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鼓曲萬来

Rock’nRoll My Way ⑫ ハルヲフォン7

まことちゃんに於けるハルヲフォンの歴史的考察 

楳図かずお先生はよく御自身のマンガ「まことちゃん」の中に
ハルヲフォンを登場させて下さった
登場は12回に及んだ....そのシーンを振り返ると当時の状況をヨク思い出せる..
 
初登場!!は昭和52年少年サンデー15号「おむつ軍団の巻」だった。

おむつ軍団とは遊んでられないのら..と言って、まことちゃんは一人で遊びに出る..
その時彼は言った>>
「ぼくちゃんはもっとおっちいこのするあそびをじにいくら~!!」
そして唄うのは「マネ-ジャ-からでんわれ~おまえはクビらよ~!!」
ハルヲフォンの1stアルバムの「黄色い太陽」である。
これは鋭い指摘だった.初めからまことちゃんは見抜いていたのだ..
このバンドは大人の遊びなのだ.と.、

毒を持った彼等のいたずらにも近いものである事を..
なぜなら此の曲は当時銀座NOWのレギュラーをしていた時、
よく番組の中で演奏していた曲であった..
いや演奏であるとか..唄である事以上に、
この曲で我々がTV画面からMESSAGEしたのは
来るべき未来のデジタル、シンメトリカルなACTIONの部分であった..
完全にプログラミングされた..相互LINKされた動き..である。
 
非人間的に駒送り、スローモーション、
ビデオに収録された録音画面を見るような感覚..
アナログ、ハートフルなLIVEにそれまで見た事の無いような
デジタル感覚を持ってTV画面で動き回ったのである..
これを未来の大人、よい子まことちゃんは見抜いた..ごれはおもしろいのら..と!。

そしてこの号では楳図先生自らこう発言なさっている...
「みなしゃ~ん、先日.東京杉並で開かれたハルヲフォンのロックンロールリサイタルにたくさんきてくれてありがとう。
とてもたのしかったのら!!近田さんもお礼をいってるのら!」である..
此の時先生はこのコンサートのポスターをつくって下さった..
たしかまことちゃん、ピョン子ちゃん、モン太、ひろしがバンドをやってて、
そのお面を取ると俺達の似顔絵が書いてあるという奴である..
ドラムはピョン子ちゃん、つまり俺である。まことちゃんは近田、
モン太はプリ、ひろしはタマ..このポスター誰か持ってない?
 
たしかハルヲフォンレコードリリース直後のコンサートで、
白い衣裳に発光物質塗って、ブラックライトの中でスタートしたプラステイックムーン、
途中からそれとわからずにカラオケにすり替えて、
衣裳変えなんて荒技も..
GSメドレ-は君に会いたい~忘れ得ぬ君~好きさ好きさ好きさ~ブルーシャトウ-~
愛するアニタ~朝まで待てない~あの時君は若かった、
そうそうクリムゾンキングの宮殿~ショージョージ~ダイナマイト~キャデラックなんて
めちゃくちゃなメドレー、青江みなの私のスターなんて曲を唄ったのを覚えている..
ベンドミーシェイプミー、サタデイナイト、選曲はめちゃくちゃだね...
前座はね..後にジューシーフル-ーのベースになる「東京スタイルス」....ダッタカナ。
 
それを見て、まことちゃんと先生はとても楽しかったとおっしゃってる..
これはね..とても重要な事なんだ..今の時代じゃないんだよ...
此れを音楽の世界で発言するには勇気のいる時代だったんだ..
意味の有るもの..真面目に追求するもの...
そんな音楽界のメインストリートにあって楽しいは..言わばね..禁句だったんだよ..
歌謡曲にGS、もっとも忌み嫌われる世界。先生はこの漂流コンサ-トに迷いこみ、
そして自分の世界にハルヲフォン、ROCKやりたい..面白いを取り込んだんだろう。
 

ハルヲフォンのレコードは表面上は明るい..
でもね..世界感はね、おっちいこのするあそび..そのとうりなのら....まことちゃん..!
太陽が黄色くみえるまでね...。
 
昭和52年少年サンデ-33号「ゆうれいタクシーの巻

先生のコメント「みなしゃん!!ぼくしゃんはこのまえハルヲフォンと
ロックコンサートをやったのじゃ!!えらい人気だしたえ!!
さいから、東京三軒茶屋の三番館でうたいまくったのら、
これまた爆発的な拍手をあびたんだもんね!!」である..
先生はこの頃御自身のバンドを結成したのだ。
そうそうあったよなLIVEHOUSE..屋根裏、三番館..
演奏はかなり好き勝手な曲をやってた気がする..
飽きてくると..お客さんが唄うのだ..一人うまい子いたな、そうそう都はるみ!
そう呼ばれてた子、
ピース少女に、コンボイ少年、なんてニックネームまであったファンもいた。
もちろんlivehouseはハルヲフォンでもやったし..
別名義での活動もあった..タマとガ-ルスのイリア(後のジュシー)のバンド..
オートマティックパイロットなんて曲覚えてるよ..ウオッカコリンズの曲だっけ?
俺のバンドはさ..大二に佐久間..リバプールサウンドだよね..バンブルビー、カラミア、
エンドオブザデイ、かなりのレパートリ-ーり出したよな..
200はあったんじゃない?、レパートリー。

LIVE..特に満杯のLIVEHOUSEは人の熱気でむせかえるようだった..
最前列はポンポン隊..「GO!GO!LET'S GO!..」なんて掛け声を掛ける連中、
その後ろはROCK少女、そしておたく系深窓の令嬢..
そしてあきらかに業界風プロフェッショナル軍団..
デザイナアーティスト系の子、一握りの男の子、関係者とその周辺...
客層はこんな色分けがされていた..当然好きな音楽も千差万別さ..
でもさ、関係ないんだよね...そんなの、
要はさ..理屈抜きで盛り上がる時代のなんていうか..
疾走感、メインストリートからちょっとはずれたセンス...
それらをごった煮にした無分別、無教養、無節操、の三ないサウンド.
で.ハルヲフォンはその後継者を次代に繋げていく、
そんな役割を果たしたような気がするよ。
 
当時のLIVEHOUSEの構成はさ...まず自分達のORIGINALでしょ...
それから渋いB級GSナンバー、いやになる程有名なヒット曲、BOOKER Tのインスト、
前後に脈絡の無いスピ-ド中心のOLDIESメドレー、
なんでこんな曲出来るのと客が引くようなハイテクな曲、ぶあついコ-ラス、でかい音,
WHOとバーケイズとGSを意識した信じられないACTION,
なるべく客にさとられないカウントとエンディング、インプロビゼーション、
死にそうにおかしいMC,これらが持ち駒だった。
 
昭和52年少年サンデ-36号「ああ沢田城の巻」

まことちゃんは沢田まことというのだ...お姉ちゃんはミカ..
そしてこれはその家系図
先生「これが..まことんちの家系図どすえ!!」

これによると..先生もピンクレディもイルカも郷ひろみも
伝説の雀鬼(清水健太郎)もすべて親戚である...、
もちろんまことに美香も...それに凄い事に大石蔵ノ介や松下幸之助、福田赳夫、
アランドロンも親戚になる...凄い家系だ..。
ハルヲフォンの親はミノルフォンとなっているが..
パーロフォンという外国の親もいるんだが..
まあいいか..。でもこれは私知りませんでした...ピンクレディと親戚とは..。

今の子供だったら...クレヨンしんちゃんかな?....
でもさ先生のまことちゃんは同じ子供でも世界観が全く違うのさ...
先生の書くマンガはおろちや漂流教室、へび少女?全く怖いマンガだ..
異次元、妖怪、異相、どこかの知らない国..大人は..いないんだ、
従って馬鹿にする対象でもない、
例え大人が出て来てもそれは基本的にその様相を呈しているだけの形だけの大人..
スピリットは自分達と同次元...先生の書いた家系図、
めちゃくちゃだけど..こうなんだろうな。.
 
..この家系図これはハルヲフォンのサウンドにも通ずる...
これにBOOKER T,フォーフレッシュメン、スパイダーズ、フランクザッパ、ピストルズ、
大島弓子也を加えれば..ハルヲフォンレコードさ。
 
昭和52年少年サンデ-41号「悩み事相談室の巻」

せんせいのセリフ「このまえの三番館でのコンサートは楽しかったどすえ-、
それからハルヲフォンをゲストによんで楽しいコンサ-トをやりましたよ。
よいこ党はおやすみだったのら!よい子党ごめ~ん!」....
と言う事は..バックはハルヲフォンがやったのでしょうね...
先生と一緒に演奏した記憶..そうそう..
半ズボンでピンクと黄色といった強烈な小学生コスチュームと、
ああ、そうそう..まことちゃんのかぶりもの、確かものすごい大きなかぶりもので...
まことちゃんがステージに乗って来た事がある。
 
昭和52年少年サンデ-43号「ちびるの巻」

まことと美香とママリンはらん丸のコンサートのポスターを見る...
美香のセリフ「高田馬場ビューテイボックスで..らん丸オンステージ!! 
ゲストはハルヲフォン、ピンクレディ、クールス!!..
バンドはよいこ党じゃっ!!みろ!!」である..LIVE多分先生は御自身のバンド、
よいこ党でおでになったのかも?
高田馬場ビューテイボックスは記憶に無い..
これは実在したのか?しかし此れは凄い!...
先生の中でコンサートゲストのヘッドライナーはハルヲフォンなのである..
ピンクレディでは無いのだ!!...。
しかし..これはありえない..当時のピンクレディの人気たるや..
.しかしまことちゃんにとっては...ピンクレディよりもハルヲフォンなのだ..
そしてクールスが前座か~!まあこれは当然よね.
.奴等のファーストアルバム演奏俺達だもん..
「電話帳手でひきちぎって!」なんてよくリクエストしてね...
やってくれたんだ...ひきちぎりSHOW。
 
昭和52年少年サンデ-46号「どど彦さまの乙女こころの巻」

これは唄の歌詞のみ..1STアルバムから..
シングルにもなったシンデレラ、「踊りにいこうよ..イェイイェイ...
シンデレラじゃあるまいし..!!」である。
ところでチャーがまだデヴューする前にこれを銀座NOWでよく見てたそうなんだ..
奴は誤解しててね..薬のCMソングだと思ってたそうだ..
会った時さ..嬉しそうに唄うんだよ..「シンデレラじゃアルマイシン..」って..
チャーよあるまいし...だ!!!

昭和52年少年サンデ-50号「ぼくしゃんの結婚指輪の巻」

これは先生の告知「11月24日の午後5時から7時まで
京都の同志社大学れB.G(ビチグソ)コンサートをぶちかますのじゃ!!
ハルヲフォンといっしょじゃ!!きてくで!!..
同志社大学のみなしゃん..たらいままいります!」と言って
高田馬場ビルというところから飛び出そうとするのだ..。
京都ね..当然営業からまして行ったんだろうな..
この同志社のコンサートには記憶がなかったけれど...
LIVEHOUSEまわった記憶はあるワ..。
 
>>>ついに本人様登場!!は昭和53年少年サンデ-5、6号
「ロックンロール大賞の巻」。
とうとう登場したのだ...ロックンロール大賞と銘打ったコンサートに...
前座はピンクレディ、司会者は叫ぶ!「近田春夫とハルヲフォン!!」
大熱狂の中おばあちゃんは叫ぶのだ「春夫ちゃん~!!すき!」
そして演奏が始まる..俺はバスドラの中を破って出てくるのだ...バ-ン、
その衝撃でプリとタマはPAに吹き飛ばされる。
そして熱狂する客を見て俺達はあがってしまう....。
左からプリ、俺、近田、タマだ..。あがった時は..記憶ではこの時だけだ..。
 
RELOADEDにも書いたけどさ...あながちこのステージシーンはデフォルメではない...
まさにこんな感じだったんだよ..
最初のシーンは..まあ、おばあちゃんはいなかったんだけどさ..
変わったファン...多かったんだ..普通のROCKじゃ満足出来ない、精神的にね..
枯れた、ストレンジな子、俺もさ演奏して無い時はドラムの椅子には座って無かった、
ステージ歩き回って..登場する時はさ..でんぐりがえししながら..出てくるんだよ..
全員ゴロゴロ転がって!アクションもこんな感じさ..信じられないだろう?
そんなアクション見た事無いだろう?今のバンドマンには出来ないよ..絶対!!
そしてMCはめちゃくちゃさ..もう見られないね..残念だけど..
後10年早く生まれてたら見れたのに..空前絶後のライブパフォーマンス!!....。
 
昭和53年少年サンデ-7号「がんばれ!らん丸の巻」。

そして..ロックンロール大賞は..次のアナウンスによって発表される...
「ただいま大賞ノミネートは近田春夫とハルヲフォン、
そして話題のすい星、らん丸により、あらそわれております」..だ。

残念ながら..
ピンクレディ、そして、ひろみズ、ベイシテイローラーズKISSは
選に漏れてしまったのだ。
もうこうなると俺達はビートルズ、ストーンズ級だよね...先生どうも有難うございます...
しかし大賞は..誰の頭上に輝いたかというと....
[たいへんROCK]を唄った、らん丸が取るのだ..ガックシ...!
でも先生..このらん丸いうROCKSINGER...これって先生じゃないんすか?
いや..別に残っただけでも幸福で...クレームちゅう訳ではないんすけど....。
残念だなあ..盛り上がった客の前であがらなかったら...優勝だったかもね...。
選曲もな~「ロキシーの夜」だろう..いい曲なんだけど...
LIVE向きじゃないんだよね...。

昭和53年少年サンデ-31号「臨海学校の謎の巻」。

ここで俺達は落選した反省も含め、LIVE感に溢れたアルバムをリリースするのだ...
あれ...いかん!.現実とまんがが混同して来た。

で..先生のコメント「ハルヲフォンのLPがでたど-、デメターン!!
きみもしってるらろー!!
ヒットポップスののど自慢大会、たのじいろ-!」である..
しかし..デメタンって誰だろう?のど自慢大会かあ~、
う~ん、そうか俺達の日本のROCK界に惨然と輝くかの名盤は
のど自慢大会だったのか...、そういわれりゃ..そうかもね。

ヒットポッツプスのど自慢大会、電撃的東京

「姫はもらったの巻」
「エレクトリックラブストリーの巻」

以上の2作品は残念ながら...資料が無い、どんな内容だったか?。
しかしまことちゃんは今、30才を越えたところだろう?どんな大人になってるの?
元気にしてる?

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