Diario del companero ocioso

missing Marrakech!

SWEET AND LOWDOWN (ギター弾きの恋)

2009-08-20 11:58:16 | cinema
久々に、見始めて数十分で見るのを止めた映画、ハッカビーズ。
なんだかまどろっこしくて、面白いと思えず。

それはさておき、10年前のウッディ・アレンの映画。主役がジプシージャズのギターリストなので、作品中は目いっぱいクラシックな雰囲気のジャズがかかるんだけど、曲がかなり良かった。曲を聴くだけでも見る価値あり!って感じ。
ジャズに詳しくないから、ジプシージャズはディキシーランドジャズとどう違うのかも良くわからないけど、ともかく、聴いてて心地よい曲ばかりだった。
ちょうどロビン・ライトがまたも(?)離婚の申し立てをしたみたいで、この映画の中のエメットが、ショーンの実生活とかぶって見えてしまった。
どんなジャンルの映画でもこなす、芸達者な人なのにね…
サマンサ・モートンがかわいい。口が利けなくても、表情やしぐさで気持ちが良く伝わるし、ハッティに対して必ずしも真摯でないエメットをけなげに思い続けるのがこれまた素敵である。
作品の中ではすぐに壊れてしまったけど、この月型のオブジェがなんともまたキュートだった。こんなの欲しい。
やっぱり、ウッディ・アレンは、ジャズとか、NYを絡めてる以前の作品のほうがうんと良い気がする…


LA STANZA DEL FIGLIO(息子の部屋)

2009-08-18 12:35:34 | cinema
監督、主演も務めた作品でパルムドームをとってしまうなんて、ナンニ・モレッティって凄い人だなーと思った。
作品中では目で絶妙に物を語っているなーという気がしたし。
羨ましくなるほど仲のいい家族に突然降りかかった不幸、これで家族がばらばらになりかけてしまって。息子の事故死はもちろん大きな出来事なんだけど、全体的には静かで、繊細で、普遍的な物語。まだ自分にとても近い人を急に亡くすといったことを経験したことのない私だけど、この作品を見ていてとても共感できた。
“あの日”のことを引きずって、自分を責めてばかりのジョバンニの気持ちが痛々しくて。
ただでさえ、精神分析医なんて、自分もうんと神経を使いそうな仕事なのに、それが身内に不幸が起こった後では、続けるのはあまりに酷だよね。
この監督にとって、精神分析医を演じることは大きな意味があったんだって、監督のインタビューを見ていてなるほどなーと思った。それにしても、精神分析なんていうと、どうもウッディ・アレンの作品を思い出してしまうけど。イタリアでも精神分析は一般的なのかな?ちょっとびっくり。
娘役のジャスミン・トリンカって、この間“イタリア的、恋愛マニュアル”で見たばかりで、今回の娘役はまだ素朴な雰囲気なのに、数年でうんと綺麗になっちゃってるのにびっくりよ。
ジョバンニが出かける時、家族に“Ciao ragazzi”みたいな言い方してたけど、ragazziって家族にも言うんだ。ちゃんとイタリア語を勉強していないので知らなかったけど、英語のguysと同じようなものなんだろうか。
まあ、ラテンの国だしね、愛情表現の一つなのかもしれないけど。


LES POUPEES RUSSES(ロシアン・ドールズ)

2009-08-17 12:43:06 | cinema
“スパニッシュ・アパートメント”の続編。スパニッシュ…はまあ面白かったので、続けてみたけど、こっちは見ていて、もういいよ…って感じだった。
続編が面白い映画もあるでしょうけど。
主人公は前作に引き続きダメ男グザヴィエで、それでも前作はまあ、ダメっぷりをそれなりに面白がってみていたけど、今回は共感できないよ。
なんだか説教くさい流れだったり、展開が読めちゃったり、アメリがヒットしたから、無理にオドレイの役作ったんじゃない?って思えたり。
いろいろ意地悪に見てしまった。映画タイトルに結びつけるためのような、終盤のグザヴィエの悟りのようなコメント、ちょっと無理があるよー…
しらけて見ていると、この監督お得意の早回しだったり、画面をやたら分割する映像がくどーく思えた…

いつも旅のなか

2009-08-17 12:25:58 | book
たまには本の話でも。
角田光代さんの旅のエッセイ。角田さんが旅好きってことはあちこちで聞いたことがあるんだけど、実際、あまり予定も立てず、あまり荷物も持たず、ふらっとひと月ぐらいの旅をよくするみたいです。私も旅は好きだし、一人旅も何度かしたけど、英語圏でないところに行った機会はまだ少ないし、宿を決めずに日本を発つなんて、ちょっと怖くて出来ない。学生の頃、バックパックの旅でもすればよかったなんて思っても、今さらだし。
角田さんて、話している様子をテレビで見たこともあるけど、ほわっとした優しい感じなので、そんな彼女が一人で何カ国も旅しているって聞いただけでびっくりだし、尊敬してしまう。この本に書かれているのは彼女の旅記録のほんの一部なんだろうけど、彼女の言い回しがなんだかユニークだったり、キュートだったり、読んでいてくすくす笑っちゃったり、吹き出すことが何度かあった。これが電車のなかでなくてよかった。自分には出来ないような旅の仕方でも、なんだか共感できる部分が多いし、ちょっと真似てみたいかな、と思う部分もあるし。
今年はパスポートを使う機会があるのかどうか怪しいけど、旅に出たいなぁとお盛った。

The Man Without A Past (過去のない男)

2009-08-14 11:48:20 | cinema
ヘルシンキの空港のムーミンストアのお姉さんに教えてもらったkiitos、唯一知っているフィンランド語だけど、映画の中で聞き取れるとなんだか嬉しいものです。
この作品、カンヌでグランプリを取ってたのね。
冒頭で主役がいきなり悲惨な目に遭うし、一度死んでしまったような彼を助けてくれた家族もまた貧しい。彼が出会った女性も救世軍で働いていて、皆、fancyな世界とはかけ離れている。せっかく生き延びた男も、借りたコンテナの持ち主に意地悪されたり、銀行強盗の犯人扱いされたり、とにかくツキがない。それなのに、なんだかユーモアが漂ってて、おかしいんだよね。セリフも少ないのに。
コンテナで凍死も、寒い彼の国じゃありえるのかもね…

いい意味で突っ込みどころが満載で、貧しくても、炊き出しのサービスのある日にはきちんとおめかしをするだんなさんや、ほぼ無表情で堅物の雰囲気のイルマが寝る前に聴くのが、まるでフィフティーズのようなロックだったり、救世軍で見つけた男の真っ赤なシャツが、なんだか妙に目立ってたり、ハンニバルなんて名前を付けられたわんこが、でも結構愛嬌あったり…
フィンランドの歌謡曲ってのが、なんだかちょっと演歌チックなのもおかしかった。救世軍バンドは、ちょっとベンチャーズみたいだったり、たまにちょっとハワイアンぽかったり、日本人が好きそうな、哀愁漂う感じのメロディー。

ひどい目に遭って、自分の過去も名前も分からないのに、なかなかアクティブな男のキャラクターも面白いし、若くもなければ美男美女でもない、地味カップルの男とイルマなのに、中学生のカップルのようになんだかちょっと初々しくて、新鮮だったり。元妻の新しいパートナーと”決闘”ってのも、西部劇みたいで、おかしい。まあ、戦わなかったけど。
男が食堂車みたいなところでなぜか寿司を食べていて、ウエイターが日本酒をサービスするシーンにはびっくり。流れていた曲、今度こそ正真正銘の演歌か?と思ったら、クレージーケンバンドだったらしい。なんで?
まあともかく、静かだけど味のある映画だった。

L' AUBERGE ESPAGNOLE (スパニッシュ・アパートメント)

2009-08-13 12:13:19 | cinema
バルセロナといえば、もちろんバルサ、一気に知名度も増したエスパニョール、サグラダ・ファミリア…なんて、ほんの一部。
そんなバルセロナが舞台で、多国籍のルームメイトたちが出てくるんだけど、結構ハチャメチャ。割にきちんとしている子もいれば、ぐだぐだなメンバーも何人かいるわけで。当然、仲たがいもしますよ。まあ、こんな部屋に住めば、それなりに楽しいかもしれないけど、プライバシーはなくなるわな。
でも、住人の一人の女の子のピンチの時には、いつもはばらばらな仲間たちが一致団結して、本国から彼女を突然訪ねてきた彼氏に彼女の浮気がばれないよう、文字通り奔走するところがなんともおかしかった。
いつもはルームメイトたちのだらしなさにほとほと嫌気が指している彼女の大ピンチだったから、なおさら。そして、彼女の弟がまた本当にうざったいキャラで、こんな人が近くにいたら大変だよ!って感じだった。
私もワーホリの時はいろんなルームメイトと共同生活して、困ったことも、楽しかったこともある。映画を見ていて思い出してしまった…

映画で使われている曲もいろいろあって、サルサやら、レディオヘッドやら、スペイン語のロック(だっけな?)やら、おしゃれ!そういえば、せりふもフランス語、スペイン語、英語、ちょっとドイツ語も出てきたりで、異国情緒たっぷりで、面白かった。




Manual D'amore (イタリア的、恋愛マニュアル)

2009-08-10 15:27:14 | cinema
この邦題はどうよ?って見る前には思ってたけど、原題も似たようなものだったのね。
イタリア映画を見るのって初めてかも。
映画にはあまりなじみがなくとも、calcioにハマって久しいので、まあ、今さらびっくりすることでもないのだけど、イタリア人って、ほんとによくしゃべる!
老若男女を問わず!翻訳の勉強中の身としては、いろいろ気になるわけで、これはイタリア語から直接和訳したのか、それとも英語が中に入ってるのか、いずれにしても、翻訳者さん、大変だろうなぁなんて、いろいろ想像しちゃう。

それぞれどこかイケてない(これもう死語かな?)、登場人物が次々出てきて、いろんな恋愛模様が映し出されるんだけど、これがぐるっとめぐって、上手くつながってるんだよね。若いカップルばかりでなくて、倦怠期を迎えている夫婦が、いろいろあって、それでもやっぱり仲いいんじゃん!っていうのが見えたり、微笑ましい。
一番最初のエピソードの、シャイでドジな男の子が、高嶺の花のような女の子に真摯にアピールし続けて、ハッピーエンドってのも、見ていて幸せな気分になったし。

イタリアに関する本をちょこちょこ読んではいるので、黒猫のエピソードもそのとき出てきたような気がするし、自分が小さい頃、黒猫ヤマトを見ても不吉!みたいな噂があった時期があって、それってひょっとすると、このイタリアネタとも出所は一緒なのかな、なんて思ったり。
そういえば、カカって、ほんとに○○なんだ…!
予想以上に楽しい映画だった。