見出し画像

鼓曲萬来

THE HOLLIES(再)

場所はサンケイホールだったか渋谷公会堂だったか
前座が有ったのか無かったのか、残念だけど記憶は殆ど無いんだけど
 
只、今でもしっかり覚えているのは
グラハムナッシュがいたホリーズを見られた事と
そしてなによりボビーエリオットのドラミング
此れは、今でも、というか一生忘れないだろうと思われる
超絶な衝撃と感動を与えてくれたんだ
 
勿論ホリーズや彼らのヒット曲のすべてはほぼ知っていたんだけれど
歌とハーモニーがいいな位にしか思ってなかったんだ
 
当時は丁度モンタレーの頃かな
音楽もどちらかというと3分間のPOPSというよりは
日本でもブルースやサイケデリックが台頭し始めた頃で
僕も高校に通いながら夜クラブやDISCOで演奏し始めた頃
 
当然来日したバンドのコンサートには色々と興味を持って出かけたんだけど
お目当てはバンドというよりはドラマーのスティックワークだった訳で
正直、ボビーエリオットにはそんなに興味はなかったんだ
やっぱりホリーズはグラハム、アラン、トニーの超絶ロックハーモニーでしょ

Yes I Will (Alternate Stereo Version) (2003 Remaster)

だけど聞くと見るのでは大違い
レコードでは決して解らない、LIVEのドラミングていうか
ああ、「ロックンロールのドラムはこう叩くのか!」っていう事を
繊細かつ大胆に初めて目の前で見せてもらったのがボビーエリオットだったって訳です
 
演奏した曲目は「バスストップ」「ジャストワンルック」をはじめとした
どの曲も当時のチャートを賑わした曲ばかり
途中に「ツーマッチモンキービジネス」といったロックンロールを挟んで
グラハムナッシュの弾き語りを含めた内容だったけれど

ボビーエリオットはマッチドグリップで
シンバルレガート、リムショット、ハイハットやペダルウォークのバランス
シングルロール、ダブルストロークの音圧の高さ、フィルのユニークさ
そしてコーラスを支える「一緒に歌うドラム」
どれをとっても、当時の僕にロックンロールはこう叩くんだといわんばかりに
バンドをスイングさせていた
 
後にコージーパウエルが
「マンチェスターにボビーエリオットがいる限り、俺はNO2!」
そんな「実は..」話を聞くのはずっと後の事で
その時は目の前のドラムのスティックワークに
「本物だ!」と興奮を抑え切れなかった
 
当時はまだPAとかも無くて
つまり場内マイクって時代
従って今のPA乗りの良いチューニングとかコーラスワークではなく
まさに「出音一発!」
従って、音はモロにバランス、ボリュームを考えた
生の音がキーになる
当然楽器は手持ちだけで来日したんだろうけど
 
この感じが今の60sに憧れるバンドとの違いと言って良いほど
良く鍛えられた、考えられた、LIVEの迫力に繋がっていた

The Hollies - Just One Look (2021 Stereo Remaster)
 
 昔一緒にバンドやってた、亡くなった佐久間正英がよく
「プロデュ-スしてると、あの頃の音にしてくれなんて頼まれるんだけどさ~
無理、無理!
ハードか違うんだって~の
真空管アンプ 鉛の入ったペインティング塗料やノーミュートのドラム
広々としたスタジオに
レコーディングアナログアンビエンス機材環境
そしてなにより出音の確かさ.....タイム感と8ビート
恒やんが叩くといっぺんにあの音になるけど
今のドラマーじゃ、出ないよ....」
なんて褒めてくれてるのかけなしてるのかよく解らんけど
そんな事をよく言ってくれてたな
 
そんな事を言われるのも
ボビーから受けた教えww
 
50年以上色々なコンサートやフェスに行ってきたけど
このホリーズのコンサートは僕にとって3本の指に入る位の
忘れられない思い出だ
いや、ボビーエリオットが与えてくれた「How to Play Drums」という意味では
No1! ベストのコンサートと言ってもいい
 
其のときの演奏曲目がどこかのサイトに載っていたけれど
此れに「Too much monkey business」と「ルシール」を加えれば完璧かな
 
 1. Stop Stop Stop 
 2. Just One Look
 3. I'm Alive
 4. Look Through Any Window
 5. I Can't Let Go
 6. Bus Stop
 7. Carrie Anne
 8. On A Carousel
 9. Jennifer Eccles
10. Dear Eloise
11. Butterfly
12. The Times, They Are Changing'
13. A Taste Of Honey

 何年かたってレコーディングでホリーズスタイルを取り上げたのを思い出しても
この時の僕の入れ込み用は半端じゃありませんでした。

その数ヵ月後、グラハムナッシュは

クロスビーやスティルスと共にウッドストックのステージに現れたんだ。



  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「嗚呼! British Rock同好会」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事