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【問題】出血性ショックで起こるのはどれか.
1.体温の上昇
2.尿量の増加
3.血圧の低下
4.皮膚の紅潮
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公開日:2007/3/5
【正解】
3.血圧の低下
【解説】
ショックとは,究極の循環障害の状態で,血圧が保てなくなる.血圧の低下に伴って尿量も減少する.
ショックには,原因により,血液減少性ショック(出血性ショック),心原性ショック,アナフィラキシーショック,敗血症性ショックなどがある.
出血性ショックは,大量出血に伴い,血液の絶対量が不足したためによる.
出血性ショックの例は,いうまでもなく,血液が血管外に出てしまう状態である.注意しないといけないのは,体外でなくても,胸腔や腹腔などの体内のスペースに大量に出血し,ショックになることもある.
外傷などの他,消化管から大量に出血する場合,気管支,肺から大量に出血する場合などが考えられる.
治療としては,まず,出血源を同定し止血をはかることである.つぎに静脈性血管の確保で,輸液,輸血が必要となる.
選択肢の体温上昇は,敗血症性ショックで生じる.
他の原因によるショックでは,四肢末梢は,血管が収縮し,冷たくなるのに対し,敗血症性ショックでは,逆に血流は低下せず,warm shockという状態になる.
皮膚の紅潮は,内分泌系の徴候で,カルチノイド症候群で,セロトニンなどの過剰分泌で,顔面紅潮や下痢などの症候が生じる.
難易度 ★ 重要度 ★★
『国家試験対策の冊子(平成18年度)』問37の解説に,『大量に出血すれば,当然生命にかかわる.大量に血液が消失すると血液減少性ショックという事態になる.』の記載あり.