ー たかが喫茶店 ー
ある休日の午後1時ころ
部屋で昼食を食べ終えのんびりしていると、先輩から電話があった。
「どうしたんですか?」と聞くと
「べつに」っと先輩は応えるが
僕たちは用もないのに電話で話し合うような、
あるいは『用はないけど声が聞きたかった』なんていう、付き合って3カ月の高校生カップルではない。
しばらく間があった後、先輩が言った。
「コーヒー飲みに行こう」
僕は即座に「いいですよ」と応え、「いま何処ですか?」と聞くと
先輩は「コンビニ」と応える…
が、
コンビニなんてこの世の中にどんだけあるんでしょう...
また始まった
「いやいやいやいや、何処のコンビニですか?」と食い下がってはみるものの
「コンビニつっとるやろ。くどいわ!」と言い出した。
作戦を変更し
「そこから何が見えます?」と聞くと
即座に返事があった 『市役所!』
言いながらちょっと笑っている
それもそのはず、僕の街では市役所が一番高い建物で、市内の大部分から市役所が見える。
つまり何の参考にもならない…。
次に「なんて言うコンビニですか?」と聞くと
「ファミマ」だそうだ。
僕の街はもともとファミマが多い地域ではあるが、サークルKと合併してから さらにファミマが増え、最近じゃ右に曲がればファミマ・左に曲がってもファミマ みたいな状況になっている。
つまり何の参考にもならない…。
「何店ですか?」と聞いても、「わからん」と答えるが、
「〇〇店ですか?」と聞くと、「違う」と答える。
きっとこの人はアホなのだろう
つづく