『外交は眼でするもの』菅首相批判 by田中秀征

12月1日　INsideoutに出演された
第一次橋本内閣・元経済企画庁長官田中秀征氏の発言が
とても良かったので書き起こしの要約です。


菅さんは２０代の頃から実務肌。
官僚組織に厳しい目を一貫して持っていたから信頼していた。
三段階において失望感が深まった。


一段階：消費税発言
財政再建のために言ったというより、消費税アップを打ち出せば
参院選挙に勝てると思ったことがいろんな報道でわかった。
経済回復も行政改革も省略して消費税を打ち出せば
世論が背を向けることを知らなかった。
なんだこの男は！信じたものと違うじゃないか！

二段階：尖閣からAPEC
特に中国、ロシアの首脳と会った時、目をそらしてる。
橋本元首相から聞いた話。
普天間を返してくれと言った時、
クリントンの目をじーっと見て目をそらさなかった。
外交で相手に本気度を伝えるのはそれしかない。
特に通訳を使う場合、絶対、それが欠かせない。
足下をみられたり、軽く見られるに決まってる。
外交は目でするもの。目に本気度が出るから。

三段階：北朝鮮対応
あきれたのは、17時台にしゃべったこと。
国民向けに「万全の対策をととのえる」というような発言だった。
隣で火事が起きた。みんなで火事を消すことが先なのに
その傍で、外に向って「我が家は安全ですよ」と言うことと同じ。
第一報を聞いて「大変なことが起きた！」と言う。
推測だけど、戦争に発展すると早トチリしたんだな。
だから国民が動揺しないように、万全対策を発言した。

18時に韓国大統領が記者会見した。直後にアメリカ。
ロシアにも菅さんは負けたんだよ。
すぐ世界に向けてメッセージを出すべきだった。
結局、仙谷が22時前にやったが、菅、本人が言うべき。
これで絶望的。

これは、ひとりの人間として隣の国の怒りを
言葉にしていいんだから。非難していんだから。
国民にどういったら「褒められるかなんて考えなくていい」
生身の日本人としてストレートに感じたことを言えばいい。


小泉さんが金正日に会いに言った時、ぜんぜん目をそらさない。
射抜くようにして。国を代表しているんだから。
融和政策は平和の道じゃない。
自分が確信してないんだろう。
確信していたら、相手を射抜くんだよ。

１％になっても辞めない。９９％の民意を否定している。
菅さんに退いてもらいたい人の税金も予算として分けてるし
首相としての給料も経費も９９％の人が大半、払ってるんだから。