。
フジが5百億円枠の「新株発行登録」をしたと言う記事。
敵対的買収に対する毒薬(ポイズン・ピル)の一種としてのものだが、まぁこれも当然「想定の範囲内」の話。

一連の騒動が、M&Aが盛んになると儲かる誰かさんが旧来からの経営層の啓蒙のためにしくんだものだとすると面白いんですけどね。「ホワイト・ナイト」とか「ポイズン・ピル」だとかおじさまたちの用語集もかなり充実してきたでしょう!?