大根の気持ち
健康管理に欠かせない日本伝統の食材は、
ゴマ、魚、大根、大豆、海藻類、茶の6つだと言われる。
日本人の長生きの秘訣は、戦後の欧米食の取入れと
この伝統食材のお陰げかもしれない。
さて、大根だがトゥル-ズでは、
みずみずしい新鮮な大根が、なかなか見つからない。
日仏ハ-フの熟年マダムよると、
「大根?近所のアラブのお店で、時々売っています。」との情報。
早速、恋人にでも会いに行くように、
わくわく心を躍らせながら、かの店に直行。
「これだこれだ!」丸々とした
白ねずみ(十数センチ)くらいのまぎれもない大根。
尻尾もあって なかなか愛らしい。
先ず、大根おろしにして、おそるおそる試してみる。
「なかなかいけるぞ!コレ!」
翌日、みそ汁にも入れてもらったが、こちらも
申し分がない。
日本の大根の味とほとんど遜色がない。
このチビ大根、Navet Marteau ( ナヴェ・マルト-)
と言うらしい。
ナヴェは かぶらや大根のことを意味し、
マルト-は金槌(ハンマ-)と辞書に記載されている。
俗語だが、マルト-の意味がもう1つ。
「気が狂っている、頭がおかしい」と書かれているし、
古語では「間抜け、バカ者」と付け加えられている。
このチビ大根に私は心から同情してしまう。
日本では、「大根役者」という比喩もある。
日仏で大根をバカにしている。
「リンゴの唄(※)」に入れ替えて、
「大根は何も言わないけれど~♪♪」
でも私は 大根を決してバカにしないぞ!!