取材日記

税金のむだ遣いについて取材過程を書いてます。かなりきわどいことも書いてるので他言無用。

予算の架空計上

2005-08-31 | Weblog
一時期、読売、朝日新聞に連続して報道された政府の「予算の架空計上」の話。過去何年にも渡って使われた実績のない予算が計上されて、他の目的に使われていたり、毎年の実績に比べてやたらと多く予算に計上されていたりといったずさんな予算要求の実態が一部だが明らかにされた。

例えば、電源特会で実施している物産展。この財政難の時代に物産展に毎年10億円も使うこと自体どうかしているが、行われていない説明会などのために毎年3千万円ほどが架空に計上されていた。

さらに、分かりやすいのが社保庁の予算。実施していないエアロビ大会や綱引き大会(こんなのやる訳ない)のための予算が執行されずに、江角マキコのCMに使われていたり。

筆者が仕掛けたものも多いが、財務省もとうとう自らの過ちを認めた。平成18年度予算の概算要求から「執行実績のない事業等、予算積算と執行実績が乖離していた事業を洗い直し、概算要求書に適切に反映」させる。財務大臣からの指示で主計官会議や閣議後の閣僚懇談会で周知徹底させている。

先ほどの物産展や財務省のネットワークセキュリティ監査経費など具体例として列挙した資料(ここでは資料1とする)をもとに、それらを改めるという。

しかし、財務省がやるのはそこまでで、内部の人間に聞くと、具体例としてあげられたもの以外についてどうするかは各省に任されているらしい。資料1に列挙されたもの以外で明らかになった事例について財務省は取りまとめるのかと聞くとそれはやらないと回答してきた。では、どこをどう見直したのか分からないではないか?

さらに、資料1はマスコミには配布していないことが今日、分かった。自分たちに都合の悪いことはなるべく表面化させたくないらしい。でも、それが分かった後に、コピーしてマスコミに配ったから彼らのやったことはムダな努力なんだけど。