クレモナ カルテット

ヴァイオリンの可能性を見極める ~その2~

 楽器の可能性を見極めるにはこんな方法もあります。
 
実際にあるコンクールで行われている音響審査での話です。
通常、製作コンクールで行われる音響審査は、 [ソロ] [ピアノとの室内楽] がほとんどなのですが
このコンクールでは、さらに [オーケストラとのコンチェルト] 審査があります。


さて、製作者の中には音響審査で得点を得る為、表板を薄く作る禁じ手を使う人もいます。
なぜかというと、表板を薄くすると「箱鳴り」する楽器になり、奏者にはその音色を好む方もいます。
悔しいかな、表板を薄く作ると[ソロ]や[ピアノとの室内楽]では高得点を得やすいのです。ですが、力の弱い楽器になり後々トラブルが発生することを思うと、そのような楽器を創り出すことは出来ません。

そこで登場するのが[オーケストラとのコンチェルト]審査です。

ソロでは良く鳴っているように思えた楽器が、オーケストラの弦・木管・金管・打楽器の音の層に埋もれて、劇的に音が聞こえてこないのです。しっかり厚み※をとっている表板の音はコンチェルトに十分通用しているのです。

普通に考えると当たり前の事ですが、実際に目の当たり(耳あたり!?)してビックリしました。
実力のある楽器を見極めるには、オーケストラとコンチェルトを弾いてみるのもいいかもしれません。
とっても贅沢なことですが!!


※厚すぎても今度は振動しにくくなるので、表板の材料それぞれに合った厚みという意味です。
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