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鼓曲萬来

レイチャールス・シンシナティキッド(改)

暮れになりますと
映画なんぞを見る機会も増えまして
ワゴンに山と積まれたDVDの山から
めぼしい奴を見繕いまして
一気に見だめという状態になります

まあ、新作や話題作とかは別としまして
見てて楽に時間が過ごせるのが良いですな
あまりストーリーとかが複雑ですと
見てるだけでグッタリする事もあります

となりますと私の場合、音楽物とか
よく知っている好きな映画を再度なんていう事も多い訳です

まあ本当によく飽きないなと思う方もいると思いますが
もう何回見たか解らない位の頻度で見てしまうのが
ステイーブマックイーンのこれ
シンシナティキッド

ご存知の事かと思いますが
ポーカープレイヤーのストーリーでございまして
もうオープニングからその世界に引き込まれて
結果とか解っているのに最後までボーっと見てしまいます
昔のニューオリンズの町並み
ハリケーンで壊滅前のフレンチクオーターの風情
そしてギャンブラーを飲み込む欲望の渦

The Cincinnati Kid - New Orlean Orchestra  

いや、見つつも調子の良いときに浮かればかりいてはいけない
悪い時も意気消沈してはならぬと自らに戒めを込めつつ
年に一度は自らに言い聞かせている次第でして

で、その潮目が変わるというか......
好調不調の波の変化を映画の中から感じさせて貰うのですが
同様にサッカーのワールドカップ、MLBワールドシリーズを最近良く見ておりました
ワールドシリーズはヒューストンアストロズ
ワールドカップもアルゼンチンの優勝で幕を閉じましたが
スポーツと言えどもそこはやはり勝負事ですから
勝敗の行方に熱くなり一喜一憂するというもの

まあそこでなんですが
スポーツとギャンブルを一緒にする事も良くないと思いますが
その勝敗を分ける物
勝負を左右する物の重要な部分はなんなのか
相変わらず、解説者の使用する言語は大昔とちっとも変わっておりません

いや 昔からなんとなく不思議に思っておりましたし
興味も持っておりました
いわゆる「つく」「つかない」という
不確定な要素を多分に含んだ
神の領域ともいえる
 その界隈の使用言語ともいえる言葉とは 

「ながれ」....
その使用頻度は笑ってしまうほどです。
 
「いや~ながれからみますと、ここは動かないほうが~」
ながれが見えてませんね~、
これではいい結果が出る訳はありません」
 
この「ながれ」は言葉では明確に表す事は出来ないもののようで
スポーツのように勝敗がはっきり付く物の経過点に暫定的に使用するもの
 
で、この「ながれ」は、「潮目」とか「つき」とかに似たようなもの
この「ながれ」は外国の方々にもきちっと説明出来ないといけません
 
試合やギャンブルに勝敗はつきもの
唯一つのチーム、一人の勝者以外全ては敗者のルージングゲーム
つまり殆どが敗者となる訳ですから
問題は負け際の潔さじゃないかとも思いますわ
さすればラッキーな勝利の時にも奢らず 誇らず 
負けてもくさらず前さえ向いていれば
潮目もやがて変わるといったところですかね

シンシナテイの新進気鋭のギャンブラー
キッドは地元では負け知らず
遂には伝説の老練ギャンブラー、キングに挑戦する
ポーカーチップが山と積まれ
誰もがキッドの勝利を確信した
そして最後の大勝負
レデイラックのコールと共に運命の一枚がコールされる

最初と最後に靴磨きの少年とのコイントスゲーム
少年の台詞が胸に突き刺さります 曰く
「僕と勝負するには十年早いぜ!」 

"The Cincinnati Kid" (ending)  


最後のエンディングタイトルでレイが憐れみと悲しみを込めて諭しております。
あらゆるギャンブラー達に向けて
この歌だけで購入したと言っても過言ではありません
魂に染みます

Cincinnati Kid - Ray Charles 

 




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