cnx ゑぶろぐ

著作権の切れた(笑)、やまとことば(またはカラフミ)で綴るゑぶろぐ。
ふみは、やまとことばで、あらまほしか。

ゑぶろぐ(枕草子風)

2004-06-16 17:48:12 | ゑぶろぐ
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく、岩館のきは少し明りて、紫だちたる車の煙のほそくたなびきたる。
夏は、夜。月のころはさらなり、闇もなほ、花火の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。雨など降るも、をかし。
秋は、夕暮れ。夕日のさして、岩館の端いと近うなりたるに、珍走りの寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて、検非違使の車などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、弾の音、今際の音(ね)など、はた言ふべきにあらず。
冬は、つとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、扇火桶など急ぎおこして、油持て渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、扇火桶の火も赤く消えがちになりて、わろし。

註釈 岩館 「びるでいんぐ」の古語的表現。Building。
   検非違使の車 「ぱとかあ」の古語的表現。
   扇火桶 「ふあんひいたあ」の古語的表現。

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