副題:抗うつ薬・抗不安薬を使うその前に
日本医事新報社、2014年発行
最近、発達障害に漢方薬を使いたい、という相談を何件か受けました。
それに伴い、その家族(特に母親自身)が漢方薬を希望されることも。
しかし、私は精神科医ではないので「専門外です」とお断りせざるを得ません。
でも何とかならないものかと、将来に向けて少しずつ本を読んでいます。
この本は若手精神科医が書いた漢方啓蒙書です。
前書きを読むと「漢方をかじり始めて病名漢方的に処方してきたけど限界を感じ、漢方理論を勉強し直してきた」という、私と同じような経歴。
ただし、この著者はその勉強のスピードがすさまじい。
医学部を卒業したのが2009年であり、研修医課程が修了したばかりなのです(私より20歳若い!)。
ほかにも研修医向けの本なども書いており、ブログを覗くとその読書量がとてつもないことがうかがい知れます。
ちょっとしたスーパーマンですね。
著者が若いためか、この本の記述法も口語調です。
漢方の大家が上から目線で書いたものではなく、漢方を勉強中の若手がその過程で出会った困ったこと/つまずきやすいこと/コツやポイントを記した、というイメージですね。
それを、わかりやすい/読みやすいと感じるか、鼻につく/医学書らしくないと感じるかは読者次第(苦笑)。
漢方を処方するためには、基礎知識を知らなければビギナーズラックで終わってしまい応用が利かない。
精神科領域で漢方を処方するためには、まず精神科的診察所見をしっかりとれなければ始まらない。
ということで、前半は漢方の生薬/方剤の解説と、西洋医学の精神疾患の最低限の解説。
この辺は、読むのに結構時間がかかります(井齋先生の著書の何倍も)。
それを経て、精神科にすぐ紹介するほどでもないグレーゾーンの患者さんに対して漢方薬で対処する手法が述べられており、ここはわかりやすい。
ただし、この本を読めばすぐに処方できるようになるというものではなくマスターするにはやはり経験と時間が必要です。
気血水理論では気滞(気が滞る)と瘀血(血が滞る)・水滞(水が滞る)も伴いやすい、とか慢性化している時は瘀血がかかわっているとか、文章の端々に参考となるヒントが隠されており、参考になりました。
日本医事新報社、2014年発行
最近、発達障害に漢方薬を使いたい、という相談を何件か受けました。
それに伴い、その家族(特に母親自身)が漢方薬を希望されることも。
しかし、私は精神科医ではないので「専門外です」とお断りせざるを得ません。
でも何とかならないものかと、将来に向けて少しずつ本を読んでいます。
この本は若手精神科医が書いた漢方啓蒙書です。
前書きを読むと「漢方をかじり始めて病名漢方的に処方してきたけど限界を感じ、漢方理論を勉強し直してきた」という、私と同じような経歴。
ただし、この著者はその勉強のスピードがすさまじい。
医学部を卒業したのが2009年であり、研修医課程が修了したばかりなのです(私より20歳若い!)。
ほかにも研修医向けの本なども書いており、ブログを覗くとその読書量がとてつもないことがうかがい知れます。
ちょっとしたスーパーマンですね。
著者が若いためか、この本の記述法も口語調です。
漢方の大家が上から目線で書いたものではなく、漢方を勉強中の若手がその過程で出会った困ったこと/つまずきやすいこと/コツやポイントを記した、というイメージですね。
それを、わかりやすい/読みやすいと感じるか、鼻につく/医学書らしくないと感じるかは読者次第(苦笑)。
漢方を処方するためには、基礎知識を知らなければビギナーズラックで終わってしまい応用が利かない。
精神科領域で漢方を処方するためには、まず精神科的診察所見をしっかりとれなければ始まらない。
ということで、前半は漢方の生薬/方剤の解説と、西洋医学の精神疾患の最低限の解説。
この辺は、読むのに結構時間がかかります(井齋先生の著書の何倍も)。
それを経て、精神科にすぐ紹介するほどでもないグレーゾーンの患者さんに対して漢方薬で対処する手法が述べられており、ここはわかりやすい。
ただし、この本を読めばすぐに処方できるようになるというものではなくマスターするにはやはり経験と時間が必要です。
気血水理論では気滞(気が滞る)と瘀血(血が滞る)・水滞(水が滞る)も伴いやすい、とか慢性化している時は瘀血がかかわっているとか、文章の端々に参考となるヒントが隠されており、参考になりました。